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柔らかい夜に魔法はいらない (13)
2013.12.08 Sun
「むっちゃん、パンツパンツ」
睦月は、行ったり来たりに荷物が少なくていいように、部屋でパジャマに着替えてから風呂場に向かうのだが、着替え終わったら、おふろセットだけ持って部屋を出ようとするから、和衣が指摘してあげた。
さっさと部屋に戻るつもりだった翔真は、睦月がおもしろすぎたので、うっかり帰るタイミングを逃してしまい、ドアのところで、ずっと睦月の行動を眺めている。
「おパンツおパンツ」
部屋に備え付けの、極小のクロゼットに頭を突っ込んでパンツを探し出した睦月は、右手にパンツを掴んで、もう片方の手にお風呂セットを持って、和衣と一緒に部屋を出て行った。
*****
「むっちゃん、いいなぁ。亮と一緒に実家帰るの」
「何で? カズちゃんだって、お盆に実家帰ったとき、亮とショウちゃんと一緒に帰ったじゃない」
和衣に無理やり湯船に浸からされて、睦月は頬を赤くしながら、和衣の話に答えていた。
頬が赤いのは、別に照れているからでも何でもなく、ただ単に、ちょっと逆上せ掛けているだけのことだ。
「そうじゃなくて! だって亮はむっちゃんの……」
恋人でしょ、と声を潜めて和衣は言う。
お盆に和衣が亮や翔真と一緒に帰ったのは地元が同じだからなだけで、今、和衣が睦月のことを羨ましがったのは、『亮と一緒に帰ること』ではなくて、『恋人と一緒に帰ること』だ。
たとえお父さんやお母さんには、男の友だちが泊まりに来たとしか思われなくたって、自分の気持ち的には、全然違う。
「じゃあカズちゃんも、今度実家に帰るとき、ゆっちのこと連れてったら?」
「そんなん出来るわけないしっ…!」
飽くまでも睦月は、連休に実家に帰るのに、1人じゃつまらないから誰かを連れて行こう、それがたまたま亮になりました、としか思っていないからそんなことが言えるけれど、そんな簡単なことではないのだ。
「じゃあ、ゆっちが帰るとき、カズちゃんが付いてくとか」
「ダメだってば!」
「もぉ~、カズちゃんが『いいな』て言うから提案したのにー。じゃ、俺んち来る?」
「…別にむっちゃんちには行きたくない」
「何だとぉ!」
せっかく誘ってあげたのに! と睦月は怒った振りをしてみせるが、それと同時に、湯船に浸かっているのも限界に来たので、ちょうどよかったとばかりに風呂から上がった。
「ねぇねぇ、それでむっちゃん、お姉ちゃんと連絡付いたの?」
睦月の後をトコトコと追って来た和衣が、バスタオルで頭も体も一気に拭いている睦月に声を掛けた。
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睦月は、行ったり来たりに荷物が少なくていいように、部屋でパジャマに着替えてから風呂場に向かうのだが、着替え終わったら、おふろセットだけ持って部屋を出ようとするから、和衣が指摘してあげた。
さっさと部屋に戻るつもりだった翔真は、睦月がおもしろすぎたので、うっかり帰るタイミングを逃してしまい、ドアのところで、ずっと睦月の行動を眺めている。
「おパンツおパンツ」
部屋に備え付けの、極小のクロゼットに頭を突っ込んでパンツを探し出した睦月は、右手にパンツを掴んで、もう片方の手にお風呂セットを持って、和衣と一緒に部屋を出て行った。
*****
「むっちゃん、いいなぁ。亮と一緒に実家帰るの」
「何で? カズちゃんだって、お盆に実家帰ったとき、亮とショウちゃんと一緒に帰ったじゃない」
和衣に無理やり湯船に浸からされて、睦月は頬を赤くしながら、和衣の話に答えていた。
頬が赤いのは、別に照れているからでも何でもなく、ただ単に、ちょっと逆上せ掛けているだけのことだ。
「そうじゃなくて! だって亮はむっちゃんの……」
恋人でしょ、と声を潜めて和衣は言う。
お盆に和衣が亮や翔真と一緒に帰ったのは地元が同じだからなだけで、今、和衣が睦月のことを羨ましがったのは、『亮と一緒に帰ること』ではなくて、『恋人と一緒に帰ること』だ。
たとえお父さんやお母さんには、男の友だちが泊まりに来たとしか思われなくたって、自分の気持ち的には、全然違う。
「じゃあカズちゃんも、今度実家に帰るとき、ゆっちのこと連れてったら?」
「そんなん出来るわけないしっ…!」
飽くまでも睦月は、連休に実家に帰るのに、1人じゃつまらないから誰かを連れて行こう、それがたまたま亮になりました、としか思っていないからそんなことが言えるけれど、そんな簡単なことではないのだ。
「じゃあ、ゆっちが帰るとき、カズちゃんが付いてくとか」
「ダメだってば!」
「もぉ~、カズちゃんが『いいな』て言うから提案したのにー。じゃ、俺んち来る?」
「…別にむっちゃんちには行きたくない」
「何だとぉ!」
せっかく誘ってあげたのに! と睦月は怒った振りをしてみせるが、それと同時に、湯船に浸かっているのも限界に来たので、ちょうどよかったとばかりに風呂から上がった。
「ねぇねぇ、それでむっちゃん、お姉ちゃんと連絡付いたの?」
睦月の後をトコトコと追って来た和衣が、バスタオルで頭も体も一気に拭いている睦月に声を掛けた。
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