スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
ビターチョコレートに込めた甘い愛 (73)
2014.04.11 Fri
「ダメ? 直央くん」
「ダメ、じゃないけど…、だって…」
まだ迷ってるのか、直央くんは手をモジモジさせながら、視線を彷徨わせたり、唇をむぐむぐさせたりしている。
あと一押しかな、て思う反面、そんなに悩んじゃうくらい嫌なの? て考えると、やっぱりこのチョコは貰わないほうがいいんじゃないかって思えてくる。
直央くんは俺に上げるつもりでチョコを作って、俺はそのチョコを貰いたいと思ってる。
すごく単純で簡単なことのように思えるけど。
「直央くんはまだ、俺がこのチョコ貰っても、嬉しくないと思ってる?」
「それは、そのっ…」
「……」
即行で否定しないあたり、やっぱりそう思ってるに違いない。
直央くんてこんなに分かりやすい性格してるのに、よく内緒でチョコ作るのに『いつもどおり作戦』とかやろうと思ったよね…。しかも自分じゃ完璧だと思ってるし…。
「…分かった」
「ぅ?」
「直央くんはこのチョコ、俺には上げないで、自分で食べることにしたんだよね?」
「え、ぅん…、まぁ…」
「じゃ、直央くん食べて? 今」
「へ? い今?」
「うん。そんで俺に味の感想を聞かせて?」
「えっ…」
多分、直央くんにしたら、予想もしなかったことだろう。
あんぐり口を開けたまま、固まってる。
このチョコの存在を知らないまま、直央くんが全部食べちゃった、ていうなら仕方ないけど、チョコは今俺の手の中にあって、でも俺は食べちゃいけないなら、このくらい。
いや、変なこと言ってるのは、自分でも分かる。
直央くんが強情だから、ちょっと意地悪したくなっただけ。
でも直央くんは、俺のたちの悪い冗談も本気で受け止めたのか、どうしようか真剣に悩んでる。
その姿もかわいいとか思っちゃう俺は、かなりの重症だ。
「直央くん、どっちにするの? 自分で食べて、味の感想聞かせてくれる? それとも俺に、このチョコくれる?」
「えっと…、それは、その2つしか選択肢ないの?」
「他に何があるの?」
「俺がこっそり食べて、徳永さんに何も言わない」
「その選択肢はありません」
むむ。直央くんもなかなか頑固だな。
知ってるけど。
それもかわいいけど。
「ね、直央くん、どっち?」
「どっちも…」
「どっちも嫌はなし」
「そんな…!」
すごく困った顔で、直央くんは眉を下げる。
ねぇ、そんなに難しい問題じゃなくない? 俺にチョコ上げれば済むだけの話じゃない?
でも、それはダメなんだよね、直央くん的には。俺には上げない、て決めたから。
back next
「ダメ、じゃないけど…、だって…」
まだ迷ってるのか、直央くんは手をモジモジさせながら、視線を彷徨わせたり、唇をむぐむぐさせたりしている。
あと一押しかな、て思う反面、そんなに悩んじゃうくらい嫌なの? て考えると、やっぱりこのチョコは貰わないほうがいいんじゃないかって思えてくる。
直央くんは俺に上げるつもりでチョコを作って、俺はそのチョコを貰いたいと思ってる。
すごく単純で簡単なことのように思えるけど。
「直央くんはまだ、俺がこのチョコ貰っても、嬉しくないと思ってる?」
「それは、そのっ…」
「……」
即行で否定しないあたり、やっぱりそう思ってるに違いない。
直央くんてこんなに分かりやすい性格してるのに、よく内緒でチョコ作るのに『いつもどおり作戦』とかやろうと思ったよね…。しかも自分じゃ完璧だと思ってるし…。
「…分かった」
「ぅ?」
「直央くんはこのチョコ、俺には上げないで、自分で食べることにしたんだよね?」
「え、ぅん…、まぁ…」
「じゃ、直央くん食べて? 今」
「へ? い今?」
「うん。そんで俺に味の感想を聞かせて?」
「えっ…」
多分、直央くんにしたら、予想もしなかったことだろう。
あんぐり口を開けたまま、固まってる。
このチョコの存在を知らないまま、直央くんが全部食べちゃった、ていうなら仕方ないけど、チョコは今俺の手の中にあって、でも俺は食べちゃいけないなら、このくらい。
いや、変なこと言ってるのは、自分でも分かる。
直央くんが強情だから、ちょっと意地悪したくなっただけ。
でも直央くんは、俺のたちの悪い冗談も本気で受け止めたのか、どうしようか真剣に悩んでる。
その姿もかわいいとか思っちゃう俺は、かなりの重症だ。
「直央くん、どっちにするの? 自分で食べて、味の感想聞かせてくれる? それとも俺に、このチョコくれる?」
「えっと…、それは、その2つしか選択肢ないの?」
「他に何があるの?」
「俺がこっそり食べて、徳永さんに何も言わない」
「その選択肢はありません」
むむ。直央くんもなかなか頑固だな。
知ってるけど。
それもかわいいけど。
「ね、直央くん、どっち?」
「どっちも…」
「どっちも嫌はなし」
「そんな…!」
すごく困った顔で、直央くんは眉を下げる。
ねぇ、そんなに難しい問題じゃなくない? 俺にチョコ上げれば済むだけの話じゃない?
でも、それはダメなんだよね、直央くん的には。俺には上げない、て決めたから。
- 関連記事
-
- ビターチョコレートに込めた甘い愛 (74) (2014/04/12)
- ビターチョコレートに込めた甘い愛 (73) (2014/04/11)
- ビターチョコレートに込めた甘い愛 (72) (2014/04/10)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:借金取りさん、こんにちは。
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
ちよ ⇒
もう…このお二人さん、
どうしたらいいんでしょうね~ (*´艸`)
いっそのこと、二人で一緒に食べちゃってくださいよ~
でも、ナオくんの考えることは計り知れないからね。
どんな事言い出すか楽しみ~!!
たぶん想像できないことなんだろうけど、
どうなるかな!?
どうしたらいいんでしょうね~ (*´艸`)
いっそのこと、二人で一緒に食べちゃってくださいよ~
でも、ナオくんの考えることは計り知れないからね。
どんな事言い出すか楽しみ~!!
たぶん想像できないことなんだろうけど、
どうなるかな!?
- |2014.04.11
- |Fri
- |14:12
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
もうホント、どうしたらいいんでしょう、このお2人。
どうしてバレンタインのチョコだけで、この騒ぎ(笑)
みんなの斜め上のほうを行く直央くんの思考、徳永さんしか受け止めてくれる人はいないでしょうから、しっかりと受け止めてもらわないと!
4月に入ったのに、まだバレンタイン。。。
どうか付いてきてくださいまし~(>_<)
コメントありがとうございました!
どうしてバレンタインのチョコだけで、この騒ぎ(笑)
みんなの斜め上のほうを行く直央くんの思考、徳永さんしか受け止めてくれる人はいないでしょうから、しっかりと受け止めてもらわないと!
4月に入ったのに、まだバレンタイン。。。
どうか付いてきてくださいまし~(>_<)
コメントありがとうございました!
- |2014.04.11
- |Fri
- |22:26
- |URL
- |EDIT|