スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
もしかしたら君は天使かもしれない。 (61)
2013.11.01 Fri
一口にお化け屋敷と言っても、洋風のものもあれば、和風のものもあるし、廃墟となった学校や病院を探索するものや、呪いやゾンビが登場するものもある。
スーパー怖がりの亮にしたら、どれも果てしなく怖いのだが、やっぱり日本の幽霊が登場するヤツが一番怖いんじゃないかと思う。ジャパニーズホラーて、海外でも有名だしね。
その中でも、血まみれっぽいのが、特に苦手!
時代物にしろ、現代設定にしろ、血みどろの幽霊やら人間が出てくるのも怖いし、その室内、壁や床が血まみれなのも、とにかく嫌で嫌でしょうがないのだ。
なのに!
「ヒッ…」
お化け屋敷のアトラクションの前まで来て、亮はか細い悲鳴を上げて固まった。
睦月に連れられてやって来たそこは、まさに亮が苦手とするお化け屋敷そのものだったのである。
「ちょっ…むっちゃん…」
「あそこ入口! 何分待ちかな?」
古民家風の建物の入り口には、『怨霊屋敷』とおどろおどろしい書体で書かれた看板が設置されていて、ズタズタになった障子に血飛沫が飛んでいるのも見える。
うわっこれ一番ダメなヤツ! と亮は瞬時に悟ったが、目も心もお化け屋敷に奪われてしまった睦月は、亮が顔面蒼白で固まっていることになど気付かず、早く早く、と亮の浴衣の袖を引っ張る。
「むっちゃん、待っ…」
「あんま並んでないから、すぐ入れそう……て、亮?」
先に進もうとしてもなかなか進まないのは、隣の亮がまったく動かないからだと、ようやく気付いた睦月が、不思議そうに亮を見た。
この期に及んで、亮がお化け屋敷嫌いなことを忘れたというのか。
「………………。亮、怖いの?」
お化け屋敷と亮の顔を交互に見た後、睦月が分かり切ったことを聞いてくるので、亮は無言でコクコクと頷いた。
もちろん、怖いからこそのお化け屋敷なのだが、もうちょっとライトな感じだったらまだしも、これは相当なレベルでヤバい。入るまでもなく、亮にはそれが分かる。
こんなことなら、今朝、睦月がネットでこのお化け屋敷のページを見せてくれたとき、もうちょっとよく見ておけばよかった。
あのときは、一時の恐怖から逃れたいばかりに、睦月にすぐにページを閉じさせたけれど、どんなお化け屋敷なのかを知るために、我慢して見ておくべきだった。
そうすれば、何があっても絶対に来なかったのに…!!
「大丈夫だよ亮、あんなの作りモンだから」
睦月から、何の気休めにもならない言葉を貰うが、もちろんそれで亮が気を取り直すわけがない。
お化け屋敷が作りものだということも、登場するお化けは人形や人間が扮しているということも、あの血飛沫だって本当の血ではないことも、亮はちゃんと知っている。
それがどうしたというのだ。知っているからといって、怖さが半減するとでも言うのか。
back next
スーパー怖がりの亮にしたら、どれも果てしなく怖いのだが、やっぱり日本の幽霊が登場するヤツが一番怖いんじゃないかと思う。ジャパニーズホラーて、海外でも有名だしね。
その中でも、血まみれっぽいのが、特に苦手!
時代物にしろ、現代設定にしろ、血みどろの幽霊やら人間が出てくるのも怖いし、その室内、壁や床が血まみれなのも、とにかく嫌で嫌でしょうがないのだ。
なのに!
「ヒッ…」
お化け屋敷のアトラクションの前まで来て、亮はか細い悲鳴を上げて固まった。
睦月に連れられてやって来たそこは、まさに亮が苦手とするお化け屋敷そのものだったのである。
「ちょっ…むっちゃん…」
「あそこ入口! 何分待ちかな?」
古民家風の建物の入り口には、『怨霊屋敷』とおどろおどろしい書体で書かれた看板が設置されていて、ズタズタになった障子に血飛沫が飛んでいるのも見える。
うわっこれ一番ダメなヤツ! と亮は瞬時に悟ったが、目も心もお化け屋敷に奪われてしまった睦月は、亮が顔面蒼白で固まっていることになど気付かず、早く早く、と亮の浴衣の袖を引っ張る。
「むっちゃん、待っ…」
「あんま並んでないから、すぐ入れそう……て、亮?」
先に進もうとしてもなかなか進まないのは、隣の亮がまったく動かないからだと、ようやく気付いた睦月が、不思議そうに亮を見た。
この期に及んで、亮がお化け屋敷嫌いなことを忘れたというのか。
「………………。亮、怖いの?」
お化け屋敷と亮の顔を交互に見た後、睦月が分かり切ったことを聞いてくるので、亮は無言でコクコクと頷いた。
もちろん、怖いからこそのお化け屋敷なのだが、もうちょっとライトな感じだったらまだしも、これは相当なレベルでヤバい。入るまでもなく、亮にはそれが分かる。
こんなことなら、今朝、睦月がネットでこのお化け屋敷のページを見せてくれたとき、もうちょっとよく見ておけばよかった。
あのときは、一時の恐怖から逃れたいばかりに、睦月にすぐにページを閉じさせたけれど、どんなお化け屋敷なのかを知るために、我慢して見ておくべきだった。
そうすれば、何があっても絶対に来なかったのに…!!
「大丈夫だよ亮、あんなの作りモンだから」
睦月から、何の気休めにもならない言葉を貰うが、もちろんそれで亮が気を取り直すわけがない。
お化け屋敷が作りものだということも、登場するお化けは人形や人間が扮しているということも、あの血飛沫だって本当の血ではないことも、亮はちゃんと知っている。
それがどうしたというのだ。知っているからといって、怖さが半減するとでも言うのか。
back next
- 関連記事
-
- もしかしたら君は天使かもしれない。 (62) (2013/11/02)
- もしかしたら君は天使かもしれない。 (61) (2013/11/01)
- もしかしたら君は天使かもしれない。 (60) (2013/10/31)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love