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ラブゲームには程遠い (1)
2014.01.13 Mon
年末年始となれば、働く者にとっての年中行事は忘新年会とくるわけだが、一伽の働くセレクトショップ「oz」には、残念ながらその習慣がなかった。
ozは、航平・一伽・志信の他に、バイトの子たちがいるのだが、いくら年がそれほど離れていないとしても、若いバイトの子たちは今どきの若者の例に漏れず、やはり職場の上司と一緒に飲むのを好まない傾向にあるので、わざわざ企画していないのである。
かといって、バイトの子以外で飲みたいかと言えば、一伽は即行で拒否するし、志信も「どうしても、て言うなら…」というスタンスなので、それもない。
もちろん航平は、声が上がればやるつもりでいたが、今年もそんなことのないまま、1年は終わりそうだった。
――――のだが。
「何でこんなことになってんだ…」
チェーンの居酒屋の一角。
向かいの席でフニャフニャになっている一伽を見つめ、航平は頭を抱えて溜め息を零した。
先のとおり、ozは職場としての忘年会は企画されていない。
そして、航平と一伽が2人きりで飲みに行くなど、まずあり得ない。
にもかかわらず、年末のこの時期に、2人が仕事の後に一緒に飲みに来たのは、ひとえに侑仁のせいだった。
いや、それを侑仁に言えば、『何で俺のせい!?』となるだろうが、そうだとしても、一伽の性格を考慮すれば、原因は侑仁にあるとしか航平には思えなかった。
一伽と侑仁は違う業種の仕事に就いているが、年末にかけて忙しくなるのはお互いさまで、ここ最近はなかなか会えずにいたらしい(もちろん航平は、そんなガールズトーク、一伽とも侑仁ともしないのだが、一伽が愚痴ってくるので、嫌でも耳に入るのだ)。
そうした中、聞きもしないのに一伽が、『久々に侑仁に会える!』と、数日前から話していたので、航平はとりあえず、『よかったな』と言っていたのだが、その約束が、今日になって反故にされたというのである。
『うわぁ~~~~ん、侑仁のバカぁ~~~!!!』
閉店後の店内。
いつものようにダラダラと……ではなく、侑仁との約束のためにキビキビと掃除を終えた一伽は、カバンの中からスマホを取り出して、受信していたメールを見た瞬間、喚き出したのである。
これには航平も『うっさいねん!』と突っ込むことも忘れ、何事かと心配して声を掛けたほどだった。
メールを見れば、侑仁は、取引先との忘年会と称した接待に急きょ駆り出されることになり、一伽に会えなくなったとのことだった。
ドタキャンされていい気はしないが、仕事の都合でプライベートの予定を変更せざるを得ない事情は、ある程度年齢を重ねると、少なからず出てくることだ。
それも仕方がないと納得するのが大人だとは言わないが、我慢せざるを得ないのは事実なので、諦めるほかないのだが、そうはいかないのが一伽である。
『何で? 何で?』と航平に詰め寄り、『何それ許せん!』と大いに憤慨し、『もう侑仁なんか知らないっ!』と拗ねまくった挙げ句、『そっちがその気なら、こっちだって!』と、航平を忘年会と称したヤケ酒に付き合せたのである。
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ozは、航平・一伽・志信の他に、バイトの子たちがいるのだが、いくら年がそれほど離れていないとしても、若いバイトの子たちは今どきの若者の例に漏れず、やはり職場の上司と一緒に飲むのを好まない傾向にあるので、わざわざ企画していないのである。
かといって、バイトの子以外で飲みたいかと言えば、一伽は即行で拒否するし、志信も「どうしても、て言うなら…」というスタンスなので、それもない。
もちろん航平は、声が上がればやるつもりでいたが、今年もそんなことのないまま、1年は終わりそうだった。
――――のだが。
「何でこんなことになってんだ…」
チェーンの居酒屋の一角。
向かいの席でフニャフニャになっている一伽を見つめ、航平は頭を抱えて溜め息を零した。
先のとおり、ozは職場としての忘年会は企画されていない。
そして、航平と一伽が2人きりで飲みに行くなど、まずあり得ない。
にもかかわらず、年末のこの時期に、2人が仕事の後に一緒に飲みに来たのは、ひとえに侑仁のせいだった。
いや、それを侑仁に言えば、『何で俺のせい!?』となるだろうが、そうだとしても、一伽の性格を考慮すれば、原因は侑仁にあるとしか航平には思えなかった。
一伽と侑仁は違う業種の仕事に就いているが、年末にかけて忙しくなるのはお互いさまで、ここ最近はなかなか会えずにいたらしい(もちろん航平は、そんなガールズトーク、一伽とも侑仁ともしないのだが、一伽が愚痴ってくるので、嫌でも耳に入るのだ)。
そうした中、聞きもしないのに一伽が、『久々に侑仁に会える!』と、数日前から話していたので、航平はとりあえず、『よかったな』と言っていたのだが、その約束が、今日になって反故にされたというのである。
『うわぁ~~~~ん、侑仁のバカぁ~~~!!!』
閉店後の店内。
いつものようにダラダラと……ではなく、侑仁との約束のためにキビキビと掃除を終えた一伽は、カバンの中からスマホを取り出して、受信していたメールを見た瞬間、喚き出したのである。
これには航平も『うっさいねん!』と突っ込むことも忘れ、何事かと心配して声を掛けたほどだった。
メールを見れば、侑仁は、取引先との忘年会と称した接待に急きょ駆り出されることになり、一伽に会えなくなったとのことだった。
ドタキャンされていい気はしないが、仕事の都合でプライベートの予定を変更せざるを得ない事情は、ある程度年齢を重ねると、少なからず出てくることだ。
それも仕方がないと納得するのが大人だとは言わないが、我慢せざるを得ないのは事実なので、諦めるほかないのだが、そうはいかないのが一伽である。
『何で? 何で?』と航平に詰め寄り、『何それ許せん!』と大いに憤慨し、『もう侑仁なんか知らないっ!』と拗ねまくった挙げ句、『そっちがその気なら、こっちだって!』と、航平を忘年会と称したヤケ酒に付き合せたのである。
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