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もしかしたら君は天使かもしれない。 (57)
2013.10.28 Mon
改めて、ここで普通にポーズを決めろと言われても難しいけれど、だからといって、気を付けしかないかと言われれば、そうでもない気がするのだが。
しかし、ならば先にやってみろと言われても、何も出来ない亮は、それに反論する術もない。
「カズたち、どうしてたっけ?」
「カズちゃんたちと同じにするの? カズちゃん、ゆっちと一緒に撮ったんだよ?」
「あぁ、だったな。俺らも一緒に撮ろうよ」
「いいけど……どうやって? 誰が撮るの? 自分撮り? 出来る? 浴衣、ちゃんと入る? 浴衣メインだからね! 浴衣入んなかったら、意味ないんだからね!」
「分かってるってば…」
ついさっき、『俺の顔なんて見飽きてるでしょ』なんて言っていた人に、そんなこと言われたくはない。
けれど、三脚のようなものにスマホを固定して、セルフタイマーで撮るならまだしも、スマホを手に持って、自分たちのほうにカメラを向けて撮るのでは、全身を撮影するのは難しいかもしれない。
「カズ……いや、祐介、呼んでくる?」
先に思い付いた自分の幼馴染みの名前を慌てて引っ込め、亮は祐介の名前を挙げてみる。
別に和衣だっていいんだけれど、昨日のあの態度からして、ウザったいくらいに乗り気で来るだろうから、何となく面倒くさい気がするのだ。その点、祐介にはその心配がない。
「そうだよね、何かカズちゃん、面倒くさいもんね」
「………………、まぁ…うん…」
亮も、内心そう思っていたものの、そこまでハッキリ口に出せるほどの図太さは持ち合わせていなかったのだが、どうやら睦月はそうではなかったらしい。
まぁ、まったく悪気なく言うところが、睦月なのだが。
「じゃあゆっちにメールしよう」
「待って、むっちゃん」
寮の同じ階で生活しているにもかかわらず、睦月がメールで和衣や祐介に連絡を取ろうとするのはいつものことなのだが、今はそれはやめたほうがいいと思い、亮は睦月を止めた。
もしかしたら今、2人が一緒にいないとも限らないわけで、祐介だけを呼んだつもりが、和衣もくっ付いてくる可能性だってあるのだ。
「部屋行って、コッソリ呼んでくる? でもカズちゃんいたら、おんなじことか…。つか、出掛けてるかもだよね? 日曜だもん。やっぱメンドイから、一緒に撮らないにしよっか」
「じゃあ、むっちゃんの写真、撮ってあげる」
「え、亮が先。俺、気を付けしか出来ない」
「気を付けでいいじゃん」
最初に気を付けで撮ろうとしたのは睦月自身だ。今さら何を恥ずかしがることがあるというのか。
でもまた、どういうポーズで写真を撮るか、どちらが先に撮るかを言い始めると、堂々巡りとなって、時間だけが過ぎていき……お化け屋敷に行きたくない亮にとっては喜ばしいことだけれど、そういうわけにもいかないだろう。
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しかし、ならば先にやってみろと言われても、何も出来ない亮は、それに反論する術もない。
「カズたち、どうしてたっけ?」
「カズちゃんたちと同じにするの? カズちゃん、ゆっちと一緒に撮ったんだよ?」
「あぁ、だったな。俺らも一緒に撮ろうよ」
「いいけど……どうやって? 誰が撮るの? 自分撮り? 出来る? 浴衣、ちゃんと入る? 浴衣メインだからね! 浴衣入んなかったら、意味ないんだからね!」
「分かってるってば…」
ついさっき、『俺の顔なんて見飽きてるでしょ』なんて言っていた人に、そんなこと言われたくはない。
けれど、三脚のようなものにスマホを固定して、セルフタイマーで撮るならまだしも、スマホを手に持って、自分たちのほうにカメラを向けて撮るのでは、全身を撮影するのは難しいかもしれない。
「カズ……いや、祐介、呼んでくる?」
先に思い付いた自分の幼馴染みの名前を慌てて引っ込め、亮は祐介の名前を挙げてみる。
別に和衣だっていいんだけれど、昨日のあの態度からして、ウザったいくらいに乗り気で来るだろうから、何となく面倒くさい気がするのだ。その点、祐介にはその心配がない。
「そうだよね、何かカズちゃん、面倒くさいもんね」
「………………、まぁ…うん…」
亮も、内心そう思っていたものの、そこまでハッキリ口に出せるほどの図太さは持ち合わせていなかったのだが、どうやら睦月はそうではなかったらしい。
まぁ、まったく悪気なく言うところが、睦月なのだが。
「じゃあゆっちにメールしよう」
「待って、むっちゃん」
寮の同じ階で生活しているにもかかわらず、睦月がメールで和衣や祐介に連絡を取ろうとするのはいつものことなのだが、今はそれはやめたほうがいいと思い、亮は睦月を止めた。
もしかしたら今、2人が一緒にいないとも限らないわけで、祐介だけを呼んだつもりが、和衣もくっ付いてくる可能性だってあるのだ。
「部屋行って、コッソリ呼んでくる? でもカズちゃんいたら、おんなじことか…。つか、出掛けてるかもだよね? 日曜だもん。やっぱメンドイから、一緒に撮らないにしよっか」
「じゃあ、むっちゃんの写真、撮ってあげる」
「え、亮が先。俺、気を付けしか出来ない」
「気を付けでいいじゃん」
最初に気を付けで撮ろうとしたのは睦月自身だ。今さら何を恥ずかしがることがあるというのか。
でもまた、どういうポーズで写真を撮るか、どちらが先に撮るかを言い始めると、堂々巡りとなって、時間だけが過ぎていき……お化け屋敷に行きたくない亮にとっては喜ばしいことだけれど、そういうわけにもいかないだろう。
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