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ハートのエースは誰のもの? (6)
2014.01.23 Thu
「はぁ~~~~~…………」
すっかり脱力して、千尋はテーブルに突っ伏した。
理由を話さなかった遥希も遥希だが、そこまで凹むなら、水落ももっと問い質せばよかったものを。
南條と千尋を振り回した結果が、これだなんて…。
「でもちーちゃん、どうしたの? 琉のこと気にするなんて、珍しいね?」
「いや、だから……水落が…」
こうなったら、南條から聞いていた水落のことを、みんな遥希に話してやろう。
自分のしたことが、かえって琉を落ち込ませていただなんて、遥希が聞いたらショックを受けるかもしれないけれど、構うもんか。こっちはこっちで、いろいろと大変だったんだ。
千尋がそう決意し、言葉を続けようとした、次の瞬間だった。
「ハルちゃん! そうだったの!?」
千尋の背後から突然聞こえた声と現れた姿に、千尋も遥希もビクッと肩を震わせた。
みんなお酒も入って賑やかだから、わざわざ大きな声を上げるか、すごく耳を澄ますかしない限り、他のテーブルの話は聞こえないだろうけど、それでも水落のことを話題に上らせてからは、声を潜めていたはずだ。
それなのに、何なんだ、この男は。
千尋ですら気を遣ってやったというのに、それをぶち壊すように堂々と登場したのは、まさしく水落本人だった。一緒にいた南條が、慌てて水落を押さえている。
千尋はギョッとして振り返ったが、そこに水落の姿を見つけると、キッと睨み付けてやった。このタイミングとセリフからして、水落が千尋たちの話を聞いていたのは間違いない。
しかも、水落と南條がいたのは、千尋たちの1つ奥の席。千尋たちが席に着いてから、誰も奥に案内されていないから、水落と南條は、千尋たちより先に来て、待ち伏せていたことになる。
確かに千尋は、遥希と食事に行く場所と時間を南條に教えたが、それは遥希が誘いを断らなかったことを伝えたかっただけで、こんなことに利用されるためではないのに。
「バカ、静かにしてろっ…!」
「何すんだ、南條…!」
今にも遥希に飛び掛からんばかりの水落を、南條が必死に取り押さえている。
きっと南條は、ここに来ようとする水落を止め切れず、だったら一緒に行く! と言って決着したに違いない。
「え、琉……!? え? え?」
まさかこんなところで水落に会うなんて、千尋も想像していなかったが、会ってしまえば、水落がここにいる理由が見当の付く千尋と違って、遥希はまったく何が何だか分からないので、ポカンと口を開けて固まっている。
「あー…えっと、俺たち一緒で。こっちのテーブルに移るんで!」
幸いどのテーブルのグループも盛り上がっていて、俄かに騒がしくなった千尋たちのほうを気にする者をはいなかったが、飲み物と鍋の用意を持って来た店員が驚き戸惑っていたので、慌てて千尋が提案する。
こういうことは、普段だったら南條あたりが気が付くところなのだが、今は水落のことで精いっぱいで、それどころではないようだ。
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すっかり脱力して、千尋はテーブルに突っ伏した。
理由を話さなかった遥希も遥希だが、そこまで凹むなら、水落ももっと問い質せばよかったものを。
南條と千尋を振り回した結果が、これだなんて…。
「でもちーちゃん、どうしたの? 琉のこと気にするなんて、珍しいね?」
「いや、だから……水落が…」
こうなったら、南條から聞いていた水落のことを、みんな遥希に話してやろう。
自分のしたことが、かえって琉を落ち込ませていただなんて、遥希が聞いたらショックを受けるかもしれないけれど、構うもんか。こっちはこっちで、いろいろと大変だったんだ。
千尋がそう決意し、言葉を続けようとした、次の瞬間だった。
「ハルちゃん! そうだったの!?」
千尋の背後から突然聞こえた声と現れた姿に、千尋も遥希もビクッと肩を震わせた。
みんなお酒も入って賑やかだから、わざわざ大きな声を上げるか、すごく耳を澄ますかしない限り、他のテーブルの話は聞こえないだろうけど、それでも水落のことを話題に上らせてからは、声を潜めていたはずだ。
それなのに、何なんだ、この男は。
千尋ですら気を遣ってやったというのに、それをぶち壊すように堂々と登場したのは、まさしく水落本人だった。一緒にいた南條が、慌てて水落を押さえている。
千尋はギョッとして振り返ったが、そこに水落の姿を見つけると、キッと睨み付けてやった。このタイミングとセリフからして、水落が千尋たちの話を聞いていたのは間違いない。
しかも、水落と南條がいたのは、千尋たちの1つ奥の席。千尋たちが席に着いてから、誰も奥に案内されていないから、水落と南條は、千尋たちより先に来て、待ち伏せていたことになる。
確かに千尋は、遥希と食事に行く場所と時間を南條に教えたが、それは遥希が誘いを断らなかったことを伝えたかっただけで、こんなことに利用されるためではないのに。
「バカ、静かにしてろっ…!」
「何すんだ、南條…!」
今にも遥希に飛び掛からんばかりの水落を、南條が必死に取り押さえている。
きっと南條は、ここに来ようとする水落を止め切れず、だったら一緒に行く! と言って決着したに違いない。
「え、琉……!? え? え?」
まさかこんなところで水落に会うなんて、千尋も想像していなかったが、会ってしまえば、水落がここにいる理由が見当の付く千尋と違って、遥希はまったく何が何だか分からないので、ポカンと口を開けて固まっている。
「あー…えっと、俺たち一緒で。こっちのテーブルに移るんで!」
幸いどのテーブルのグループも盛り上がっていて、俄かに騒がしくなった千尋たちのほうを気にする者をはいなかったが、飲み物と鍋の用意を持って来た店員が驚き戸惑っていたので、慌てて千尋が提案する。
こういうことは、普段だったら南條あたりが気が付くところなのだが、今は水落のことで精いっぱいで、それどころではないようだ。
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