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ハートのエースは誰のもの? (1)
2014.01.18 Sat
最近新しく出来た、ちょっとお高めの焼肉屋で、バクバクとカルビを口に運んでいた千尋は、向かいに座る南條の言葉に、『うん?』と眉を寄せた。
「いや…、だから、小野田くんの様子、どう? 最近」
千尋は、ただちょっと南條の言っていることが分からなかっただけなのだが、その聞き返した様子が不機嫌そうな仕草に見えたのか、南條はおどおどと言い直した。
「ハルちゃんの様子? んなもん、俺が知ってるわけねぇじゃん。水落に聞けよ」
ハルちゃんこと小野田遥希は、千尋の親友ではあるけれど、別に2人は一緒に暮らしているわけでもなければ、毎日会っているわけでもない。
たまに、気持ち悪いほどの頻度で一緒にいることはあるけれど、今はそういうこともなく、時々メールをやり取りするくらいで、そういえば最後に遥希に会ったのは2週間くらい前のことだった。
それよりは、(千尋にしたら鬱陶しいくらい)いつでも一緒にいる、遥希の恋人である水落に聞くのが筋だろう。
何しろ南條は、水落琉と一ノ瀬大和からなる超人気アイドルユニット「FATE」のマネージャーなのだから、水落に話を聞くなど、たやすいことのはずだ。
「いや、だからそれが…」
何となく奥歯に物が挟まったような言い方をする南條に構うことなく、千尋は新たに届いたハラミの皿に手を付ける。
「つかお前、話聞く気あんのか!? てか、俺の肉ー!!」
「南條、うっさい」
千尋は食べるのが速いので、焼肉のように1つの皿のものを2人で分け合って食べるときは、ちょっと他のことに気を取られていると、あっという間に千尋にみんな食べられてしまう。
こういうときは、相手の分を残しておくのが普通だと思うのだが、それが通用しないのが千尋なのである。
「ったく、肉ごときで。小せぇ男だな」
「そういう問題か!?」
高校のとき以来、こんな千尋と友人でいられる南條は、決して器の小さな男ではないはずなのだが…。
とにかく、千尋と食事をするときは、何かと要注意なのである。
「それよりも! 小野田くんの…」
「だから、知らねぇっつの。何で俺に聞くんだよ」
また話が最初に戻って、千尋は嫌そうに言い返した。
「………………。水落とハルちゃん、何かあったの?」
千尋と南條は高校来の友人ではあるが、南條は仕事柄、千尋よりも水落と一緒にいることのほうが多く、その水落がベラベラと惚気るものだから、特に知りたいわけでもないのに、南條は時に、千尋以上に遥希情報を有していることがあるのだ。
それなのに、南條がわざわざ千尋に遥希について聞くのは、水落の様子に何かあり、原因が遥希にあるかもしれないのに、水落が口を割らないからなのだろう。
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「いや…、だから、小野田くんの様子、どう? 最近」
千尋は、ただちょっと南條の言っていることが分からなかっただけなのだが、その聞き返した様子が不機嫌そうな仕草に見えたのか、南條はおどおどと言い直した。
「ハルちゃんの様子? んなもん、俺が知ってるわけねぇじゃん。水落に聞けよ」
ハルちゃんこと小野田遥希は、千尋の親友ではあるけれど、別に2人は一緒に暮らしているわけでもなければ、毎日会っているわけでもない。
たまに、気持ち悪いほどの頻度で一緒にいることはあるけれど、今はそういうこともなく、時々メールをやり取りするくらいで、そういえば最後に遥希に会ったのは2週間くらい前のことだった。
それよりは、(千尋にしたら鬱陶しいくらい)いつでも一緒にいる、遥希の恋人である水落に聞くのが筋だろう。
何しろ南條は、水落琉と一ノ瀬大和からなる超人気アイドルユニット「FATE」のマネージャーなのだから、水落に話を聞くなど、たやすいことのはずだ。
「いや、だからそれが…」
何となく奥歯に物が挟まったような言い方をする南條に構うことなく、千尋は新たに届いたハラミの皿に手を付ける。
「つかお前、話聞く気あんのか!? てか、俺の肉ー!!」
「南條、うっさい」
千尋は食べるのが速いので、焼肉のように1つの皿のものを2人で分け合って食べるときは、ちょっと他のことに気を取られていると、あっという間に千尋にみんな食べられてしまう。
こういうときは、相手の分を残しておくのが普通だと思うのだが、それが通用しないのが千尋なのである。
「ったく、肉ごときで。小せぇ男だな」
「そういう問題か!?」
高校のとき以来、こんな千尋と友人でいられる南條は、決して器の小さな男ではないはずなのだが…。
とにかく、千尋と食事をするときは、何かと要注意なのである。
「それよりも! 小野田くんの…」
「だから、知らねぇっつの。何で俺に聞くんだよ」
また話が最初に戻って、千尋は嫌そうに言い返した。
「………………。水落とハルちゃん、何かあったの?」
千尋と南條は高校来の友人ではあるが、南條は仕事柄、千尋よりも水落と一緒にいることのほうが多く、その水落がベラベラと惚気るものだから、特に知りたいわけでもないのに、南條は時に、千尋以上に遥希情報を有していることがあるのだ。
それなのに、南條がわざわざ千尋に遥希について聞くのは、水落の様子に何かあり、原因が遥希にあるかもしれないのに、水落が口を割らないからなのだろう。
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如月久美子 ⇒ >拍手コメ→名無しさん
初めまして、こんばんは。
このシリーズ、お好きですか! もしかして昨日、このシリーズにたくさん拍手くださったかでしょうか。
ありがとうございます!
冬恋キャンペーンとして、いろんなお話の短編をアップしていくこの企画(…と勝手に自分で思ってるだけの企画)第4弾は、ハルちゃんたちです~。
全然進展のないちーちゃん&大和くんを尻目に、ハルちゃんたちはラブラブかと思いきや。。。
振り回されるかわいそうな南條さんも相変わらずのこのシリーズですが、お楽しみいただければです。
拍手&コメントありがとうございました!
このシリーズ、お好きですか! もしかして昨日、このシリーズにたくさん拍手くださったかでしょうか。
ありがとうございます!
冬恋キャンペーンとして、いろんなお話の短編をアップしていくこの企画(…と勝手に自分で思ってるだけの企画)第4弾は、ハルちゃんたちです~。
全然進展のないちーちゃん&大和くんを尻目に、ハルちゃんたちはラブラブかと思いきや。。。
振り回されるかわいそうな南條さんも相変わらずのこのシリーズですが、お楽しみいただければです。
拍手&コメントありがとうございました!
- |2014.01.18
- |Sat
- |22:56
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