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もしかしたら君は天使かもしれない。 (77)
2013.11.17 Sun
*****
ジェットコースターへの乗車は、案の定、亮を恐怖と絶望のどん底に落としたけれど、これも1度きりのこと、後はティーカップと観覧車だけだと思って、乗り越えた。
しかし、それは甘かった。
いや、約束どおり、ジェットコースターは1度しか乗らなかったけれど、問題はティーカップにあった。
あんなかわいらしい成りをしていながら、ティーカップがあんなに恐ろしいものだったなんて…!
「亮、大丈夫?」
「…………大丈夫そうに見えますか…?」
ティーカップから降り、ヨロヨロと出口から出た亮に、睦月から能天気な声が掛かる(心配してもらえただけ、マシなのだろうか…)。
アトラクションの周りをグルリと囲んでいる柵に手を突いて、亮はその場にしゃがみ込んだ。
「ティーカップ、楽しくなかった?」
睦月の問いに、亮は何も答えない。
どう答えればいいのか、答えがまったく見いだせないのだ。
亮は、ティーカップに乗るのは初めてではない。
亮の記憶の中のティーカップは、とても楽しい乗り物だった。ずっとそう信じていた。だからこそ、睦月がティーカップに乗ろうと言ったのにも、二つ返事で了承したのだ。
それなのに…!
「亮ー?」
亮の肩に手を置いて、コテンと首を傾げている睦月に、亮の気持ちなど一生分からないのだろう。
ティーカップはあんなに全力で回すもんじゃない…! という切なる願いなど。
そもそもティーカップは、床と個々のカップが回転するのだが、カップ内にあるハンドルを回すことで、そのカップの回転速度をいくらでも上げることが出来るのだが。
亮は、その仕組みを十分に理解していたし、高速で回転させる人がいることも、話だけでは知っていた。
しかし、睦月までもが、そういう類の人間だとは、まったく以って思っていなかったのだ。
(いや、そうじゃないな…)
亮は頭の中に浮かんだ考えを振り払う。
ジェットコースター大好きの睦月が、好き勝手にスピードを上げられる乗り物に乗ったら、好きなだけ高速回転させることなんて、分かり切ったことだ。
ただ、亮の記憶の中のティーカップは、『スピードが出て怖い乗り物』ではなかったから、こんなことになるなど、思ってもみなかったのである。
「亮、どうしたの? お腹痛いの?」
「いや…」
お腹が痛いんじゃなくて、気分が悪いんです…。
そう答えたところでどうにもならない気がして、亮はフラフラになりながら立ち上がった。睦月を見れば、思ったとおり、本気でキョトンとした顔をしている。
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ジェットコースターへの乗車は、案の定、亮を恐怖と絶望のどん底に落としたけれど、これも1度きりのこと、後はティーカップと観覧車だけだと思って、乗り越えた。
しかし、それは甘かった。
いや、約束どおり、ジェットコースターは1度しか乗らなかったけれど、問題はティーカップにあった。
あんなかわいらしい成りをしていながら、ティーカップがあんなに恐ろしいものだったなんて…!
「亮、大丈夫?」
「…………大丈夫そうに見えますか…?」
ティーカップから降り、ヨロヨロと出口から出た亮に、睦月から能天気な声が掛かる(心配してもらえただけ、マシなのだろうか…)。
アトラクションの周りをグルリと囲んでいる柵に手を突いて、亮はその場にしゃがみ込んだ。
「ティーカップ、楽しくなかった?」
睦月の問いに、亮は何も答えない。
どう答えればいいのか、答えがまったく見いだせないのだ。
亮は、ティーカップに乗るのは初めてではない。
亮の記憶の中のティーカップは、とても楽しい乗り物だった。ずっとそう信じていた。だからこそ、睦月がティーカップに乗ろうと言ったのにも、二つ返事で了承したのだ。
それなのに…!
「亮ー?」
亮の肩に手を置いて、コテンと首を傾げている睦月に、亮の気持ちなど一生分からないのだろう。
ティーカップはあんなに全力で回すもんじゃない…! という切なる願いなど。
そもそもティーカップは、床と個々のカップが回転するのだが、カップ内にあるハンドルを回すことで、そのカップの回転速度をいくらでも上げることが出来るのだが。
亮は、その仕組みを十分に理解していたし、高速で回転させる人がいることも、話だけでは知っていた。
しかし、睦月までもが、そういう類の人間だとは、まったく以って思っていなかったのだ。
(いや、そうじゃないな…)
亮は頭の中に浮かんだ考えを振り払う。
ジェットコースター大好きの睦月が、好き勝手にスピードを上げられる乗り物に乗ったら、好きなだけ高速回転させることなんて、分かり切ったことだ。
ただ、亮の記憶の中のティーカップは、『スピードが出て怖い乗り物』ではなかったから、こんなことになるなど、思ってもみなかったのである。
「亮、どうしたの? お腹痛いの?」
「いや…」
お腹が痛いんじゃなくて、気分が悪いんです…。
そう答えたところでどうにもならない気がして、亮はフラフラになりながら立ち上がった。睦月を見れば、思ったとおり、本気でキョトンとした顔をしている。
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