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ラブゲームには程遠い (4)
2014.01.16 Thu
侑仁が一体どこで飲んでいたのかは知らないが、それほど経たないうちに、侑仁が店へと飛び込んで来た。
しかし残念ながら、一伽はまだ、航平にしがみ付いたままだった。
「ちょおっ! 何これ!」
「うっさい、侑仁」
航平一伽の状態を目にした瞬間、案の定、侑仁は頭を抱えて喚いた。
何度かその腕の中から抜け出そうと試みた航平だったが、そもそも人間と吸血鬼では腕力に大きな差があるうえ、酔って力加減の出来なくなった一伽の腕は、少しも解けなかったのである。
余計な体力を消費するのが面倒くさくなった航平は、途中からその脱出を諦め、ふてて1人で酒を煽っていたのだ。
「何でこんなことになってんの!? 意味分かんないっ」
「お前のせいじゃ、ボケ」
騒ぎ立てる侑仁をとりあえず座らせ、航平は今に至るまでを説明してやる。
面倒くさいとは思ったが、これを省略すると、余計に面倒くさいことになるのは、長い付き合いの中でよく分かっているのだ。
「んなこと言ったってしょうがないじゃん。俺だって、接待より一伽と一緒にいたかったよ…」
「そんなの、俺に言うな。コイツに言え」
「だって寝てんじゃん…。もー航平、どんだけ飲ませたの!? 航平強いんだから、同じペースで飲ませないでよ!」
一伽も結構酒に強いことは侑仁も知っているが、同時に、航平が底なしだということも知っている。
そんな彼が付いていたところで、飲み過ぎないように、なんてことが無理なのは、百も承知と言えば百も承知なのだが。
「もういいから、お前は会計して、コイツ起こして、さっさと連れて帰れ!」
「え、ちょ、待って。どさくさに紛れて航平、何言ってんの? 何で俺が会計しなきゃなんないの?」
非常に鬱陶しげに航平に言われ、しかしそのセリフの中に引っ掛かりを覚えて、侑仁は素直に頷くことが出来なかった。
侑仁はここに来てから、お冷の1杯も飲んでいないのだ。
それなのに、どうしてお会計?
「俺がコイツと飲みに来たのも、コイツが潰れたのも、今こうしてこうなってんのも、みんなお前のせいだからじゃ、アホんだら!」
「そんなぁ~…」
不機嫌さも手伝って、どんどん口の悪くなってくる航平に、侑仁は情けなく眉を下げる。
航平は整った顔立ちのイケメンだが、どことなくVシネマに出てくるヤクザのような雰囲気が漂っているので、本人にその気がなくても、ちょっと凄むだけで、与える印象はだいぶ恐ろしい。
それは、長い付き合いの侑仁ですら思うのだから、知らない人が見たら、いかほどかと思う。
とにかく。
意味は分からないけれど、侑仁はこの場の会計を済ませ(本当に2人で飲んだの!? という金額だった…)、一伽を起こしに掛かる。
「一伽、一伽、起きて。それ航平だから」
「ぅ…ん~ん~…」
「一伽、」
肩を揺さぶると、多少は反応があるものの、一伽はなかなか目を覚まさない。
これは相当飲んでいるに違いない。
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しかし残念ながら、一伽はまだ、航平にしがみ付いたままだった。
「ちょおっ! 何これ!」
「うっさい、侑仁」
航平一伽の状態を目にした瞬間、案の定、侑仁は頭を抱えて喚いた。
何度かその腕の中から抜け出そうと試みた航平だったが、そもそも人間と吸血鬼では腕力に大きな差があるうえ、酔って力加減の出来なくなった一伽の腕は、少しも解けなかったのである。
余計な体力を消費するのが面倒くさくなった航平は、途中からその脱出を諦め、ふてて1人で酒を煽っていたのだ。
「何でこんなことになってんの!? 意味分かんないっ」
「お前のせいじゃ、ボケ」
騒ぎ立てる侑仁をとりあえず座らせ、航平は今に至るまでを説明してやる。
面倒くさいとは思ったが、これを省略すると、余計に面倒くさいことになるのは、長い付き合いの中でよく分かっているのだ。
「んなこと言ったってしょうがないじゃん。俺だって、接待より一伽と一緒にいたかったよ…」
「そんなの、俺に言うな。コイツに言え」
「だって寝てんじゃん…。もー航平、どんだけ飲ませたの!? 航平強いんだから、同じペースで飲ませないでよ!」
一伽も結構酒に強いことは侑仁も知っているが、同時に、航平が底なしだということも知っている。
そんな彼が付いていたところで、飲み過ぎないように、なんてことが無理なのは、百も承知と言えば百も承知なのだが。
「もういいから、お前は会計して、コイツ起こして、さっさと連れて帰れ!」
「え、ちょ、待って。どさくさに紛れて航平、何言ってんの? 何で俺が会計しなきゃなんないの?」
非常に鬱陶しげに航平に言われ、しかしそのセリフの中に引っ掛かりを覚えて、侑仁は素直に頷くことが出来なかった。
侑仁はここに来てから、お冷の1杯も飲んでいないのだ。
それなのに、どうしてお会計?
「俺がコイツと飲みに来たのも、コイツが潰れたのも、今こうしてこうなってんのも、みんなお前のせいだからじゃ、アホんだら!」
「そんなぁ~…」
不機嫌さも手伝って、どんどん口の悪くなってくる航平に、侑仁は情けなく眉を下げる。
航平は整った顔立ちのイケメンだが、どことなくVシネマに出てくるヤクザのような雰囲気が漂っているので、本人にその気がなくても、ちょっと凄むだけで、与える印象はだいぶ恐ろしい。
それは、長い付き合いの侑仁ですら思うのだから、知らない人が見たら、いかほどかと思う。
とにかく。
意味は分からないけれど、侑仁はこの場の会計を済ませ(本当に2人で飲んだの!? という金額だった…)、一伽を起こしに掛かる。
「一伽、一伽、起きて。それ航平だから」
「ぅ…ん~ん~…」
「一伽、」
肩を揺さぶると、多少は反応があるものの、一伽はなかなか目を覚まさない。
これは相当飲んでいるに違いない。
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