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柔らかい夜に魔法はいらない (7)
2013.12.02 Mon
……………………。
何というか……睦月の中では、亮も一緒に行くことが決定事項だから、これでもいいのかもしれないけれど、お母さんにしたら初耳のことなんだから、もうちょっと尋ねるような言い方のほうがいいのでは…?
これでもし、都合が悪いとか言われたら、どうするつもりなんだろう。
「え? え? そうだってば! で、姉ちゃんが言ってた…………ちょっ、何で俺が帰るって言ったときより喜んでんだよ! ねぇだから、姉ちゃんが言ってたヤツ、ちょっ……………………切れた…」
どうやら『亮も一緒に行く』だけで、お母さんに話は通じたらしいが、お姉ちゃんが買って来てほしがっているスイーツについては、答えてもらえなかったようだ。
睦月は呆然と、通話の切れたスマホを見つめている。
「…お母さん、スイーツ分かんない、て?」
恐らくは『分からない』とも言われてはおらず、その質問については、ほぼ無視された状態だったことは、睦月の電話していた様子から想像が付くのだが、それをはっきり言うことは、いくら空気の読めない和衣にも出来なくて。
恐る恐る尋ねてみれば、睦月はむぅと唇を突き出して、スマホを置いた。
「お母さん、亮も一緒に行くっつったら、めっちゃ喜んじゃって、全然俺の話聞いてくんないんだけどっ! 結局俺、姉ちゃんに何買ってけばいいんだよぉ!」
にゃぁ~~~~! と、睦月は頭を掻きむしりながら、テーブルに突っ伏した。
日ごろ睦月と一緒にいて、亮とか祐介とか和衣がこんなふうになっているのなら何度も見たことがあるが、睦月自身がこんな状態なのは珍しいことだ、と翔真は思った。
それほど、お母さんもお姉ちゃんも、睦月にとっては手ごわい相手なのだろう。
「つか、むっちゃんのお母さん、何で亮のこと知ってんの?」
亮が一緒に行くと言って喜ぶということは、睦月のお母さんと亮は、何らかの面識があるはずだが…………亮が今までに、睦月のお母さんと会ったことがあるだなんて、聞いたことがない。
「…こないだ、亮が浴衣着たの、写真、お母さんに送った」
「ふぅん? それで亮、むっちゃんのお母さんと、お友だちなの?」
「さぁ。亮、ウチのお母さんと友だちになったの?」
自分の恋人と母親のことなのに、とんちんかんなことを答えている睦月に、睦月以外の3人の視線が、亮に向く(睦月は相変わらず、テーブルに突っ伏したまま、うにゃうにゃしている)。
「友だちになるどころか、1度だって話したこともなければ、メールのやり取りもしたことないけど…」
「でも、むっちゃんのお母さん、亮が来るの、すっごい喜んでる、て。亮、知り合いなんじゃないの?」
そんなに不思議そうな顔をされても、亮と睦月のお母さんの間には何の面識もなく、唯一の繋がりは、先日、睦月が着付けをしてくれた浴衣姿の写真を、睦月のお母さんに送ったことくらいだが…。
そういえばあのときも、亮の写真、とても喜ばれていた気がする。
あの、浴衣で気を付けの写真で、亮のことをそんなに気に入ってくれたのなら、それはそれでいいんだけれど、そんなに過剰に期待されても…。
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何というか……睦月の中では、亮も一緒に行くことが決定事項だから、これでもいいのかもしれないけれど、お母さんにしたら初耳のことなんだから、もうちょっと尋ねるような言い方のほうがいいのでは…?
これでもし、都合が悪いとか言われたら、どうするつもりなんだろう。
「え? え? そうだってば! で、姉ちゃんが言ってた…………ちょっ、何で俺が帰るって言ったときより喜んでんだよ! ねぇだから、姉ちゃんが言ってたヤツ、ちょっ……………………切れた…」
どうやら『亮も一緒に行く』だけで、お母さんに話は通じたらしいが、お姉ちゃんが買って来てほしがっているスイーツについては、答えてもらえなかったようだ。
睦月は呆然と、通話の切れたスマホを見つめている。
「…お母さん、スイーツ分かんない、て?」
恐らくは『分からない』とも言われてはおらず、その質問については、ほぼ無視された状態だったことは、睦月の電話していた様子から想像が付くのだが、それをはっきり言うことは、いくら空気の読めない和衣にも出来なくて。
恐る恐る尋ねてみれば、睦月はむぅと唇を突き出して、スマホを置いた。
「お母さん、亮も一緒に行くっつったら、めっちゃ喜んじゃって、全然俺の話聞いてくんないんだけどっ! 結局俺、姉ちゃんに何買ってけばいいんだよぉ!」
にゃぁ~~~~! と、睦月は頭を掻きむしりながら、テーブルに突っ伏した。
日ごろ睦月と一緒にいて、亮とか祐介とか和衣がこんなふうになっているのなら何度も見たことがあるが、睦月自身がこんな状態なのは珍しいことだ、と翔真は思った。
それほど、お母さんもお姉ちゃんも、睦月にとっては手ごわい相手なのだろう。
「つか、むっちゃんのお母さん、何で亮のこと知ってんの?」
亮が一緒に行くと言って喜ぶということは、睦月のお母さんと亮は、何らかの面識があるはずだが…………亮が今までに、睦月のお母さんと会ったことがあるだなんて、聞いたことがない。
「…こないだ、亮が浴衣着たの、写真、お母さんに送った」
「ふぅん? それで亮、むっちゃんのお母さんと、お友だちなの?」
「さぁ。亮、ウチのお母さんと友だちになったの?」
自分の恋人と母親のことなのに、とんちんかんなことを答えている睦月に、睦月以外の3人の視線が、亮に向く(睦月は相変わらず、テーブルに突っ伏したまま、うにゃうにゃしている)。
「友だちになるどころか、1度だって話したこともなければ、メールのやり取りもしたことないけど…」
「でも、むっちゃんのお母さん、亮が来るの、すっごい喜んでる、て。亮、知り合いなんじゃないの?」
そんなに不思議そうな顔をされても、亮と睦月のお母さんの間には何の面識もなく、唯一の繋がりは、先日、睦月が着付けをしてくれた浴衣姿の写真を、睦月のお母さんに送ったことくらいだが…。
そういえばあのときも、亮の写真、とても喜ばれていた気がする。
あの、浴衣で気を付けの写真で、亮のことをそんなに気に入ってくれたのなら、それはそれでいいんだけれど、そんなに過剰に期待されても…。
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