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もしかしたら君は天使かもしれない。 (63)
2013.11.03 Sun
「…亮、顔引き攣ってるよ?」
「引き攣ってない!」
「蒼いし」
「蒼くない!」
絶叫マシンやお化け屋敷を怖がってばかりいたら、いつまで経っても睦月とテーマパークを楽しめない! と、無理やり奮起しているんだから、気持ちが冷めるようなことを言わないで!
「分かった。じゃあ行こ?」
睦月はかわいく笑うと、亮の手を引いて、お化け屋敷の入り口へと向かった。
「さぁ行っくぞぉ!」
無事に出られたら出口でアトラクションの割引券が貰えます、と説明を受け、2人は中へと入る。
というか、『無事に出られたら』とか、雰囲気を出すためのセリフだろうけど、余計な情報を付け加えなくてもいいのに。
しかし、浴衣で来園している人は決してゼロではなく、その格好でお化け屋敷に入れば割引券が貰えるというのに、他のアトラクションに比べて、お化け屋敷の混雑してなさ振り。
これは相当怖いということなのではないか。
亮は、勢いでお化け屋敷に入ると言ってしまったけれど、やっぱりやめておけばよかったかなぁ…。
天気が良くて明るい屋外に対して、足を踏み入れたお化け屋敷の中は、薄暗い。
まだ何も登場していないけれど、荒れ果てた室内の様子が、恐怖を倍増させる。
…なのに。
「割引券、3枚貰えるって」
「…………」
「その割引券で、もっかいこのお化け屋敷入るとか、ありなのかなぁ?」
「…………」
「そしたら、また割引券貰えると思う?」
「…………」
「ねぇ亮、聞いてんのっ?」
この雰囲気をまったく怖がる様子もなく、睦月はいつもの調子でベラベラ喋りまくっている。
怖じ恐れている亮がゆっくり歩いているから、歩く速度は一応それに合わせてくれているけれど、とても、お化け屋敷に入っているとは思えない態度だ。
大体、こういうところって、驚いて上げた悲鳴ならともかく、そうでなかったら、何となく声を潜めてしまうはずなのに、睦月は普段会話しているのと同じ大きさの声なのだ。
「亮?」
「でっ…でも、また貰えるんだとしても、お化け屋敷ばっかそんなに入ってたら、他のアトラクション乗れないよ?」
クイ、と睦月に浴衣の袖を引かれて、亮は何とか声を絞り出す。
別に睦月の話を聞いていなかったわけではなく、聞いていたけれど、お化け屋敷の雰囲気に飲まれて、声が出せなかっただけだ(だから、ちょっとくらい声が引っ繰り返っていても、大目に見てほしい)。
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「引き攣ってない!」
「蒼いし」
「蒼くない!」
絶叫マシンやお化け屋敷を怖がってばかりいたら、いつまで経っても睦月とテーマパークを楽しめない! と、無理やり奮起しているんだから、気持ちが冷めるようなことを言わないで!
「分かった。じゃあ行こ?」
睦月はかわいく笑うと、亮の手を引いて、お化け屋敷の入り口へと向かった。
「さぁ行っくぞぉ!」
無事に出られたら出口でアトラクションの割引券が貰えます、と説明を受け、2人は中へと入る。
というか、『無事に出られたら』とか、雰囲気を出すためのセリフだろうけど、余計な情報を付け加えなくてもいいのに。
しかし、浴衣で来園している人は決してゼロではなく、その格好でお化け屋敷に入れば割引券が貰えるというのに、他のアトラクションに比べて、お化け屋敷の混雑してなさ振り。
これは相当怖いということなのではないか。
亮は、勢いでお化け屋敷に入ると言ってしまったけれど、やっぱりやめておけばよかったかなぁ…。
天気が良くて明るい屋外に対して、足を踏み入れたお化け屋敷の中は、薄暗い。
まだ何も登場していないけれど、荒れ果てた室内の様子が、恐怖を倍増させる。
…なのに。
「割引券、3枚貰えるって」
「…………」
「その割引券で、もっかいこのお化け屋敷入るとか、ありなのかなぁ?」
「…………」
「そしたら、また割引券貰えると思う?」
「…………」
「ねぇ亮、聞いてんのっ?」
この雰囲気をまったく怖がる様子もなく、睦月はいつもの調子でベラベラ喋りまくっている。
怖じ恐れている亮がゆっくり歩いているから、歩く速度は一応それに合わせてくれているけれど、とても、お化け屋敷に入っているとは思えない態度だ。
大体、こういうところって、驚いて上げた悲鳴ならともかく、そうでなかったら、何となく声を潜めてしまうはずなのに、睦月は普段会話しているのと同じ大きさの声なのだ。
「亮?」
「でっ…でも、また貰えるんだとしても、お化け屋敷ばっかそんなに入ってたら、他のアトラクション乗れないよ?」
クイ、と睦月に浴衣の袖を引かれて、亮は何とか声を絞り出す。
別に睦月の話を聞いていなかったわけではなく、聞いていたけれど、お化け屋敷の雰囲気に飲まれて、声が出せなかっただけだ(だから、ちょっとくらい声が引っ繰り返っていても、大目に見てほしい)。
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