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柔らかい夜に魔法はいらない (14)
2013.12.09 Mon
「おねーちゃん?」
ぷはっ、とバスタオルから顔を出した睦月が、不思議そうに首を傾げる。
今日の昼、買って帰るべきスイーツが何なのか忘れて、お姉ちゃんに電話をしたものの繋がらなかった……というあの一連の出来事を、もう忘れてしまったというのか。
「あっ、お菓子!」
「そうそう」
「忘れてた。電話しなきゃだった」
バイトから帰って来て、いつものように和衣の部屋にお風呂をなかなか誘いに来なかったのは、お姉ちゃんに電話をしていたからなのかと思っていたのだが、どうやらそうではなかったらしい。
和衣は、睦月のお姉ちゃんのことは全然知らないけれど、昼間の話では、何だかすごく怖そうな感じだったのに、それでも、そんな肝心なこと、忘れちゃうんだ…。
「もうさ、そんなに食いたいんだったら、自分で買えばいいと思わない!?」
ガシガシと乱暴に頭を拭きながら、睦月は息巻く。
確かにそれは一理あるけれど、それを和衣に向かって怒られても困る。
「でも、地元じゃ売ってないヤツなのかもよ?」
「ネットとかで買えんじゃん」
「じゃあむっちゃん、電話したとき、そう言ったら?」
「………………言えない……」
睦月が尤もなことを言うから、和衣も尤もなことを返したのに、睦月はガックリと項垂れた。
奔放な睦月がここまでになるなんて、睦月のお姉ちゃんはきっと、余程の人なのだろう。
和衣と亮は男兄弟しかいないし、翔真は妹がいるけれど、わりと大人しめの性格なので、和衣は女兄弟の怖さとは無縁の生活を送ってきていて、睦月の気持ちは、実はよく分からない。
そういえば祐介も、妹は気が強いと言っていたから、女の子てそういうものなのだろうか。
でも、祐介の妹に実際に会った印象としては、活発そうではあったものの、怖いという感じではなかったし……睦月の言い方が大袈裟なだけのような気もする。
真相は、後から亮に聞いてみることにしよう。
「とにかく! 早く姉ちゃんに電話しなきゃ!」
「あ、むっちゃん!」
睦月は和衣を待つこともせずに、さっさと自分の部屋へと向かった。
「電話電話電話電話電話電話電話電話」
「え、何」
「電話電話電話電話」
「え? え?」
睦月が部屋に戻ると、先ほど自室に帰ろうとしていた翔真が、まだそこにはいた。
亮と睦月のラブラブっぷりに嫌気が差して、1度は帰ろうとしていたのだが、睦月が風呂に行き、部屋にはまた亮だけになったので、結局そこに留まっていたのだ。
「? むっちゃん?」
「電話電話電話ねーちゃんに電話」
「あぁ…」
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ぷはっ、とバスタオルから顔を出した睦月が、不思議そうに首を傾げる。
今日の昼、買って帰るべきスイーツが何なのか忘れて、お姉ちゃんに電話をしたものの繋がらなかった……というあの一連の出来事を、もう忘れてしまったというのか。
「あっ、お菓子!」
「そうそう」
「忘れてた。電話しなきゃだった」
バイトから帰って来て、いつものように和衣の部屋にお風呂をなかなか誘いに来なかったのは、お姉ちゃんに電話をしていたからなのかと思っていたのだが、どうやらそうではなかったらしい。
和衣は、睦月のお姉ちゃんのことは全然知らないけれど、昼間の話では、何だかすごく怖そうな感じだったのに、それでも、そんな肝心なこと、忘れちゃうんだ…。
「もうさ、そんなに食いたいんだったら、自分で買えばいいと思わない!?」
ガシガシと乱暴に頭を拭きながら、睦月は息巻く。
確かにそれは一理あるけれど、それを和衣に向かって怒られても困る。
「でも、地元じゃ売ってないヤツなのかもよ?」
「ネットとかで買えんじゃん」
「じゃあむっちゃん、電話したとき、そう言ったら?」
「………………言えない……」
睦月が尤もなことを言うから、和衣も尤もなことを返したのに、睦月はガックリと項垂れた。
奔放な睦月がここまでになるなんて、睦月のお姉ちゃんはきっと、余程の人なのだろう。
和衣と亮は男兄弟しかいないし、翔真は妹がいるけれど、わりと大人しめの性格なので、和衣は女兄弟の怖さとは無縁の生活を送ってきていて、睦月の気持ちは、実はよく分からない。
そういえば祐介も、妹は気が強いと言っていたから、女の子てそういうものなのだろうか。
でも、祐介の妹に実際に会った印象としては、活発そうではあったものの、怖いという感じではなかったし……睦月の言い方が大袈裟なだけのような気もする。
真相は、後から亮に聞いてみることにしよう。
「とにかく! 早く姉ちゃんに電話しなきゃ!」
「あ、むっちゃん!」
睦月は和衣を待つこともせずに、さっさと自分の部屋へと向かった。
「電話電話電話電話電話電話電話電話」
「え、何」
「電話電話電話電話」
「え? え?」
睦月が部屋に戻ると、先ほど自室に帰ろうとしていた翔真が、まだそこにはいた。
亮と睦月のラブラブっぷりに嫌気が差して、1度は帰ろうとしていたのだが、睦月が風呂に行き、部屋にはまた亮だけになったので、結局そこに留まっていたのだ。
「? むっちゃん?」
「電話電話電話ねーちゃんに電話」
「あぁ…」
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