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ベイビーネイビーブルー (3)
2014.04.27 Sun
熱を測った後の体温計の置き場が分からず、とりあえず枕元に置いて、睦月は目を閉じた。
雨の音がすごい。相変わらず天気は悪いようだ。いくら病院に行くためとはいえ、やっぱり外になんか出なくて正解だった。
睦月はモゾリと身を捩って横向きになると、膝を抱えるようにして丸くなった。何となくゾワゾワするのは、多分心じゃなくて体のほうで、寒気のせいに違いない。
「ん…」
今度は反対側に寝返りを打つ。
早く、お粥出来ないかな。亮、ちゃんと味付てくれるのかな。ただご飯をドロドロにしただけのは、あんまおいしくないと思うんだよね。でも、今は風邪引いてるし、味なんて分かんないのかな。風邪引くと、口がまずくなる? とか言うしね。つか、何で風邪引くとお粥なの? お粥食べると風邪が治るの? なら、薬いらないじゃん。
睦月は、ギュッと目を瞑った。
頭からふとんを被っているのに、雨の音がそれでも聞こえてくる。
睦月はふとんの中で足をジタバタさせた。意味はない。何となくそうしたい気分。風邪引いてるんだから、安静にしていないと。でも。早くお粥食べたいな。味のあるヤツ。ジタバタ。
「むっちゃん、何してんの!」
ふとんの向こうから亮の声がして、睦月は足を止めた。
お粥、出来たんだろうか。
「何、どうしたの、むっちゃん。どっか痛いの?」
ふとんが捲られそうになり、睦月はそれに抵抗するように、内側からふとんにしがみ付いた。
やめてよ、寒い。ふとんを取らないで。雨がすごい。
「むっちゃん、どうしたの? そうしてたんじゃ分かんない。お粥出来たよ? 食べよ?」
亮は困惑したような、でも優しい声でそう言いながら、ふとんを引っ張る。優しい力で。
でもダメ。嫌だ。無理。
「ヤダぁっ!」
「うわっ危なっ!」
一瞬の隙を突かれ、睦月の手からふとんが離れ、亮によって引き剥がされてしまう。剥き出しにされた睦月は、最後の抵抗とばかりに、亮に向かってバタバタと手を振り回した。
ふとんに潜っていた睦月は見えていなかったけれど、亮は出来上がったお粥を持って来ていたから、亮がすんでのところで躱していなかったら、大変なことになっていた。
「ちょっむっちゃんっ! …むっちゃん?」
危うく2人して火傷を負いそうになり掛け、亮は、ちっとも安静にしていない睦月を怒ろうとしたけれど、すぐに睦月の異変に気が付き、お粥を置いて、その顔を覗き込んだ。
「むっちゃん、どうしたの? 俺だよ? ねぇむっちゃん」
「え…………」
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雨の音がすごい。相変わらず天気は悪いようだ。いくら病院に行くためとはいえ、やっぱり外になんか出なくて正解だった。
睦月はモゾリと身を捩って横向きになると、膝を抱えるようにして丸くなった。何となくゾワゾワするのは、多分心じゃなくて体のほうで、寒気のせいに違いない。
「ん…」
今度は反対側に寝返りを打つ。
早く、お粥出来ないかな。亮、ちゃんと味付てくれるのかな。ただご飯をドロドロにしただけのは、あんまおいしくないと思うんだよね。でも、今は風邪引いてるし、味なんて分かんないのかな。風邪引くと、口がまずくなる? とか言うしね。つか、何で風邪引くとお粥なの? お粥食べると風邪が治るの? なら、薬いらないじゃん。
睦月は、ギュッと目を瞑った。
頭からふとんを被っているのに、雨の音がそれでも聞こえてくる。
睦月はふとんの中で足をジタバタさせた。意味はない。何となくそうしたい気分。風邪引いてるんだから、安静にしていないと。でも。早くお粥食べたいな。味のあるヤツ。ジタバタ。
「むっちゃん、何してんの!」
ふとんの向こうから亮の声がして、睦月は足を止めた。
お粥、出来たんだろうか。
「何、どうしたの、むっちゃん。どっか痛いの?」
ふとんが捲られそうになり、睦月はそれに抵抗するように、内側からふとんにしがみ付いた。
やめてよ、寒い。ふとんを取らないで。雨がすごい。
「むっちゃん、どうしたの? そうしてたんじゃ分かんない。お粥出来たよ? 食べよ?」
亮は困惑したような、でも優しい声でそう言いながら、ふとんを引っ張る。優しい力で。
でもダメ。嫌だ。無理。
「ヤダぁっ!」
「うわっ危なっ!」
一瞬の隙を突かれ、睦月の手からふとんが離れ、亮によって引き剥がされてしまう。剥き出しにされた睦月は、最後の抵抗とばかりに、亮に向かってバタバタと手を振り回した。
ふとんに潜っていた睦月は見えていなかったけれど、亮は出来上がったお粥を持って来ていたから、亮がすんでのところで躱していなかったら、大変なことになっていた。
「ちょっむっちゃんっ! …むっちゃん?」
危うく2人して火傷を負いそうになり掛け、亮は、ちっとも安静にしていない睦月を怒ろうとしたけれど、すぐに睦月の異変に気が付き、お粥を置いて、その顔を覗き込んだ。
「むっちゃん、どうしたの? 俺だよ? ねぇむっちゃん」
「え…………」
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