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柔らかい夜に魔法はいらない (5)
2013.11.30 Sat
「お盆に俺が帰ったとき、お前の姉ちゃんから、すっげぇ言われたから。今度ちゃんと買って来なかったら、絶対許さない、て」
「え…」
それは、単なる言葉の綾で、いくらそのスイーツが食べたいとはいえ、ちゃんと買って来れなかった睦月を絶対に許さない、ということはないだろうとは思うのだが、しかし睦月の表情はいつになく暗く、心なしか顔色も悪い。
「ど…どうしよう、ゆっち…」
「ちゃんと買って帰るしかないだろ」
「すっごいプレッシャー…。つか、お前、余計なこと言うなよ!」
「だってそう言われたし」
焦るあまり、アワアワしている睦月を尻目に、祐介はシレッとそう言っている。
日ごろ、暴走する睦月に、様々な目に遭わされている祐介だが、必ずしもヒエラルキーの底辺にいるばかりではないのだ。
「でもむっちゃん、そのスイーツ、お姉ちゃんが買って来てほしい、て言ってるの、何ていうヤツか、早く確認したほうがいいんじゃない?」
「え、何で? 俺、帰るの来週だよ?」
「そうだけど…、それが今も売ってるかなんて、分かんないよ? 季節限定とかさ、もう作ってないヤツとかだったらどうすんの? まだ売ってるヤツかどうか、確認したほうがいいんじゃない?」
どうやら睦月のお姉ちゃんは、すごく怖い人らしいということが分かり、睦月のためにも、和衣はそうアドバイスする。
グチャグチャになっただけなら、食べようと思えば食べられるけど、もう売っていないものなら買って行きようがないから、早めに確認して、違うリクエストを聞いたほうがいいのではないだろうか。
「そっか…。カズちゃん、ナイス! じゃあ、さっそく聞いてみよう」
普段、和衣の言うことをこんなに素直に聞くことなんか殆どないのに…………やはりそれだけ、お姉ちゃんのことを恐れているのだろう。
「…………………………………………出ない」
さっそくスマホを取り出して電話を掛け始めた睦月は、しばらく待ってから、ガックリと項垂れて電話を置いた。
張り切って電話を掛けたのに、電話が繋がらなかったらしい。
「むっちゃんのお姉ちゃんて、何してる人? 働いてんの?」
「働いてる」
「じゃあ今掛けても出れないんじゃない? 仕事中でしょ」
「あぅ…」
学生と社会人では、こういうちょっとしたことで、タイミングが合わないことは、珍しくない。
祐介はそれに気付いていたのだが、張り切る睦月を止めることが出来なかったのだ。
「むっちゃーんっ!」
睦月が、あうぅ…と落ち込んでいるところに、浮かれたような亮の大きな声。
一瞬、睦月がすごく嫌そうな顔をしたのを翔真は見逃さなかったが、追及するのはやめておいた(とばっちりを受けたくないから)。
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「え…」
それは、単なる言葉の綾で、いくらそのスイーツが食べたいとはいえ、ちゃんと買って来れなかった睦月を絶対に許さない、ということはないだろうとは思うのだが、しかし睦月の表情はいつになく暗く、心なしか顔色も悪い。
「ど…どうしよう、ゆっち…」
「ちゃんと買って帰るしかないだろ」
「すっごいプレッシャー…。つか、お前、余計なこと言うなよ!」
「だってそう言われたし」
焦るあまり、アワアワしている睦月を尻目に、祐介はシレッとそう言っている。
日ごろ、暴走する睦月に、様々な目に遭わされている祐介だが、必ずしもヒエラルキーの底辺にいるばかりではないのだ。
「でもむっちゃん、そのスイーツ、お姉ちゃんが買って来てほしい、て言ってるの、何ていうヤツか、早く確認したほうがいいんじゃない?」
「え、何で? 俺、帰るの来週だよ?」
「そうだけど…、それが今も売ってるかなんて、分かんないよ? 季節限定とかさ、もう作ってないヤツとかだったらどうすんの? まだ売ってるヤツかどうか、確認したほうがいいんじゃない?」
どうやら睦月のお姉ちゃんは、すごく怖い人らしいということが分かり、睦月のためにも、和衣はそうアドバイスする。
グチャグチャになっただけなら、食べようと思えば食べられるけど、もう売っていないものなら買って行きようがないから、早めに確認して、違うリクエストを聞いたほうがいいのではないだろうか。
「そっか…。カズちゃん、ナイス! じゃあ、さっそく聞いてみよう」
普段、和衣の言うことをこんなに素直に聞くことなんか殆どないのに…………やはりそれだけ、お姉ちゃんのことを恐れているのだろう。
「…………………………………………出ない」
さっそくスマホを取り出して電話を掛け始めた睦月は、しばらく待ってから、ガックリと項垂れて電話を置いた。
張り切って電話を掛けたのに、電話が繋がらなかったらしい。
「むっちゃんのお姉ちゃんて、何してる人? 働いてんの?」
「働いてる」
「じゃあ今掛けても出れないんじゃない? 仕事中でしょ」
「あぅ…」
学生と社会人では、こういうちょっとしたことで、タイミングが合わないことは、珍しくない。
祐介はそれに気付いていたのだが、張り切る睦月を止めることが出来なかったのだ。
「むっちゃーんっ!」
睦月が、あうぅ…と落ち込んでいるところに、浮かれたような亮の大きな声。
一瞬、睦月がすごく嫌そうな顔をしたのを翔真は見逃さなかったが、追及するのはやめておいた(とばっちりを受けたくないから)。
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