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愛情と花粉の量は比例しません (3)
2014.04.20 Sun
「鼻血も無駄にしない、エコな吸血鬼を目指そうと思ったのに」
「血に対して、貪欲すぎるだけなんじゃね?」
侑仁がちょっと指先をケガして血を滲ませただけでも、思わず吸血してしまう一伽は、はっきり言って、腹が減ったら、鼻血でさえも吸血しそうな勢いはあるのだが。
もしそうなったら、侑仁は一伽の前でうっかり鼻血も出せないから、気を付けないと。
「あ、じゃあ唇は?」
「何が? 何急に」
鼻の次は唇。
恐らく一伽は、首筋以外で吸血できそうな場所を考えているのだろうけれど。
「唇も結構血が流れてるじゃん? いっぱい吸えそう。それに、キスも出来てお得」
「いや、ちょっと待て、一伽」
唇は間抜けじゃないよね、と1人で納得している一伽に、焦ったのは侑仁だ。
吸血はいいとして、キスて何だ、キスて。
吸血鬼が毎日吸血しないといけない中で、同じ人間からは毎日血を吸えない以上、一伽が侑仁以外の誰かの血を吸うのはやむを得ないけれど、今の発言、食事と下心が思い切り入り混じってたし…!
「あ、いやいや、大丈夫。俺、今まで侑仁以外は、首筋からしか吸血したことないし」
先ほどの自分の発言が、かなりの問題発言と気付いたのか、一伽は慌てて言い訳した。
侑仁と付き合うまでの一伽は、貞操観念? 何それおいしいの? 状態の男だったから、そう言われても俄かには信用できないが、疑い始めたらキリがないので、侑仁は黙認しているのだが。
「まぁまぁまぁ唇はいいとして。ティシューティシュー。侑仁の家のティシューは柔らかで嬉しいなぁ」
これ以上、何を言っても墓穴を掘ると思ったのか、一伽は無理やり話を終わらせて、新しいティシューに手を伸ばした。
侑仁の家のティシューはとっても柔らかいヤツで、一伽は大変気に入っているのだ。
「………………。一伽、今日吸血は?」
「ぅ? まだだけど?」
「ふぅん? じゃあ、試させてやるよ――――唇」
「え? あ、ちょっ…」
何のこと? と一伽が聞き返す間もなく、侑仁は一伽の上に伸し掛かった。
ニヤリと人の悪い笑みを浮かべる侑仁に、一伽はようやく事の次第を悟ったが、もう遅かった。
吸血鬼の力を以ってすれば、人間である侑仁の下から抜け出るなど容易いことなのだが、現在、花粉症まっただ中で、気力も体力もすっかりそがれている一伽に、その力は残っていなかった。
「ちょ待っ…今キスは、鼻詰まって…」
「聞こえませーん」
ちょっとしたキスならいいけれど、吸血となれば、そこそこの時間を要する。
鼻が詰まっている今、それはちょっと厳しい。
侑仁とのキスが嫌なのではない。侑仁のことは好きだし、侑仁とのキスも好きだし、いろいろ大好きだけれど、今は……
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「血に対して、貪欲すぎるだけなんじゃね?」
侑仁がちょっと指先をケガして血を滲ませただけでも、思わず吸血してしまう一伽は、はっきり言って、腹が減ったら、鼻血でさえも吸血しそうな勢いはあるのだが。
もしそうなったら、侑仁は一伽の前でうっかり鼻血も出せないから、気を付けないと。
「あ、じゃあ唇は?」
「何が? 何急に」
鼻の次は唇。
恐らく一伽は、首筋以外で吸血できそうな場所を考えているのだろうけれど。
「唇も結構血が流れてるじゃん? いっぱい吸えそう。それに、キスも出来てお得」
「いや、ちょっと待て、一伽」
唇は間抜けじゃないよね、と1人で納得している一伽に、焦ったのは侑仁だ。
吸血はいいとして、キスて何だ、キスて。
吸血鬼が毎日吸血しないといけない中で、同じ人間からは毎日血を吸えない以上、一伽が侑仁以外の誰かの血を吸うのはやむを得ないけれど、今の発言、食事と下心が思い切り入り混じってたし…!
「あ、いやいや、大丈夫。俺、今まで侑仁以外は、首筋からしか吸血したことないし」
先ほどの自分の発言が、かなりの問題発言と気付いたのか、一伽は慌てて言い訳した。
侑仁と付き合うまでの一伽は、貞操観念? 何それおいしいの? 状態の男だったから、そう言われても俄かには信用できないが、疑い始めたらキリがないので、侑仁は黙認しているのだが。
「まぁまぁまぁ唇はいいとして。ティシューティシュー。侑仁の家のティシューは柔らかで嬉しいなぁ」
これ以上、何を言っても墓穴を掘ると思ったのか、一伽は無理やり話を終わらせて、新しいティシューに手を伸ばした。
侑仁の家のティシューはとっても柔らかいヤツで、一伽は大変気に入っているのだ。
「………………。一伽、今日吸血は?」
「ぅ? まだだけど?」
「ふぅん? じゃあ、試させてやるよ――――唇」
「え? あ、ちょっ…」
何のこと? と一伽が聞き返す間もなく、侑仁は一伽の上に伸し掛かった。
ニヤリと人の悪い笑みを浮かべる侑仁に、一伽はようやく事の次第を悟ったが、もう遅かった。
吸血鬼の力を以ってすれば、人間である侑仁の下から抜け出るなど容易いことなのだが、現在、花粉症まっただ中で、気力も体力もすっかりそがれている一伽に、その力は残っていなかった。
「ちょ待っ…今キスは、鼻詰まって…」
「聞こえませーん」
ちょっとしたキスならいいけれど、吸血となれば、そこそこの時間を要する。
鼻が詰まっている今、それはちょっと厳しい。
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