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もしかしたら君は天使かもしれない。 (76)
2013.11.16 Sat
「あ、でも、せっかくだから、観覧車は乗っとく? どのくらい並んでんのか知らないけど」
亮がまたちょっと意固地になっているふうだったから、睦月はわざと気軽な言い方で提案してみた。
睦月は、和衣ほどロマンチストではないから、恋人同士で遊園地に来たからには絶対観覧車! とかはないけれど、こんな微妙の空気のまま帰るのは。
亮が、もうすっかり疲れ果ててしまったから帰ると言うなら、それでもいいけど。
「…むっちゃん」
「何」
ベンチに座ったままの亮が睦月を見れば、睦月も亮を見つめ返す。
年齢よりは幼い顔立ちではあるものの、確かに21歳の男子。さっきまで『にゃあ』だの『ぴょ~ん』だの言って飛び跳ねていたのと同じ人間とは、俄かに思えない。
「むっちゃん、ジェットコースター、乗ろう」
「…それ言い出すと、また話が元に戻るんだけど」
睦月はもう、絶対にジェットコースターに乗ってやる! という気持ちではなくなっているから、今日どうしても乗れなくたっていいのに。
でも亮がまたそういうことを言うから、話は戻ってしまうし、その口調からして、睦月がジェットコースターはいいと言っても、それこそ亮は意地になって、乗ると言い続けるに違いない。
「ジェットコースター乗って、カップのに乗って、最後に観覧車にしよ?」
「亮、ホントに言ってんの?」
「うん」
割引券は3枚あるし、まだ時間はあるし、観覧車だけ乗って帰らなくたって、もっと楽しめる。ジェットコースターは苦手だけれど、初めて乗るわけではないし、1回くらいなら。
そう思って、亮はベンチから立ち上がった。
「…ジェットコースターじゃなくて、ミラーハウスでもいいよ?」
「ダメ。ミラーハウスなんか入ったら、むっちゃん嬉しくなっちゃって、危ないもん」
「何だよそれっ! 嬉しくなんかなんねぇよ、鏡ぐれーで!」
亮に気を遣って、最後の譲歩をしてやったというのに、何なんだ、その言い種はっ!
睦月はプクッと頬を膨らませるが、先ほどのお化け屋敷で、楽しすぎてテンションを崩壊させたのは事実であり、亮の言い分があながち間違っていないことは睦月にも分かるから、強くは言い返せない。
だってミラーハウスて、壁がみんな鏡張りになっていて、自分が何人にもなって映るアレでしょ? そんなの楽しいに決まってる!
「ジェットコースターにしよ?」
「えぇ~? まぁ、亮がそこまで言うなら、ジェットコースターに乗ってやってもいいけど?」
隣に並んだ亮を挑発的に見やって、睦月はフフンと鼻を鳴らす。
そんな睦月に、亮は何も言い返さず優しく微笑むから、睦月は亮の手を握って元気よく歩き出した。
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亮がまたちょっと意固地になっているふうだったから、睦月はわざと気軽な言い方で提案してみた。
睦月は、和衣ほどロマンチストではないから、恋人同士で遊園地に来たからには絶対観覧車! とかはないけれど、こんな微妙の空気のまま帰るのは。
亮が、もうすっかり疲れ果ててしまったから帰ると言うなら、それでもいいけど。
「…むっちゃん」
「何」
ベンチに座ったままの亮が睦月を見れば、睦月も亮を見つめ返す。
年齢よりは幼い顔立ちではあるものの、確かに21歳の男子。さっきまで『にゃあ』だの『ぴょ~ん』だの言って飛び跳ねていたのと同じ人間とは、俄かに思えない。
「むっちゃん、ジェットコースター、乗ろう」
「…それ言い出すと、また話が元に戻るんだけど」
睦月はもう、絶対にジェットコースターに乗ってやる! という気持ちではなくなっているから、今日どうしても乗れなくたっていいのに。
でも亮がまたそういうことを言うから、話は戻ってしまうし、その口調からして、睦月がジェットコースターはいいと言っても、それこそ亮は意地になって、乗ると言い続けるに違いない。
「ジェットコースター乗って、カップのに乗って、最後に観覧車にしよ?」
「亮、ホントに言ってんの?」
「うん」
割引券は3枚あるし、まだ時間はあるし、観覧車だけ乗って帰らなくたって、もっと楽しめる。ジェットコースターは苦手だけれど、初めて乗るわけではないし、1回くらいなら。
そう思って、亮はベンチから立ち上がった。
「…ジェットコースターじゃなくて、ミラーハウスでもいいよ?」
「ダメ。ミラーハウスなんか入ったら、むっちゃん嬉しくなっちゃって、危ないもん」
「何だよそれっ! 嬉しくなんかなんねぇよ、鏡ぐれーで!」
亮に気を遣って、最後の譲歩をしてやったというのに、何なんだ、その言い種はっ!
睦月はプクッと頬を膨らませるが、先ほどのお化け屋敷で、楽しすぎてテンションを崩壊させたのは事実であり、亮の言い分があながち間違っていないことは睦月にも分かるから、強くは言い返せない。
だってミラーハウスて、壁がみんな鏡張りになっていて、自分が何人にもなって映るアレでしょ? そんなの楽しいに決まってる!
「ジェットコースターにしよ?」
「えぇ~? まぁ、亮がそこまで言うなら、ジェットコースターに乗ってやってもいいけど?」
隣に並んだ亮を挑発的に見やって、睦月はフフンと鼻を鳴らす。
そんな睦月に、亮は何も言い返さず優しく微笑むから、睦月は亮の手を握って元気よく歩き出した。
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