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ハートのエースは誰のもの? (7)
2014.01.24 Fri
「あっ!」
4人掛けのテーブル席、先に遥希が奥に座り、その隣に水落を座らせないよう、さっと千尋が座った。
当然水落は、何で!? と非難がましい視線を千尋に向けたが、千尋はそんなこと物ともせず、フン、と鼻で笑ってやった。
「ホラ、水落、座れ」
南條に促され、水落は渋々と向かいの席に座った。
それでも、千尋の前でなく遥希の前に座らせてくれたのは、南條なりの優しさなのか、これ以上、面倒くさいことになりたくなかっただけのことなのかは分からない。
「え…えと…、何で琉が…?」
まだ何も状況が掴めていない遥希は、目の前に水落がいることが現実のことなのかどうかも分からない様子で、呆然としている。
「水落はねぇー」
こうなったら、何もかも洗いざらい話してやる!
遥希が水落に気を遣って会わないでいたのが、かえって水落を落ち込ませていたことも、千尋が遥希の様子を窺うために今日誘ったことも、それを南條に伝えたら、水落と一緒になって、ここで千尋と遥希が来るのを待ち伏せていたことも、みーんなみんな喋ってやるんだから!
千尋はコンロの火を点けると、アワアワしている南條を無視して、一気に捲し立ててやった。
「はぁ~~~~~っっっ」
すべてを話し終えた千尋は、その喉の渇きを潤すため、来ていた中ジョッキのビールを半分ほど飲み干した。
「え? え? じゃあ琉…」
話を聞き終えた遥希は、ポカンとしたまま、向かいの琉を見れば、琉はバツが悪そうに視線を逸らした。
その隣では、南條が頭を抱えて項垂れていた。
「水落はさ、ハルちゃんが会えないって言った理由を聞き出すことも出来ないヘタレなうえに、こうやってコソコソとハルちゃんのこと待ち伏せとかしちゃう、ストーカーみたいなヤツなんだよっ」
ガブガブとビールを煽り、バクバクとお通しを食べ、千尋は不機嫌さを隠すこともなく、水落のことを貶めてやる。
今回の件、遥希に非がないとも言い切れないが、それは飽くまで水落に心配を掛けまいとしてやったことだ。それに対して水落は、自分で理由を聞けなかったくせに、勝手に落ち込んで、周りに迷惑を掛けるなんて、とんでもないヤツだ!
「ハルちゃん、食べるの頼も? 風邪治ったばっかなんだから、栄養つけないと」
「う、うん…」
「大丈夫。全部水落の奢りだから!」
必要以上に遥希にくっ付き、勝手なことを言い出す千尋に、水落は「ちょっ…!」と慌てて突っ込もうとしたが、千尋に一睨みされて、大人しく引き下がった。
今回、一番振り回されたのはマネージャーの南條であり、千尋は南條から相談を受け、遥希を食事に誘ったくらいでしかないのだが、オチのあまりのくだらなさに、千尋は大変ご立腹なのだ。
back next
4人掛けのテーブル席、先に遥希が奥に座り、その隣に水落を座らせないよう、さっと千尋が座った。
当然水落は、何で!? と非難がましい視線を千尋に向けたが、千尋はそんなこと物ともせず、フン、と鼻で笑ってやった。
「ホラ、水落、座れ」
南條に促され、水落は渋々と向かいの席に座った。
それでも、千尋の前でなく遥希の前に座らせてくれたのは、南條なりの優しさなのか、これ以上、面倒くさいことになりたくなかっただけのことなのかは分からない。
「え…えと…、何で琉が…?」
まだ何も状況が掴めていない遥希は、目の前に水落がいることが現実のことなのかどうかも分からない様子で、呆然としている。
「水落はねぇー」
こうなったら、何もかも洗いざらい話してやる!
遥希が水落に気を遣って会わないでいたのが、かえって水落を落ち込ませていたことも、千尋が遥希の様子を窺うために今日誘ったことも、それを南條に伝えたら、水落と一緒になって、ここで千尋と遥希が来るのを待ち伏せていたことも、みーんなみんな喋ってやるんだから!
千尋はコンロの火を点けると、アワアワしている南條を無視して、一気に捲し立ててやった。
「はぁ~~~~~っっっ」
すべてを話し終えた千尋は、その喉の渇きを潤すため、来ていた中ジョッキのビールを半分ほど飲み干した。
「え? え? じゃあ琉…」
話を聞き終えた遥希は、ポカンとしたまま、向かいの琉を見れば、琉はバツが悪そうに視線を逸らした。
その隣では、南條が頭を抱えて項垂れていた。
「水落はさ、ハルちゃんが会えないって言った理由を聞き出すことも出来ないヘタレなうえに、こうやってコソコソとハルちゃんのこと待ち伏せとかしちゃう、ストーカーみたいなヤツなんだよっ」
ガブガブとビールを煽り、バクバクとお通しを食べ、千尋は不機嫌さを隠すこともなく、水落のことを貶めてやる。
今回の件、遥希に非がないとも言い切れないが、それは飽くまで水落に心配を掛けまいとしてやったことだ。それに対して水落は、自分で理由を聞けなかったくせに、勝手に落ち込んで、周りに迷惑を掛けるなんて、とんでもないヤツだ!
「ハルちゃん、食べるの頼も? 風邪治ったばっかなんだから、栄養つけないと」
「う、うん…」
「大丈夫。全部水落の奢りだから!」
必要以上に遥希にくっ付き、勝手なことを言い出す千尋に、水落は「ちょっ…!」と慌てて突っ込もうとしたが、千尋に一睨みされて、大人しく引き下がった。
今回、一番振り回されたのはマネージャーの南條であり、千尋は南條から相談を受け、遥希を食事に誘ったくらいでしかないのだが、オチのあまりのくだらなさに、千尋は大変ご立腹なのだ。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
以前から思っていたのですが、千尋って 影のフィクサーなのかもって!
ハルちゃんは 水落との恋愛に悩んだら 千尋に相談するし、
水落も ハルちゃんの事を 聞いたり、マネージャーの南条も然りでしょ。
だから、(o ⌒∇⌒)oo(⌒∇⌒ o)ネェ♪
いっそ 千尋を 統括マネージャーとして雇えば 上手く行くのでは??(笑)
『伝説の鬼マネージャー』として 後世まで その名が残る事は 間違いないでしょう!!
ヾ(@゚▽゚@)ノアハハハo(__)ノ彡☆バンバン!!...byebye☆
ハルちゃんは 水落との恋愛に悩んだら 千尋に相談するし、
水落も ハルちゃんの事を 聞いたり、マネージャーの南条も然りでしょ。
だから、(o ⌒∇⌒)oo(⌒∇⌒ o)ネェ♪
いっそ 千尋を 統括マネージャーとして雇えば 上手く行くのでは??(笑)
『伝説の鬼マネージャー』として 後世まで その名が残る事は 間違いないでしょう!!
ヾ(@゚▽゚@)ノアハハハo(__)ノ彡☆バンバン!!...byebye☆
- |2014.01.24
- |Fri
- |11:37
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
> 以前から思っていたのですが、千尋って 影のフィクサーなのかもって!
うはははは。
フィクサー!!
確かにみんな、ちーちゃんのこと、頼りすぎ!!
そしてちーちゃんも、何だかんだ言っても、間を取り持ってあげてますしね。
> 『伝説の鬼マネージャー』として 後世まで その名が残る事は 間違いないでしょう!!
そうなったら、めっちゃ厳しいでしょうね。
お仕事の好き嫌いも、絶対に許さない! その代わり、いい方向に転ぶお仕事しか持って来ない、ていう(笑)
以外にも、引っ張りだこかも!?
コメントありがとうございました!
うはははは。
フィクサー!!
確かにみんな、ちーちゃんのこと、頼りすぎ!!
そしてちーちゃんも、何だかんだ言っても、間を取り持ってあげてますしね。
> 『伝説の鬼マネージャー』として 後世まで その名が残る事は 間違いないでしょう!!
そうなったら、めっちゃ厳しいでしょうね。
お仕事の好き嫌いも、絶対に許さない! その代わり、いい方向に転ぶお仕事しか持って来ない、ていう(笑)
以外にも、引っ張りだこかも!?
コメントありがとうございました!
- |2014.01.24
- |Fri
- |21:31
- |URL
- |EDIT|