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もしかしたら君は天使かもしれない。 (62)
2013.11.02 Sat
「大丈夫だってば。お化けがうわぁ~って出てきたり、霊的なものがふわぁ~て来たりするだけだから」
入る前から亮はこんなに怖がっているというのに、相変わらず睦月はあっさりとそう言ってのける。
いや、だからそれが怖いんだってば! と亮は訴えたかったが、言ったところで、作り物は作り物、と思っている睦月にそんなことは通じないのだろう。
大体睦月は、どんなに怖いと評判のホラー映画も、『所詮作りモンだし』で一蹴してしまう性格なのだ。
怖がって何ぼのホラー映画やお化け屋敷に、ここまで冷めた視点を持っていて、一体何のためにこんなにもお化け屋敷に入りたがるのか、亮には理解しかねる。
「じゃあ……帰る?」
「えっ!?」
思い掛けない睦月のセリフに、亮は我が目を疑った。
自分がやりたいと決めたことなら、何があっても意見を曲げないであろうと思われた睦月が、亮のためにそれを翻してくれるなんて…………ホントに睦月?
失礼なことを言いたいわけではないが、だってそんなの、あり得ない。もしかして、もうすでに何か霊的なものに憑り付かれて、人格変わったとか?
…と、亮が疑心暗鬼になっていると、睦月は再び、亮をとんでもなく驚かせることを言い放ったのだ。
「じゃあね、亮、バイバイ」
「えぇっ!?」
どうやら先ほどの『帰る?』は、一緒に帰ろうということではなく、嫌なら1人で帰っていいよ、という意味だったのだ。
というか、一緒にお化け屋敷に入らない場合の選択肢が、お化け屋敷の外で待っている、ではなくて、1人で先に帰る、とか……極端すぎる!
「ちょっむっちゃん、待って! 帰んない、帰んないってば!」
「だって亮、入るの怖いんでしょ? 無理して入んなくても…」
睦月は困ったように眉を下げて、そう言った。別に、ごねる亮にいらついたとか、ふて腐れたとかでなく、睦月なりに考えた最善の策を言ってくれたらしい。
考え方は極端だけれど、睦月がこんなに亮のこと考えてくれているのに(元々は睦月がこんなところに亮を誘ったのが原因なのだが)、ここまで情けないことを言っていていいのかと思う。
怖がりでヘタレなのは性格だから仕方ないけれど、情けないにも程があるだろう…と、亮は自分を奮い立たせる。
「いや、大丈夫っ! だから入ろう、むっちゃんっ」
「どうした、急に」
突然こぶしを握り締め、中に入る気を見せた亮に、彼の決意を知らない睦月は訝しげに眉を寄せた。
一緒にお化け屋敷に入る気になってくれたのは有り難いが、今のこの数秒の間に、一体何の心境の変化があったというのだ……と、睦月はジロジロ亮の顔を見る。
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入る前から亮はこんなに怖がっているというのに、相変わらず睦月はあっさりとそう言ってのける。
いや、だからそれが怖いんだってば! と亮は訴えたかったが、言ったところで、作り物は作り物、と思っている睦月にそんなことは通じないのだろう。
大体睦月は、どんなに怖いと評判のホラー映画も、『所詮作りモンだし』で一蹴してしまう性格なのだ。
怖がって何ぼのホラー映画やお化け屋敷に、ここまで冷めた視点を持っていて、一体何のためにこんなにもお化け屋敷に入りたがるのか、亮には理解しかねる。
「じゃあ……帰る?」
「えっ!?」
思い掛けない睦月のセリフに、亮は我が目を疑った。
自分がやりたいと決めたことなら、何があっても意見を曲げないであろうと思われた睦月が、亮のためにそれを翻してくれるなんて…………ホントに睦月?
失礼なことを言いたいわけではないが、だってそんなの、あり得ない。もしかして、もうすでに何か霊的なものに憑り付かれて、人格変わったとか?
…と、亮が疑心暗鬼になっていると、睦月は再び、亮をとんでもなく驚かせることを言い放ったのだ。
「じゃあね、亮、バイバイ」
「えぇっ!?」
どうやら先ほどの『帰る?』は、一緒に帰ろうということではなく、嫌なら1人で帰っていいよ、という意味だったのだ。
というか、一緒にお化け屋敷に入らない場合の選択肢が、お化け屋敷の外で待っている、ではなくて、1人で先に帰る、とか……極端すぎる!
「ちょっむっちゃん、待って! 帰んない、帰んないってば!」
「だって亮、入るの怖いんでしょ? 無理して入んなくても…」
睦月は困ったように眉を下げて、そう言った。別に、ごねる亮にいらついたとか、ふて腐れたとかでなく、睦月なりに考えた最善の策を言ってくれたらしい。
考え方は極端だけれど、睦月がこんなに亮のこと考えてくれているのに(元々は睦月がこんなところに亮を誘ったのが原因なのだが)、ここまで情けないことを言っていていいのかと思う。
怖がりでヘタレなのは性格だから仕方ないけれど、情けないにも程があるだろう…と、亮は自分を奮い立たせる。
「いや、大丈夫っ! だから入ろう、むっちゃんっ」
「どうした、急に」
突然こぶしを握り締め、中に入る気を見せた亮に、彼の決意を知らない睦月は訝しげに眉を寄せた。
一緒にお化け屋敷に入る気になってくれたのは有り難いが、今のこの数秒の間に、一体何の心境の変化があったというのだ……と、睦月はジロジロ亮の顔を見る。
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