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柔らかい夜に魔法はいらない (10)
2013.12.05 Thu
「あのな…」
「当たり前だろ! 休み代わってくれた店長のためにも、ちゃんとして来いっ!」
亮も、店長に電話をしながら、そういう勘違いをされるかもしれないとは思ったが、それに気が付いたのは、休みが欲しい理由を店長に話した後だったのだ。
しかし、恋人がどんな子なのか聞かれたわけでもないのに、いきなり恋人が男であることを打ち明けるのも何だか不自然だし、恋人の実家に行くことは嘘ではないのだから…と、結局亮はそれ以上のことを言わなかったのだ。
「つか亮、お前、俺にも感謝しろよ?」
「は? 何で。何に」
「俺が連休、バイト休みじゃなかったことに」
「…………」
冗談だろうけど、シレッとそんなことを言う翔真に、亮は一瞬、突っ込みを忘れる。
でもよく考えたら、あのとき睦月は、完全に亮のことを忘れて翔真に声を掛けていたわけで……もし翔真のバイトが休みだったら、睦月はそのまま翔真のことを誘っていたのだろうか。
「―――……いやいやいやいや、バカ、お前がバイト休みだったとしても、行かせねぇよ、誰が行かせるかよ」
万が一の可能性を頭の中で想像した亮だったが、もしそうなったとしたら、全力で阻止するに決まっている。
睦月が、実家に帰るのに誰かを誘ったのは、1人で帰ってもつまらないから、というだけの理由であり、それ以上の意味がないのは分かっているが、それでもやっぱり、翔真なんかに行かせたくはない。
「でも俺のが先に誘われたし」
「ぐっ…」
「亮、忘れられてたし」
「うぅっ…」
そこは睦月のド天然が炸裂しただけのことだろうけど、でも、でもっ…! と、亮が1人で打ちひしがれていたら、ドアの向こうから、和衣とバイバイする睦月の声が聞こえてきた。
「ただいまー、お帰りー。あ、ショウちゃんがいるー!」
相変わらず、自分で『ただいま』と『お帰り』を両方言って、睦月が部屋に飛び込んできた。
亮は慣れているから何も反応しないが、さすがに翔真は苦笑いしている。
「ショウちゃーん!」
「え? うわっ!」
しかし、そんな微笑ましい姿も束の間、ポイッと鞄を放り投げた睦月は、何を思ったのか、亮のベッドに向かって……いや、そこに寝転がっていた翔真めがけて、思い切りダイブした。
「ショウちゃん、ただいまぁー!」
「お…お帰り…、イテ…」
とっさの判断で、翔真がうまい具合によけたから、睦月に押し潰されることはなかったけれど、睦月の左腕がお腹を直撃した。
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「当たり前だろ! 休み代わってくれた店長のためにも、ちゃんとして来いっ!」
亮も、店長に電話をしながら、そういう勘違いをされるかもしれないとは思ったが、それに気が付いたのは、休みが欲しい理由を店長に話した後だったのだ。
しかし、恋人がどんな子なのか聞かれたわけでもないのに、いきなり恋人が男であることを打ち明けるのも何だか不自然だし、恋人の実家に行くことは嘘ではないのだから…と、結局亮はそれ以上のことを言わなかったのだ。
「つか亮、お前、俺にも感謝しろよ?」
「は? 何で。何に」
「俺が連休、バイト休みじゃなかったことに」
「…………」
冗談だろうけど、シレッとそんなことを言う翔真に、亮は一瞬、突っ込みを忘れる。
でもよく考えたら、あのとき睦月は、完全に亮のことを忘れて翔真に声を掛けていたわけで……もし翔真のバイトが休みだったら、睦月はそのまま翔真のことを誘っていたのだろうか。
「―――……いやいやいやいや、バカ、お前がバイト休みだったとしても、行かせねぇよ、誰が行かせるかよ」
万が一の可能性を頭の中で想像した亮だったが、もしそうなったとしたら、全力で阻止するに決まっている。
睦月が、実家に帰るのに誰かを誘ったのは、1人で帰ってもつまらないから、というだけの理由であり、それ以上の意味がないのは分かっているが、それでもやっぱり、翔真なんかに行かせたくはない。
「でも俺のが先に誘われたし」
「ぐっ…」
「亮、忘れられてたし」
「うぅっ…」
そこは睦月のド天然が炸裂しただけのことだろうけど、でも、でもっ…! と、亮が1人で打ちひしがれていたら、ドアの向こうから、和衣とバイバイする睦月の声が聞こえてきた。
「ただいまー、お帰りー。あ、ショウちゃんがいるー!」
相変わらず、自分で『ただいま』と『お帰り』を両方言って、睦月が部屋に飛び込んできた。
亮は慣れているから何も反応しないが、さすがに翔真は苦笑いしている。
「ショウちゃーん!」
「え? うわっ!」
しかし、そんな微笑ましい姿も束の間、ポイッと鞄を放り投げた睦月は、何を思ったのか、亮のベッドに向かって……いや、そこに寝転がっていた翔真めがけて、思い切りダイブした。
「ショウちゃん、ただいまぁー!」
「お…お帰り…、イテ…」
とっさの判断で、翔真がうまい具合によけたから、睦月に押し潰されることはなかったけれど、睦月の左腕がお腹を直撃した。
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