スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
ハートのエースは誰のもの? (8)
2014.01.25 Sat
「すいませーん、これとこれとこれとこれとこれ、お願いしまーす」
「おいっ…!」
店員を呼び止めた千尋は、メニューを広げて、次々と注文をする。
このまま4人で食事をすることになれば、2人前のもつ鍋ではもちろん足りないけれど、今の千尋の調子からすると、一体どのくらい頼むのか計り知れず、水落の背中を冷や汗が伝う。
「ホラ、もうお鍋食べれるよ?」
「ありがとう、ちーちゃん…」
ただ単に千尋は苛立ちから行動しているだけなのだが、遥希にしたら、テキパキと動く千尋が何だかすごく格好よく見えて、よそってくれたお椀を笑顔で受け取る。
もちろん、千尋のそんなサービスは、遥希オンリー。
千尋の眼中には南條も、ましてや水落なんて、これっぽちも入っていないのだ。
「あうぅ…」
ハルちゃんのその笑顔は俺のものなのに…、俺のものなのに…。
大体、3週間も会えずにいた恋人たちが、今こうして久々に会うことが出来たのだから、普通は気を利かせて席を離れてくれるものなのではないのか。
一人鍋が空しいなら南條だっているのだし、そもそもどうして2つテーブルを予約していたのを、1つにまとめる必要がある!?
水落は恨めしげに千尋を睨むが、まったく相手にされない。
悔しくて、隣の南條の足を蹴っ飛ばせば、仕返しに足を踏まれる始末。南條には南條なりの苦労があったのだから、感謝されこそしても、恨まれる筋合いはないのだ。
「…ビール、お代わり」
大量の料理の皿を持ってきた店員に、琉がビールのお代わりをオーダーすれば、冷ややかな千尋の視線に気が付いた。
何だ? と聞き返すのも嫌で、視線だけで問い掛ける。
「水落、ビールなんかお代わりしちゃって、ますますお腹ぷよったらどうすんだろうね」
「ッ…!!」
サラッと毒づく千尋に、今度こそ水落はブチ切れようとしたが、その直前に、酔ってほわほわになった遥希が、「ぷよっててもいいよ、琉のこと好きだよ」なんて言うものだから、それだけで水落の苛立ちは収まり、癒されてしまった。
「ホンット、単純なんだから」
千尋は水落を睨んでから、「琉、カッコいい」なんて言っている遥希の頭をよしよししてやった。
*****
そして、それから2時間後。
あれだけあった料理がすべて空になり、数杯のグラスも空いたころ。
「よし、南條、次行くぞぉっ!」
「えぇっ!?」
酔って、すっかり気分の良くなった千尋が、バシンとテーブルを叩いて立ち上がった。
隣の遥希は、もうお腹いっぱい、次なんて無理…と、困ったように千尋を見ている。もちろん南條だって満腹で、このまま家に直行する気満々だったのに。
「ちーちゃん、俺、もう次なんて行けないよぉ…」
「は? 何言ってんの、ハルちゃん。ハルちゃんは水落んち行くんでしょ?」
「え!?」
「何、違うの?」
千尋が冷たい口調で、冷たい視線を向けた先は、遥希ではなく、水落だ。
素直になれない千尋なりの、配慮だったらしい。
back next
「おいっ…!」
店員を呼び止めた千尋は、メニューを広げて、次々と注文をする。
このまま4人で食事をすることになれば、2人前のもつ鍋ではもちろん足りないけれど、今の千尋の調子からすると、一体どのくらい頼むのか計り知れず、水落の背中を冷や汗が伝う。
「ホラ、もうお鍋食べれるよ?」
「ありがとう、ちーちゃん…」
ただ単に千尋は苛立ちから行動しているだけなのだが、遥希にしたら、テキパキと動く千尋が何だかすごく格好よく見えて、よそってくれたお椀を笑顔で受け取る。
もちろん、千尋のそんなサービスは、遥希オンリー。
千尋の眼中には南條も、ましてや水落なんて、これっぽちも入っていないのだ。
「あうぅ…」
ハルちゃんのその笑顔は俺のものなのに…、俺のものなのに…。
大体、3週間も会えずにいた恋人たちが、今こうして久々に会うことが出来たのだから、普通は気を利かせて席を離れてくれるものなのではないのか。
一人鍋が空しいなら南條だっているのだし、そもそもどうして2つテーブルを予約していたのを、1つにまとめる必要がある!?
水落は恨めしげに千尋を睨むが、まったく相手にされない。
悔しくて、隣の南條の足を蹴っ飛ばせば、仕返しに足を踏まれる始末。南條には南條なりの苦労があったのだから、感謝されこそしても、恨まれる筋合いはないのだ。
「…ビール、お代わり」
大量の料理の皿を持ってきた店員に、琉がビールのお代わりをオーダーすれば、冷ややかな千尋の視線に気が付いた。
何だ? と聞き返すのも嫌で、視線だけで問い掛ける。
「水落、ビールなんかお代わりしちゃって、ますますお腹ぷよったらどうすんだろうね」
「ッ…!!」
サラッと毒づく千尋に、今度こそ水落はブチ切れようとしたが、その直前に、酔ってほわほわになった遥希が、「ぷよっててもいいよ、琉のこと好きだよ」なんて言うものだから、それだけで水落の苛立ちは収まり、癒されてしまった。
「ホンット、単純なんだから」
千尋は水落を睨んでから、「琉、カッコいい」なんて言っている遥希の頭をよしよししてやった。
*****
そして、それから2時間後。
あれだけあった料理がすべて空になり、数杯のグラスも空いたころ。
「よし、南條、次行くぞぉっ!」
「えぇっ!?」
酔って、すっかり気分の良くなった千尋が、バシンとテーブルを叩いて立ち上がった。
隣の遥希は、もうお腹いっぱい、次なんて無理…と、困ったように千尋を見ている。もちろん南條だって満腹で、このまま家に直行する気満々だったのに。
「ちーちゃん、俺、もう次なんて行けないよぉ…」
「は? 何言ってんの、ハルちゃん。ハルちゃんは水落んち行くんでしょ?」
「え!?」
「何、違うの?」
千尋が冷たい口調で、冷たい視線を向けた先は、遥希ではなく、水落だ。
素直になれない千尋なりの、配慮だったらしい。
back next
- 関連記事
-
- ハートのエースは誰のもの? (9) (2014/01/26)
- ハートのエースは誰のもの? (8) (2014/01/25)
- ハートのエースは誰のもの? (7) (2014/01/24)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
ちよ ⇒
ちーちゃん…
悪玉菌放出しまくり!! と思いきや、
(o^-')b !グッジョブ
だから憎めないんですよね~
そうすると…
もうお一方、まだ登場していない、
細マッチョなあの人がそろそろ…?
悪玉菌放出しまくり!! と思いきや、
(o^-')b !グッジョブ
だから憎めないんですよね~
そうすると…
もうお一方、まだ登場していない、
細マッチョなあの人がそろそろ…?
- |2014.01.25
- |Sat
- |08:42
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
ちーちゃん、何だかんだでお人好しですよね。
でも、一言何か言わなければ気が済まないっΨ(`∀´)Ψ
そしてその被害者は南條さんか琉タン……つまり、ハルちゃんには甘いお人です。
そんなちーちゃんを止めることが出来るのは、あのお方でしょうかね、やっぱり。
本人はまったく気付いておりませんが…(^_^;)
コメントありがとうございました!
でも、一言何か言わなければ気が済まないっΨ(`∀´)Ψ
そしてその被害者は南條さんか琉タン……つまり、ハルちゃんには甘いお人です。
そんなちーちゃんを止めることが出来るのは、あのお方でしょうかね、やっぱり。
本人はまったく気付いておりませんが…(^_^;)
コメントありがとうございました!
- |2014.01.25
- |Sat
- |23:33
- |URL
- |EDIT|