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柔らかい夜に魔法はいらない (15)
2013.12.10 Tue
部屋に入って来た睦月は、不思議そうな顔をしている亮と翔真に目もくれず、一直線に自分のスマホへと向かっていき、電話を掛け始めた。
どうやら、お姉ちゃんに電話を掛けることを忘れないように、風呂場からずっと『電話電話…』と繰り返しながら、ここまでやって来たようだ。
「あ、もしもし? あのさ、今度帰るとき、姉ちゃん、何ていうヤツ買ってくればいいの? 分かんなくなっちゃった。え? え? もっかい言って? パティ? パショウ? 分かんない、もっとゆっくり言ってよ!」
椅子の上に正座して、机に向かって、片手にスマホ、もう片手にペンを持った睦月は、何やら先ほどから大苦戦を強いられているようだ。
昼間の話からして、お姉ちゃんに電話をして、帰省の際に買って来てほしいというスイーツの名前と売っている店の名前を聞き出したいのだろうが、全然聞き取れていない…。
「で、そのパピヨン? パビオン? どこに売ってんの? 店の名前…………え、今のが店の名前!? え? え? ちょっ待っ………………」
「むっちゃん?」
分からないのを一生懸命に聞いていたはずの睦月が、突然、ピタリと動きを止めた。
電話口で怒られているのだろうか。それとも、丁寧に説明されて、今度こそちゃんと聞き取ろうと、耳を傾けているのだろうか。
「…………………………亮、タッチ!」
「うぇっ!?」
クルリと椅子を回転させて亮たちのほうを向いた睦月は、そう言って椅子から飛び降りると、持っていたスマホを亮に押し付けて、ダダダーッと亮のベッドに潜り込んでしまった。
「「………………」」
わけが分からないのは、亮と翔真である。
まぁ最悪、何の役目も押し付けられなかった翔真はいいとして、亮はそういうわけにはいかない。彼が受け取ったスマホの通話口からは、『睦月ー!!』という女性の声が聞こえているのだ。
「…亮、出たほうがいいんじゃない…?」
「………………もしもし? ッッッ、、、」
促す翔真に亮が観念して電話に出れば、ちょうど彼女が『睦月ーーーー!!!』と声を荒げたタイミングと重なって、亮の鼓膜を直撃した。
「あ、あの…」
『睦月、聞こえてんの!? 睦月っ!!』
「あの、すいません、」
『すいませんじゃなーいっ! ちゃんと覚えたの? もう2度と言わないかんね!?』
「いや、ちょっ…」
どうにか、今電話に出ているのが睦月でないことを伝えたいのだが、睦月のお姉ちゃんに捲し立てられて、口を挟む隙がない。
先ほどまでの睦月のダメダメっぷりのせいで、ただいまご立腹中なのか、もともとの性格がこうなのかは知らないが、これなら睦月が怖がるのも無理はない。
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どうやら、お姉ちゃんに電話を掛けることを忘れないように、風呂場からずっと『電話電話…』と繰り返しながら、ここまでやって来たようだ。
「あ、もしもし? あのさ、今度帰るとき、姉ちゃん、何ていうヤツ買ってくればいいの? 分かんなくなっちゃった。え? え? もっかい言って? パティ? パショウ? 分かんない、もっとゆっくり言ってよ!」
椅子の上に正座して、机に向かって、片手にスマホ、もう片手にペンを持った睦月は、何やら先ほどから大苦戦を強いられているようだ。
昼間の話からして、お姉ちゃんに電話をして、帰省の際に買って来てほしいというスイーツの名前と売っている店の名前を聞き出したいのだろうが、全然聞き取れていない…。
「で、そのパピヨン? パビオン? どこに売ってんの? 店の名前…………え、今のが店の名前!? え? え? ちょっ待っ………………」
「むっちゃん?」
分からないのを一生懸命に聞いていたはずの睦月が、突然、ピタリと動きを止めた。
電話口で怒られているのだろうか。それとも、丁寧に説明されて、今度こそちゃんと聞き取ろうと、耳を傾けているのだろうか。
「…………………………亮、タッチ!」
「うぇっ!?」
クルリと椅子を回転させて亮たちのほうを向いた睦月は、そう言って椅子から飛び降りると、持っていたスマホを亮に押し付けて、ダダダーッと亮のベッドに潜り込んでしまった。
「「………………」」
わけが分からないのは、亮と翔真である。
まぁ最悪、何の役目も押し付けられなかった翔真はいいとして、亮はそういうわけにはいかない。彼が受け取ったスマホの通話口からは、『睦月ー!!』という女性の声が聞こえているのだ。
「…亮、出たほうがいいんじゃない…?」
「………………もしもし? ッッッ、、、」
促す翔真に亮が観念して電話に出れば、ちょうど彼女が『睦月ーーーー!!!』と声を荒げたタイミングと重なって、亮の鼓膜を直撃した。
「あ、あの…」
『睦月、聞こえてんの!? 睦月っ!!』
「あの、すいません、」
『すいませんじゃなーいっ! ちゃんと覚えたの? もう2度と言わないかんね!?』
「いや、ちょっ…」
どうにか、今電話に出ているのが睦月でないことを伝えたいのだが、睦月のお姉ちゃんに捲し立てられて、口を挟む隙がない。
先ほどまでの睦月のダメダメっぷりのせいで、ただいまご立腹中なのか、もともとの性格がこうなのかは知らないが、これなら睦月が怖がるのも無理はない。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
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COMMENT-FORM
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Nさん
メリークリスマスコメ、ありがとうございます!
なのに、クリスマスのお話更新できなくてスミマセン(>_<)
来年のクリスマスには間に合わせますね(^_^;)
拍手&コメントありがとうございました!
なのに、クリスマスのお話更新できなくてスミマセン(>_<)
来年のクリスマスには間に合わせますね(^_^;)
拍手&コメントありがとうございました!
- |2013.12.29
- |Sun
- |20:34
- |URL
- |EDIT|
あや ⇒ はじめまして
如月久美子 ⇒ >あやさん
初めまして、いらっしゃいませ♪
実はご指摘の件、前にもちょこっと書いたのですが、むっちゃん里帰り編、書いている途中で、書きかけのデータの3分の1ほどが消失するというハプニングがありました。
気持ち的にもショックが大きく、消失分の書き直しにすぐに迎えなかったこともあり、まだ書き上がっていない状態です。
ただ、このお話は自分の中でも、気に入っているというか、ちょっと特別な思いを込めて書き始めたところもあるので、何としてでも書き上げたいと思っています。
ですので、すぐには再開できないかもしれませんが、続きをアップしたいと思いますので、申し訳ありませんが、しばらくお待ちいただければと思います。
完結作しか載せないことが自分のモットーでもあったので、大変申し訳ない気持ちでいっぱいですが、どうかこのことで、むっちゃんのことを嫌いにならないでいただけたらと思います。
またぜひ遊びに来てくださいね。
コメントありがとうございました!
実はご指摘の件、前にもちょこっと書いたのですが、むっちゃん里帰り編、書いている途中で、書きかけのデータの3分の1ほどが消失するというハプニングがありました。
気持ち的にもショックが大きく、消失分の書き直しにすぐに迎えなかったこともあり、まだ書き上がっていない状態です。
ただ、このお話は自分の中でも、気に入っているというか、ちょっと特別な思いを込めて書き始めたところもあるので、何としてでも書き上げたいと思っています。
ですので、すぐには再開できないかもしれませんが、続きをアップしたいと思いますので、申し訳ありませんが、しばらくお待ちいただければと思います。
完結作しか載せないことが自分のモットーでもあったので、大変申し訳ない気持ちでいっぱいですが、どうかこのことで、むっちゃんのことを嫌いにならないでいただけたらと思います。
またぜひ遊びに来てくださいね。
コメントありがとうございました!
- |2014.01.18
- |Sat
- |22:48
- |URL
- |EDIT|