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柔らかい夜に魔法はいらない (9)
2013.12.04 Wed
*****
「つか亮、よくバイト休めたな」
和衣と睦月がまだバイトから帰って来ない夜。
風呂から上がった翔真は、なぜか自分の部屋ではなく亮と睦月の部屋にやって来て、亮のベッドの上で勝手にマンガ本を読んでいたのだが、唐突にそんなことを言い出した。
「え、連休の話?」
「他に何があんだよ」
マンガは読み終えたのか、枕元に放り投げると、翔真はベッドの上をゴロゴロし出す。
たまに睦月がこういうことをしていて、かわいいな、と亮は思うけれど、昔からの友人が同じことをしてもそうは思えないのは、やはり恋人の欲目があるからだろうか。
「普段、あんま休み取りたいとか言わないからじゃね?」
「そんだけで~? だってもうシフト組んであんじゃねぇの? お前が休むてことは、他の誰かが代わりに出るてことだろ? もう休みだって言われてんのに」
「店長が出るって」
「マジで!?」
亮の思い掛けない言葉に、翔真は、バネの壊れた人形のように、ピョーンと起き上がった。
「何で!? 何で店長がわざわざ代わってくれんの!? お前ごときのために!」
「お前な」
翔真も、亮がバイトしている店の店長なら知っている。年が近いせいか、亮とは友だちのように付き合っていて、そのおかげで翔真も仲良くさせてもらっているのだ。
しかしそうだとしても、今さら亮が連休に休みたいと言ったのを、あんなにあっさりと代わってくれるものだろうか。
「だってそうじゃん! お前、何したんだよ!」
「どういう意味だよ、何もしてねぇよ。連休に恋人の実家に行くから休みたい、て言っただけで」
「それじゃん!」
「イテッ」
翔真は亮に枕を投げ付けると、再びベッドにバタンと倒れ込んだ。
確かに亮は連休、睦月の実家に行く。そして睦月は亮の恋人だ。
うん。亮が店長に言ったことは、何も間違いではない。
しかし店長は、亮の恋人が睦月であることを知らないのだから、恋人は女の子と考えるわけで…………その恋人の実家に行くとなれば、それ相応のことがあると思うに違いない。
だからこそ店長は、急な休みの要求も、すんなりと飲んでくれたのだ。
「お前バカ! 亮! バカ! お前、むっちゃんの実家行ったら、ちゃんと挨拶しろよ!?」
「は?」
「『睦月さんを僕にください!』て」
「そういう挨拶かよ!」
むくりと起き上がった翔真が、わざわざ正座までしてバカなことを言い出すから、亮は頭を抱えて溜め息をついた。
先ほどまではそんな素振りもなかったが、もしかしたら酔っているんだろうか。
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「つか亮、よくバイト休めたな」
和衣と睦月がまだバイトから帰って来ない夜。
風呂から上がった翔真は、なぜか自分の部屋ではなく亮と睦月の部屋にやって来て、亮のベッドの上で勝手にマンガ本を読んでいたのだが、唐突にそんなことを言い出した。
「え、連休の話?」
「他に何があんだよ」
マンガは読み終えたのか、枕元に放り投げると、翔真はベッドの上をゴロゴロし出す。
たまに睦月がこういうことをしていて、かわいいな、と亮は思うけれど、昔からの友人が同じことをしてもそうは思えないのは、やはり恋人の欲目があるからだろうか。
「普段、あんま休み取りたいとか言わないからじゃね?」
「そんだけで~? だってもうシフト組んであんじゃねぇの? お前が休むてことは、他の誰かが代わりに出るてことだろ? もう休みだって言われてんのに」
「店長が出るって」
「マジで!?」
亮の思い掛けない言葉に、翔真は、バネの壊れた人形のように、ピョーンと起き上がった。
「何で!? 何で店長がわざわざ代わってくれんの!? お前ごときのために!」
「お前な」
翔真も、亮がバイトしている店の店長なら知っている。年が近いせいか、亮とは友だちのように付き合っていて、そのおかげで翔真も仲良くさせてもらっているのだ。
しかしそうだとしても、今さら亮が連休に休みたいと言ったのを、あんなにあっさりと代わってくれるものだろうか。
「だってそうじゃん! お前、何したんだよ!」
「どういう意味だよ、何もしてねぇよ。連休に恋人の実家に行くから休みたい、て言っただけで」
「それじゃん!」
「イテッ」
翔真は亮に枕を投げ付けると、再びベッドにバタンと倒れ込んだ。
確かに亮は連休、睦月の実家に行く。そして睦月は亮の恋人だ。
うん。亮が店長に言ったことは、何も間違いではない。
しかし店長は、亮の恋人が睦月であることを知らないのだから、恋人は女の子と考えるわけで…………その恋人の実家に行くとなれば、それ相応のことがあると思うに違いない。
だからこそ店長は、急な休みの要求も、すんなりと飲んでくれたのだ。
「お前バカ! 亮! バカ! お前、むっちゃんの実家行ったら、ちゃんと挨拶しろよ!?」
「は?」
「『睦月さんを僕にください!』て」
「そういう挨拶かよ!」
むくりと起き上がった翔真が、わざわざ正座までしてバカなことを言い出すから、亮は頭を抱えて溜め息をついた。
先ほどまではそんな素振りもなかったが、もしかしたら酔っているんだろうか。
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