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柔らかい夜に魔法はいらない (4)
2013.11.29 Fri
「きっ…聞いてみるっ…!」
亮はハッとして、スマホを手に取る。
さっきは、睦月に『どうせバイトでしょ?』と言われた勢いで、休む、と答えてしまったものの、祐介の言うことは的確だ。
「俺、もう亮と一緒に帰る、て決めたかんね。今から『やっぱダメ』とか、なしだかんね!」
「分かってるってば!」
先ほどまで、亮を誘うこと自体忘れていたくせに、睦月はそんなことを言って、亮を追い詰める。
時々思うのだが、睦月は亮に対して、ちょっとSすぎる気が…。
「つか、お前もだぞ?」
「何が?」
バイト先に電話するため、亮が席を離れると、祐介は今度は睦月のほうを向き直った。
「もしホントに亮と一緒に帰んなら、家に連絡」
「連休に帰るの、もうお母さんに言ってあるよ」
「じゃなくて。亮も一緒に行くこと。お前1人しか来ないと思ってるとこに、亮も一緒に来たら、おばさんだって困るだろ」
「そうかな? まぁどっち道、姉ちゃんにも連絡しなきゃなんないから、そんとき言おう」
睦月の帰省だというのに、なぜか祐介のほうがたくさん心配しているが、それもまぁ相変わらずのことだから、ヤキモチ妬きの和衣も慣れてしまって、とやかくは言わない。
「でも、お姉ちゃんに連絡する、て? お姉ちゃんも合わせて帰ってくんの?」
ようやく落ち着きを取り戻した翔真が、睦月に尋ねる。
そういえば、睦月のお母さんは時々話題に上っては、その性格の豪快さに驚かされることがあったが、お姉ちゃんは、その存在について話が出るくらいで、どんな人なのか、よく知らない。
「んーん、姉ちゃん、実家にいる。何かさ、帰って来るとき、何とかていうお店の、何とかていうお菓子買って来て、て言うからさぁ」
「あー…………、その、何ていう店の、何ていうスイーツなのか、分かんなくなっちゃったのね…」
「えへへ、うん」
せめて店の名前か、スイーツの名前でも分かれば、調べてみようもあるけれど、結局のところ、何も分かっていないわけだから、どうしようもない。
それでも、お姉ちゃんのためにスイーツを買って行かなければならない、というを覚えていただけでも、マシなほうなのか。
「前さぁ、買ってったんだけど、駅の階段ですっ転んで、グチャーてなっちゃって。めっちゃ怒られた」
「それは怒られるね」
睦月のお姉ちゃんがどのくらいの感じで怒ったのかは分からないけれど、睦月が駅の階段で転んで、スイーツをダメにしてしまった姿なら、容易に想像が付く。
落ち着きのなさにかけては、誰にも負けないし。
「でもお前、今度こそちゃんと買ってかないと、大変だぞ」
「…何が?」
今年こそは転ばないといいね、なんて、翔真と和衣が気軽に思っていたところに、祐介は真剣な顔付きでそう言った。
祐介のその雰囲気に、笑っていた睦月も眉を寄せる。
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亮はハッとして、スマホを手に取る。
さっきは、睦月に『どうせバイトでしょ?』と言われた勢いで、休む、と答えてしまったものの、祐介の言うことは的確だ。
「俺、もう亮と一緒に帰る、て決めたかんね。今から『やっぱダメ』とか、なしだかんね!」
「分かってるってば!」
先ほどまで、亮を誘うこと自体忘れていたくせに、睦月はそんなことを言って、亮を追い詰める。
時々思うのだが、睦月は亮に対して、ちょっとSすぎる気が…。
「つか、お前もだぞ?」
「何が?」
バイト先に電話するため、亮が席を離れると、祐介は今度は睦月のほうを向き直った。
「もしホントに亮と一緒に帰んなら、家に連絡」
「連休に帰るの、もうお母さんに言ってあるよ」
「じゃなくて。亮も一緒に行くこと。お前1人しか来ないと思ってるとこに、亮も一緒に来たら、おばさんだって困るだろ」
「そうかな? まぁどっち道、姉ちゃんにも連絡しなきゃなんないから、そんとき言おう」
睦月の帰省だというのに、なぜか祐介のほうがたくさん心配しているが、それもまぁ相変わらずのことだから、ヤキモチ妬きの和衣も慣れてしまって、とやかくは言わない。
「でも、お姉ちゃんに連絡する、て? お姉ちゃんも合わせて帰ってくんの?」
ようやく落ち着きを取り戻した翔真が、睦月に尋ねる。
そういえば、睦月のお母さんは時々話題に上っては、その性格の豪快さに驚かされることがあったが、お姉ちゃんは、その存在について話が出るくらいで、どんな人なのか、よく知らない。
「んーん、姉ちゃん、実家にいる。何かさ、帰って来るとき、何とかていうお店の、何とかていうお菓子買って来て、て言うからさぁ」
「あー…………、その、何ていう店の、何ていうスイーツなのか、分かんなくなっちゃったのね…」
「えへへ、うん」
せめて店の名前か、スイーツの名前でも分かれば、調べてみようもあるけれど、結局のところ、何も分かっていないわけだから、どうしようもない。
それでも、お姉ちゃんのためにスイーツを買って行かなければならない、というを覚えていただけでも、マシなほうなのか。
「前さぁ、買ってったんだけど、駅の階段ですっ転んで、グチャーてなっちゃって。めっちゃ怒られた」
「それは怒られるね」
睦月のお姉ちゃんがどのくらいの感じで怒ったのかは分からないけれど、睦月が駅の階段で転んで、スイーツをダメにしてしまった姿なら、容易に想像が付く。
落ち着きのなさにかけては、誰にも負けないし。
「でもお前、今度こそちゃんと買ってかないと、大変だぞ」
「…何が?」
今年こそは転ばないといいね、なんて、翔真と和衣が気軽に思っていたところに、祐介は真剣な顔付きでそう言った。
祐介のその雰囲気に、笑っていた睦月も眉を寄せる。
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