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ハートのエースは誰のもの? (2)
2014.01.19 Sun
「…水落が今、超絶凹んでる」
「へぇ」
「なぜなら、ここしばらく、小野田くんと会えていないから」
「くだらねぇ」
深刻な表情で打ち明けた南條に、千尋はあっさりバッサリ一言でそう片付けた。
いくら遥希が時間に余裕のある大学生とはいえ、水落は、押しも押されもせぬスーパーアイドルで、忙しいのは当たり前。なかなか会えないこともあるのは百も承知で付き合ったのではないのか。
大体そんなこと、南條だって、十二分に分かっているはずだ。
「いや、それが…」
「んだよ」
「水落が小野田くんに会おうとしても、拒否られてる。もう3週間くらい」
「はぁ~~~~~???」
千尋に『くだらねぇ』と切り捨てられ、南條は思い詰めた表情で、ようやく肝心のことを打ち明ければ、途端、千尋は周囲を顧みずに大きな声を張り上げた。
「バカッ、シッ、シーッ!」
千尋の大声に周囲の視線が集まり、南條は慌てて千尋を宥める。
「ちょっ…、は? 何? ハルちゃんが水落に会うの、拒否ってんの?」
驚きのあまり声を大きくしてしまった千尋だが、水落の名前を出すことに関しては、周囲に気を遣って、一呼吸おいて声を潜めて南條に聞き返した。
最初は、芸能人である水落と付き合うなんて…と、水落と距離を置こうとしていた遥希だったが、恋人同士となってからは、まだ多少の遠慮はあるものの、水落の誘いを何よりも最優先するようになったのに。
「水落の話だとな。でも、それが冗談じゃない証拠に、水落がめっちゃ凹んでる」
「水落が何かしたんじゃねぇの? ハルちゃんに。会いたくねぇ、つーことは、そういうことだろ」
「俺もそう思ったけど、水落は何もしてねぇ、て言うし」
「自覚してねぇだけだろ」
会いたがらない理由としては、その辺りが妥当なところだ。いくら水落が遥希のことを大好きでも、気付かないうちに、怒らせるようなことをしていないとは限らない。
ただ遥希は、水落と付き合う前、水落からの告白を断ったにもかかわらず、ファンだから、とか言って、FATEのCDを買うような子だから、そのくらいのことで会うことを拒否するとも思えないが。
「ったく、面倒くせぇ男だな」
「俺だってそう思うよ! でも何とかするには、小野田くんが水落に会ってくんないと…。だから理由を知りたいんだよ。小野田くんが水落に会わない理由」
「で、俺にハルちゃんの様子を聞きたかったわけね」
そうは言っても、千尋も遥希とは2週間くらい会っていないのだ。
メールをする限りでは、遥希は普段と何も変わらない感じだし、ましてや水落に会うことを拒否しているなど、一言も書いていなかったし。
「………………。南條、お前、今日ここ奢れよ」
最後の1枚となったハラミを口に入れた千尋は、少し何かを考えてから、徐に口を開いた。
「はぁ? 何だよ急に。ほぼお前が食ってんのに、何で」
「そしたら、ハルちゃんに、何があったのか、聞いてやるよ」
ニヤリと笑った千尋は、店員を呼び止めると、新たな肉を幾皿も注文したのだった。
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「へぇ」
「なぜなら、ここしばらく、小野田くんと会えていないから」
「くだらねぇ」
深刻な表情で打ち明けた南條に、千尋はあっさりバッサリ一言でそう片付けた。
いくら遥希が時間に余裕のある大学生とはいえ、水落は、押しも押されもせぬスーパーアイドルで、忙しいのは当たり前。なかなか会えないこともあるのは百も承知で付き合ったのではないのか。
大体そんなこと、南條だって、十二分に分かっているはずだ。
「いや、それが…」
「んだよ」
「水落が小野田くんに会おうとしても、拒否られてる。もう3週間くらい」
「はぁ~~~~~???」
千尋に『くだらねぇ』と切り捨てられ、南條は思い詰めた表情で、ようやく肝心のことを打ち明ければ、途端、千尋は周囲を顧みずに大きな声を張り上げた。
「バカッ、シッ、シーッ!」
千尋の大声に周囲の視線が集まり、南條は慌てて千尋を宥める。
「ちょっ…、は? 何? ハルちゃんが水落に会うの、拒否ってんの?」
驚きのあまり声を大きくしてしまった千尋だが、水落の名前を出すことに関しては、周囲に気を遣って、一呼吸おいて声を潜めて南條に聞き返した。
最初は、芸能人である水落と付き合うなんて…と、水落と距離を置こうとしていた遥希だったが、恋人同士となってからは、まだ多少の遠慮はあるものの、水落の誘いを何よりも最優先するようになったのに。
「水落の話だとな。でも、それが冗談じゃない証拠に、水落がめっちゃ凹んでる」
「水落が何かしたんじゃねぇの? ハルちゃんに。会いたくねぇ、つーことは、そういうことだろ」
「俺もそう思ったけど、水落は何もしてねぇ、て言うし」
「自覚してねぇだけだろ」
会いたがらない理由としては、その辺りが妥当なところだ。いくら水落が遥希のことを大好きでも、気付かないうちに、怒らせるようなことをしていないとは限らない。
ただ遥希は、水落と付き合う前、水落からの告白を断ったにもかかわらず、ファンだから、とか言って、FATEのCDを買うような子だから、そのくらいのことで会うことを拒否するとも思えないが。
「ったく、面倒くせぇ男だな」
「俺だってそう思うよ! でも何とかするには、小野田くんが水落に会ってくんないと…。だから理由を知りたいんだよ。小野田くんが水落に会わない理由」
「で、俺にハルちゃんの様子を聞きたかったわけね」
そうは言っても、千尋も遥希とは2週間くらい会っていないのだ。
メールをする限りでは、遥希は普段と何も変わらない感じだし、ましてや水落に会うことを拒否しているなど、一言も書いていなかったし。
「………………。南條、お前、今日ここ奢れよ」
最後の1枚となったハラミを口に入れた千尋は、少し何かを考えてから、徐に口を開いた。
「はぁ? 何だよ急に。ほぼお前が食ってんのに、何で」
「そしたら、ハルちゃんに、何があったのか、聞いてやるよ」
ニヤリと笑った千尋は、店員を呼び止めると、新たな肉を幾皿も注文したのだった。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
ハルちゃんに会えなくて 目の下にクマを作って 頬も ゲッソリな水落を 想像しただけで 嗤ってしまう私は 鬼でしょうか?(笑)
だって 面白いも~ん♪( ̄∀ ̄)ウシシ♪
そんな鬼の私の事は置いといて…
あの 水落LOVEなハルちゃんが、3週間も会うのを 拒否るなんて 信じられな~~い!!
遠慮の塊のハルちゃんの事だから 余計な気を遣っているのじゃないのかな?
それが 逆効果になるとも 知らないでね♪
゚+。ゥフフ(o-艸-o)ゥフフ。+゚...byebye☆
だって 面白いも~ん♪( ̄∀ ̄)ウシシ♪
そんな鬼の私の事は置いといて…
あの 水落LOVEなハルちゃんが、3週間も会うのを 拒否るなんて 信じられな~~い!!
遠慮の塊のハルちゃんの事だから 余計な気を遣っているのじゃないのかな?
それが 逆効果になるとも 知らないでね♪
゚+。ゥフフ(o-艸-o)ゥフフ。+゚...byebye☆
- |2014.01.19
- |Sun
- |09:23
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
> ハルちゃんに会えなくて 目の下にクマを作って 頬も ゲッソリな水落を 想像しただけで 嗤ってしまう私は 鬼でしょうか?(笑)
受けのことがかわいすぎて、つい攻めにツラい思いをさせてしまう私も、多分お仲間なんじゃないかと…(笑)
> 遠慮の塊のハルちゃんの事だから 余計な気を遣っているのじゃないのかな?
> それが 逆効果になるとも 知らないでね♪
遠慮の塊!!
そうなんですよ。ハルちゃんは、琉タンに迷惑がかかることを何より嫌がりますからね。
その遠慮が大暴走してるとも知らずに…(笑)
コメントありがとうございました!
受けのことがかわいすぎて、つい攻めにツラい思いをさせてしまう私も、多分お仲間なんじゃないかと…(笑)
> 遠慮の塊のハルちゃんの事だから 余計な気を遣っているのじゃないのかな?
> それが 逆効果になるとも 知らないでね♪
遠慮の塊!!
そうなんですよ。ハルちゃんは、琉タンに迷惑がかかることを何より嫌がりますからね。
その遠慮が大暴走してるとも知らずに…(笑)
コメントありがとうございました!
- |2014.01.19
- |Sun
- |22:59
- |URL
- |EDIT|