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恋の女神は微笑まない (2)
2014.05.07 Wed
羽目を外して遊んだ的な記事ではないから、大和に対して失望はしないだろうけど、大和に恋人がいたと知って、裏切られたとか思うんだろうか。それとも、やっぱりな、て?
もしかしたら、大和に恋人がいようといまいと、そういうことはどうでもいいのかもしれない。
「てか、そもそも俺自身に興味ないとかだったらどうしよう…」
そうは言っても、クリスマスイブを一緒に過ごした仲だ。
そういう意味では、今回ともに週刊誌を飾った彼女より、千尋とほうが親密な仲だとは思うんだけど…。
「…でもなぁ」
聖夜の出来事を思い出しても、千尋の気持ちが少しは大和に傾いたとは言い難い。こんな週刊誌のくだらない記事より、千尋のことのほうが気掛かりだ。
けれど、万が一にも、ちょっとは大和のことが気になり掛けてて、なのにこの記事を見て、やっぱり気持ちが離れていったとかだったら…。
「この記事書いたヤツ、許せんっ!」
「お、おい、大和、どうした?」
自分の記事にもかかわらず、先ほどまで殆ど興味なさそうにしていたくせに、大和が急に声を荒らげるから、琉はギョッとしてスマホから顔を上げた。
根も葉もないことを書かれるのだったら、琉だって大和に負けてはいない。某ゴシップ誌によれば、琉には週替わりで恋人がいることになっていたのだ。
だから、大和がこうした記事にあんまり関心がないことも、それほど凹まないことも、その気持ちはよく分かる。分からないのは、彼が突然熱くなったことだ。
何やらブツブツと呟いていた内容からして、この記事を見られたくない誰かがいて、それを気にしているようなのだが…………だとしたら、そう言いたくなるのも分かる。
琉だって、もしこんな写真載せられたら、遥希を傷付けたかもしれないとか、遥希が記事の内容を信じて、琉のことを嫌いになったらどうしようとかで、気が気でなくなる。
「何でっ、こんなときにっ、選りに選って俺をっ、この俺を載せたんだっ…!」
一言ずつ区切って、ものすごい憎しみを込めて、大和がテーブルを叩く。
今までに見たことのない姿だ。それだけ相手のことを想っているのだろう。ちょっと怖い…。
とばっちりを食いたくない琉は、コソコソとスマホの画面に再び視線を落とす。遥希からメールの返事が来たのだ。
今どきの若者らしくなく、デジタル苦手の遥希は、無料通話アプリをダウンロードしておらず、琉との通信手段は未だに普通のメールだ。でも、かえってそれが2人だけの特別な感じがして、琉は少しも嫌じゃない。
『これから琉の出てる雑誌買いに行くよ☆*:.。.o(≧▽≦)o.。.:*☆』
琉の、『今何してるの?』のメールに、遥希は目一杯の喜びを顔文字で表現した返事をくれる。
琉と恋人としてお付き合いしていて、これでもかと言うほどメールのやり取りして、しょっちゅう会っているというのに、それでも雑誌は押さえておくんだね…。
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もしかしたら、大和に恋人がいようといまいと、そういうことはどうでもいいのかもしれない。
「てか、そもそも俺自身に興味ないとかだったらどうしよう…」
そうは言っても、クリスマスイブを一緒に過ごした仲だ。
そういう意味では、今回ともに週刊誌を飾った彼女より、千尋とほうが親密な仲だとは思うんだけど…。
「…でもなぁ」
聖夜の出来事を思い出しても、千尋の気持ちが少しは大和に傾いたとは言い難い。こんな週刊誌のくだらない記事より、千尋のことのほうが気掛かりだ。
けれど、万が一にも、ちょっとは大和のことが気になり掛けてて、なのにこの記事を見て、やっぱり気持ちが離れていったとかだったら…。
「この記事書いたヤツ、許せんっ!」
「お、おい、大和、どうした?」
自分の記事にもかかわらず、先ほどまで殆ど興味なさそうにしていたくせに、大和が急に声を荒らげるから、琉はギョッとしてスマホから顔を上げた。
根も葉もないことを書かれるのだったら、琉だって大和に負けてはいない。某ゴシップ誌によれば、琉には週替わりで恋人がいることになっていたのだ。
だから、大和がこうした記事にあんまり関心がないことも、それほど凹まないことも、その気持ちはよく分かる。分からないのは、彼が突然熱くなったことだ。
何やらブツブツと呟いていた内容からして、この記事を見られたくない誰かがいて、それを気にしているようなのだが…………だとしたら、そう言いたくなるのも分かる。
琉だって、もしこんな写真載せられたら、遥希を傷付けたかもしれないとか、遥希が記事の内容を信じて、琉のことを嫌いになったらどうしようとかで、気が気でなくなる。
「何でっ、こんなときにっ、選りに選って俺をっ、この俺を載せたんだっ…!」
一言ずつ区切って、ものすごい憎しみを込めて、大和がテーブルを叩く。
今までに見たことのない姿だ。それだけ相手のことを想っているのだろう。ちょっと怖い…。
とばっちりを食いたくない琉は、コソコソとスマホの画面に再び視線を落とす。遥希からメールの返事が来たのだ。
今どきの若者らしくなく、デジタル苦手の遥希は、無料通話アプリをダウンロードしておらず、琉との通信手段は未だに普通のメールだ。でも、かえってそれが2人だけの特別な感じがして、琉は少しも嫌じゃない。
『これから琉の出てる雑誌買いに行くよ☆*:.。.o(≧▽≦)o.。.:*☆』
琉の、『今何してるの?』のメールに、遥希は目一杯の喜びを顔文字で表現した返事をくれる。
琉と恋人としてお付き合いしていて、これでもかと言うほどメールのやり取りして、しょっちゅう会っているというのに、それでも雑誌は押さえておくんだね…。
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