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柔らかい夜に魔法はいらない (8)
2013.12.03 Tue
「ねぇ亮、お母さんに電話して」
「え、何で?」
「電話して、お姉ちゃんの言ってたヤツが何なのか聞いて」
「えっ、お母さんて、むっちゃんのお母さん?」
どうして急に母親に電話などしなければならないのかと思ったら、亮のではなく、睦月のお母さんのことだったらしい。ますます以って意味が分からない。
「うん。で、お母さんから、お姉ちゃんの言ってたお菓子が何なのか、聞き出して」
「いやいやいや、それ何かおかしいから。つか、聞いたところでお母さん、お姉ちゃんが買って来てほしがってるヤツ、何だか知ってんの?」
「さぁ。でも多分、姉ちゃんが欲しているものは、お母さんも欲しがっているに違いない」
「ホント?」
「分かんない」
適当なことを言って、睦月は、お姉ちゃんの欲しているスイーツが何なのかを聞き出す役目を亮に押し付けようとするものの、当たり前だが、うまくはいかない。
ならば、お姉ちゃんに電話して、と言おうと思ったが、それのほうが意味不明だし、大体誰が電話しようと、今は繋がらないのだから、意味がない。
「あー……もう何か面倒くさくなってきた…」
「まだ何もしてないじゃん」
「そうだけどー…、実家帰るのって、こんなに大変だっけ? やっぱ帰んないにしようかな」
「でもお母さん、亮が来るの、楽しみにしてるんでしょ? 今さら帰んないとか言ったら、怒られるんじゃない?」
「う…」
そもそもの部分から面倒くさくなり始めている睦月に、和衣が尤もなことを言って説得している。
母親なんだから、息子が帰って来ることだってもちろん楽しみだろうけど、先ほどの電話の様子からして、亮が来るのをとても楽しみにしているようだったから、今さら行かないなんてことになったら…。
「じゃあ、亮は行って? 俺、怒られたくない」
「え、俺1人でむっちゃんち行くの? ネタとしてはおもしろいかもしんないけど、おかしいでしょ、それ」
「でも亮、俺んち行くために、連休、休み取ったんでしょ! 行ってよ!」
「いやいや、むっちゃんだってバイト休みでしょうが」
「むぅー…」
本気なのか冗談なのか…………睦月の場合、真顔で冗談を言うこともあるし、シレッとどうしようもない嘘をつくこともあるが、笑顔で嘘のような本当のことを言うこともあるから、今がどれに当てはまるのか、何とも言い難い。
もしかしたら、冗談のつもりで言ったものの、お母さんに怒られたくないために、亮だけ実家に行かせようと、心のどこかで少しは思っていたかもしれない。
「普通に帰りなよ、むっちゃん。亮と一緒にさ」
「はぁーい…」
これを言ったのが祐介だったら、文句タラタラに言い返していたところだっただろうが、相手が翔真だったので、睦月は渋々ながら返事をした。
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「え、何で?」
「電話して、お姉ちゃんの言ってたヤツが何なのか聞いて」
「えっ、お母さんて、むっちゃんのお母さん?」
どうして急に母親に電話などしなければならないのかと思ったら、亮のではなく、睦月のお母さんのことだったらしい。ますます以って意味が分からない。
「うん。で、お母さんから、お姉ちゃんの言ってたお菓子が何なのか、聞き出して」
「いやいやいや、それ何かおかしいから。つか、聞いたところでお母さん、お姉ちゃんが買って来てほしがってるヤツ、何だか知ってんの?」
「さぁ。でも多分、姉ちゃんが欲しているものは、お母さんも欲しがっているに違いない」
「ホント?」
「分かんない」
適当なことを言って、睦月は、お姉ちゃんの欲しているスイーツが何なのかを聞き出す役目を亮に押し付けようとするものの、当たり前だが、うまくはいかない。
ならば、お姉ちゃんに電話して、と言おうと思ったが、それのほうが意味不明だし、大体誰が電話しようと、今は繋がらないのだから、意味がない。
「あー……もう何か面倒くさくなってきた…」
「まだ何もしてないじゃん」
「そうだけどー…、実家帰るのって、こんなに大変だっけ? やっぱ帰んないにしようかな」
「でもお母さん、亮が来るの、楽しみにしてるんでしょ? 今さら帰んないとか言ったら、怒られるんじゃない?」
「う…」
そもそもの部分から面倒くさくなり始めている睦月に、和衣が尤もなことを言って説得している。
母親なんだから、息子が帰って来ることだってもちろん楽しみだろうけど、先ほどの電話の様子からして、亮が来るのをとても楽しみにしているようだったから、今さら行かないなんてことになったら…。
「じゃあ、亮は行って? 俺、怒られたくない」
「え、俺1人でむっちゃんち行くの? ネタとしてはおもしろいかもしんないけど、おかしいでしょ、それ」
「でも亮、俺んち行くために、連休、休み取ったんでしょ! 行ってよ!」
「いやいや、むっちゃんだってバイト休みでしょうが」
「むぅー…」
本気なのか冗談なのか…………睦月の場合、真顔で冗談を言うこともあるし、シレッとどうしようもない嘘をつくこともあるが、笑顔で嘘のような本当のことを言うこともあるから、今がどれに当てはまるのか、何とも言い難い。
もしかしたら、冗談のつもりで言ったものの、お母さんに怒られたくないために、亮だけ実家に行かせようと、心のどこかで少しは思っていたかもしれない。
「普通に帰りなよ、むっちゃん。亮と一緒にさ」
「はぁーい…」
これを言ったのが祐介だったら、文句タラタラに言い返していたところだっただろうが、相手が翔真だったので、睦月は渋々ながら返事をした。
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けいったん ⇒
聞いてて むっちゃんが、実家に帰るのを面倒がる気持ちが分かるなぁ~(笑)
ママもお姉ちゃんも むっちゃんを可愛がっているとは思うのだけれど、どうも それが違った方向に行ってる気がしてならない。
この ちょっと トンチンカン性格のむっちゃんに育てたのは、彼女たちのせいかしら?
可愛いんだけど、可愛いんだけど…┐(´~`;)┌ヤレヤレ...byebye☆
ママもお姉ちゃんも むっちゃんを可愛がっているとは思うのだけれど、どうも それが違った方向に行ってる気がしてならない。
この ちょっと トンチンカン性格のむっちゃんに育てたのは、彼女たちのせいかしら?
可愛いんだけど、可愛いんだけど…┐(´~`;)┌ヤレヤレ...byebye☆
- |2013.12.03
- |Tue
- |14:17
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
ただでさえむっちゃん、面倒くさがりなので、いろいろ言われて、もうすでに面倒くさくなってます…(笑)
> この ちょっと トンチンカン性格のむっちゃんに育てたのは、彼女たちのせいかしら?
うははは。
やっぱりこの母にしてこの子あり、この姉にしてこの子あり、といったところでしょうか!?
影響力は大きそうですよね…。
でもそうなると、お父さんの立場は(爆)
お家に帰るまでも大変ですが、帰ってからも大変そうです(>_<)
コメントありがとうございました!
> この ちょっと トンチンカン性格のむっちゃんに育てたのは、彼女たちのせいかしら?
うははは。
やっぱりこの母にしてこの子あり、この姉にしてこの子あり、といったところでしょうか!?
影響力は大きそうですよね…。
でもそうなると、お父さんの立場は(爆)
お家に帰るまでも大変ですが、帰ってからも大変そうです(>_<)
コメントありがとうございました!
- |2013.12.03
- |Tue
- |22:37
- |URL
- |EDIT|