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気まぐれシュガー (1)
2014.01.04 Sat
気付いたときにはもう、遅かった。
ドアも窓も閉め切っているのに、外から聞こえてくる、楽しげな笑い声と奇声。
それが耳に入った瞬間、まさかと思いつつ、亮はふとんを跳ね除けてベッドから飛び降り、窓を開けて外を見た。
寮の周囲を囲む、庭と呼べるほどでもない狭さの芝生のスペースに睦月はいた――――降り積もった雪に、テンションを上げてはしゃいでいる睦月が。
そういえば昨日の天気予報で、普段は雪など降らないこの辺りでも雪になるなんて言っていたっけ。
そのときちょうど夕ご飯の支度をしていた亮は、何の気なしにそれを聞いていたのだが、その予報に睦月が心をときめかせるのは、火を見るより明らかだった。
しかし、以前雪が降ったときは、寒いのも朝起きるのも苦手のくせして、朝っぱらから亮を叩き起こして外に出たから、今回だって、亮を起こすと思ったのだ。
それなのに、まさか1人で外に出て、騒ぎまくっているなんて。
「むっちゃん!」
外はもう明るいから、そこまで早朝ということではないだろうが、朝が早いことに違いはない。いや、朝でなくても、あんなに騒いでいたら、他の部屋の住人に大迷惑だ。
慌てて亮が睦月を呼べば、それはどうにか睦月の耳に届いたのか、手を止めてキョロキョロし出す。
「むっちゃん、むっちゃん!」
「あ、亮ー!! ひゃっはー!」
「シーッ! シーッ!」
亮の存在に気付いた睦月が、楽しげにブンブンと腕を振ってくるから、亮は焦って、静かにするよう訴える。
しかし睦月はすっかりテンションが上がっていて、「雪、雪ー!」と、地面の雪を手で掬って階上にいる亮に見せ付けては、空中に撒き散らしている。
「むっちゃん…!」
亮は、スウェット姿であるにもかかわらず、引っ掴んだ上着を羽織っただけで、部屋を飛び出した。
とにかく、一刻も早く睦月を取り押さえて、身柄確保しないと。
「きゃははっ、あはっ! あはっ!」
ダッシュで睦月のところにやって来てみれば、睦月は雪玉を作っては、ブロック塀に投げ付けているところだった。
「むっちゃ…」
「亮、亮ー!」
「うわっ! イテッ、冷てっ」
息の整わない亮のもとに駆け寄って来た睦月は、その高いテンションのまま、亮に飛び付いた。
もちろん何も構えていなかった亮は、その勢いのまま後ろに引っ繰り返り、雪の上に尻もちを突いてしまった。
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ドアも窓も閉め切っているのに、外から聞こえてくる、楽しげな笑い声と奇声。
それが耳に入った瞬間、まさかと思いつつ、亮はふとんを跳ね除けてベッドから飛び降り、窓を開けて外を見た。
寮の周囲を囲む、庭と呼べるほどでもない狭さの芝生のスペースに睦月はいた――――降り積もった雪に、テンションを上げてはしゃいでいる睦月が。
そういえば昨日の天気予報で、普段は雪など降らないこの辺りでも雪になるなんて言っていたっけ。
そのときちょうど夕ご飯の支度をしていた亮は、何の気なしにそれを聞いていたのだが、その予報に睦月が心をときめかせるのは、火を見るより明らかだった。
しかし、以前雪が降ったときは、寒いのも朝起きるのも苦手のくせして、朝っぱらから亮を叩き起こして外に出たから、今回だって、亮を起こすと思ったのだ。
それなのに、まさか1人で外に出て、騒ぎまくっているなんて。
「むっちゃん!」
外はもう明るいから、そこまで早朝ということではないだろうが、朝が早いことに違いはない。いや、朝でなくても、あんなに騒いでいたら、他の部屋の住人に大迷惑だ。
慌てて亮が睦月を呼べば、それはどうにか睦月の耳に届いたのか、手を止めてキョロキョロし出す。
「むっちゃん、むっちゃん!」
「あ、亮ー!! ひゃっはー!」
「シーッ! シーッ!」
亮の存在に気付いた睦月が、楽しげにブンブンと腕を振ってくるから、亮は焦って、静かにするよう訴える。
しかし睦月はすっかりテンションが上がっていて、「雪、雪ー!」と、地面の雪を手で掬って階上にいる亮に見せ付けては、空中に撒き散らしている。
「むっちゃん…!」
亮は、スウェット姿であるにもかかわらず、引っ掴んだ上着を羽織っただけで、部屋を飛び出した。
とにかく、一刻も早く睦月を取り押さえて、身柄確保しないと。
「きゃははっ、あはっ! あはっ!」
ダッシュで睦月のところにやって来てみれば、睦月は雪玉を作っては、ブロック塀に投げ付けているところだった。
「むっちゃ…」
「亮、亮ー!」
「うわっ! イテッ、冷てっ」
息の整わない亮のもとに駆け寄って来た睦月は、その高いテンションのまま、亮に飛び付いた。
もちろん何も構えていなかった亮は、その勢いのまま後ろに引っ繰り返り、雪の上に尻もちを突いてしまった。
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