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愛情と花粉の量は比例しません (2)
2014.04.19 Sat
「あーもうクソッ、地球上の花粉よ、消滅せよっ!」
「それ、何のおまじない? 呪い?」
ようやく鼻血が止まったのか、鼻から手を離した一伽は、両手のこぶしを握り締めて、力いっぱいバカなことを叫んだ。
一伽の行動が突拍子もないのは今に始まったことではないし、今は何を言っても、何をやっても、一伽の苛立ちを募らせると分かっているのに、侑仁はついノリで突っ込んでしまう。
「侑仁ー、ティシューなくなったぁー」
「マジで? もう?」
「このティシューの山を見て、嘘だと思うかコノヤロウ」
「突っ掛かんなって」
侑仁は新しいティシューのボックスを持って来るついでに、ゴミ箱もキレイにしてやり、散らかっているティシューをゴミ箱に入れるよう、一伽に差し出した。
「つかさぁ、鼻血だって血なのに、俺、鼻血見ても、吸血したいとか思わないんだよね」
「まぁ…、鼻血を吸血するとか、何か間抜けな感じするしな」
鼻血の付いたティシューをゴミ箱に放りながら、一伽が真面目な顔でそんなことを言い出すから、とりあえず侑仁も、思い付いたことを答えておく。
人間である侑仁は、そもそも吸血したいという感情が起こらないので、はっきり言って答えてみようもないのだが、強いて言うならば、そういうことだと思う。
「ふはっ。何で鼻だと間抜けなんだろ!? 確かに、鼻から吸血するて、何か間抜けな感じする! 何で? 何で?」
「知らねぇし」
「侑仁が言い出したんじゃん!」
「お前も今、思っきし同意しただろ」
侑仁としては、そんなにおもしろいことを言ったつもりもなかったのに、一伽はたいそうウケたようで、腹を抱えて笑っている。
もしかしたら、鼻血を吸血している自分を想像しているのかもしれない。
「普通はさ、首筋んトコ噛み付くわけ。吸血するとき。それは全然間抜けじゃないだろ?」
「まぁ……うん」
吸血すること自体、吸血鬼か蚊の世界だけで通用する常識だから、どこから吸血するのが正解なのかは、人間の侑仁には分かりかねるが、伝説なんかの吸血鬼は、大抵首筋に噛み付いているから、それは間抜けな姿ではないのだろう。
というか、間抜けだ、と言いつつ、鼻血を吸血するネタを、一伽はだいぶ気に入っているようだ。
「鼻と首筋なんてさ、大して離れてないのに、何で鼻だと間抜けなんだ? 誰が首筋から吸血するて決めたの? 鼻から吸血するとか、流行んないかな」
「バカ言ってんじゃねぇよ。首筋んトコに太い血管通ってるから、首筋から吸血してんだろ?」
「あ、そっか」
血管なんて体中に張り巡らされているから、どこから吸血しようと、やってやれなくはないだろうけど、効率よく吸血できるから、首筋から吸血しているわけで。
もし鼻からのほうが都合がいいなら、間抜けだとか、そんなことを言ってはいられないだろうに。
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「それ、何のおまじない? 呪い?」
ようやく鼻血が止まったのか、鼻から手を離した一伽は、両手のこぶしを握り締めて、力いっぱいバカなことを叫んだ。
一伽の行動が突拍子もないのは今に始まったことではないし、今は何を言っても、何をやっても、一伽の苛立ちを募らせると分かっているのに、侑仁はついノリで突っ込んでしまう。
「侑仁ー、ティシューなくなったぁー」
「マジで? もう?」
「このティシューの山を見て、嘘だと思うかコノヤロウ」
「突っ掛かんなって」
侑仁は新しいティシューのボックスを持って来るついでに、ゴミ箱もキレイにしてやり、散らかっているティシューをゴミ箱に入れるよう、一伽に差し出した。
「つかさぁ、鼻血だって血なのに、俺、鼻血見ても、吸血したいとか思わないんだよね」
「まぁ…、鼻血を吸血するとか、何か間抜けな感じするしな」
鼻血の付いたティシューをゴミ箱に放りながら、一伽が真面目な顔でそんなことを言い出すから、とりあえず侑仁も、思い付いたことを答えておく。
人間である侑仁は、そもそも吸血したいという感情が起こらないので、はっきり言って答えてみようもないのだが、強いて言うならば、そういうことだと思う。
「ふはっ。何で鼻だと間抜けなんだろ!? 確かに、鼻から吸血するて、何か間抜けな感じする! 何で? 何で?」
「知らねぇし」
「侑仁が言い出したんじゃん!」
「お前も今、思っきし同意しただろ」
侑仁としては、そんなにおもしろいことを言ったつもりもなかったのに、一伽はたいそうウケたようで、腹を抱えて笑っている。
もしかしたら、鼻血を吸血している自分を想像しているのかもしれない。
「普通はさ、首筋んトコ噛み付くわけ。吸血するとき。それは全然間抜けじゃないだろ?」
「まぁ……うん」
吸血すること自体、吸血鬼か蚊の世界だけで通用する常識だから、どこから吸血するのが正解なのかは、人間の侑仁には分かりかねるが、伝説なんかの吸血鬼は、大抵首筋に噛み付いているから、それは間抜けな姿ではないのだろう。
というか、間抜けだ、と言いつつ、鼻血を吸血するネタを、一伽はだいぶ気に入っているようだ。
「鼻と首筋なんてさ、大して離れてないのに、何で鼻だと間抜けなんだ? 誰が首筋から吸血するて決めたの? 鼻から吸血するとか、流行んないかな」
「バカ言ってんじゃねぇよ。首筋んトコに太い血管通ってるから、首筋から吸血してんだろ?」
「あ、そっか」
血管なんて体中に張り巡らされているから、どこから吸血しようと、やってやれなくはないだろうけど、効率よく吸血できるから、首筋から吸血しているわけで。
もし鼻からのほうが都合がいいなら、間抜けだとか、そんなことを言ってはいられないだろうに。
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