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もしかしたら君は天使かもしれない。 (56)
2013.10.27 Sun
「つかむっちゃん、ちょっと待って」
「ぬ?」
「写真いいの? お母さんに送らないと怒られるんでしょ?」
「あ、そうだった」
写真のことを本気で忘れていたのか、睦月は右手を挙げたまま、ハッとなった。
亮は睦月のお母さんに会ったこともないし、彼女の浴衣への情熱は睦月と祐介の話でしか知らないけれど、昨日和衣が言っていたとおり、友人の写真は送ったのに、睦月自身の写真を送らないというのはおかしいだろう。
「じゃあ…、撮るから、亮、ポーズ決めて?」
「え、ちょっと待って。何で俺の写真撮ろうとしてんの?」
「お母さんに送るため」
「いや、そうだけど、そうじゃなくて。むっちゃんの写真撮らなくてどうすんの?」
別に亮の写真を撮って送りたいなら、それはそれでいいけれど、最終的に睦月の写真を送らなかったら、何の意味もない。
今の雰囲気からして、睦月は亮の写真だけ送って、それで終わりそうだ。
「そっか。じゃあ亮、撮って」
はい、と亮に自分のスマホを差し出した睦月は、ものすごく姿勢正しく気を付けをして立った。
人には、ポーズを決めて、何て言っていたくせに、自分はその格好…。いや、それが睦月の中では、ポーズを決めたということなのかもしれないが…。
「ねぇ…、本当にそのポーズでいいの? 気を付け…」
「ダメ?」
「むっちゃんがいいならいいけど……結構おもしろいよ?」
寮の一室で、浴衣姿で気を付け…。
どう考えても、おもしろすぎる。
「いや何か…ちゃんとしてる感を出したほうがいいかな、て思って。俺がちゃんとしてるほうが、お母さん、安心するでしょ?」
「そうだけど…」
お母さんに心配を掛けたくないという気持ちが睦月の中にあることは大いに結構だけれど、この気を付け写真を送ったら、かえって心配してしまうような気も…。
「普通のがいいと思うよ?」
「そう? でも何か普通て困るね。ここで浴衣着て普通に…て、どんな格好したらいいの?」
「んー…」
どこか出掛けた先で記念写真を撮るというなら、それなりにポーズもあるだろうけど、確かに『普通』と言っても、どうしたらいいものか。
「じゃあ、亮、先にやって。普通に。俺、それ真似する」
「えー…、何かむずい…」
「ほらぁ! 難しいでしょ!? 何か出来ないでしょ!? やっぱ気を付けしかないじゃん!」
「そ…そう…?」
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「ぬ?」
「写真いいの? お母さんに送らないと怒られるんでしょ?」
「あ、そうだった」
写真のことを本気で忘れていたのか、睦月は右手を挙げたまま、ハッとなった。
亮は睦月のお母さんに会ったこともないし、彼女の浴衣への情熱は睦月と祐介の話でしか知らないけれど、昨日和衣が言っていたとおり、友人の写真は送ったのに、睦月自身の写真を送らないというのはおかしいだろう。
「じゃあ…、撮るから、亮、ポーズ決めて?」
「え、ちょっと待って。何で俺の写真撮ろうとしてんの?」
「お母さんに送るため」
「いや、そうだけど、そうじゃなくて。むっちゃんの写真撮らなくてどうすんの?」
別に亮の写真を撮って送りたいなら、それはそれでいいけれど、最終的に睦月の写真を送らなかったら、何の意味もない。
今の雰囲気からして、睦月は亮の写真だけ送って、それで終わりそうだ。
「そっか。じゃあ亮、撮って」
はい、と亮に自分のスマホを差し出した睦月は、ものすごく姿勢正しく気を付けをして立った。
人には、ポーズを決めて、何て言っていたくせに、自分はその格好…。いや、それが睦月の中では、ポーズを決めたということなのかもしれないが…。
「ねぇ…、本当にそのポーズでいいの? 気を付け…」
「ダメ?」
「むっちゃんがいいならいいけど……結構おもしろいよ?」
寮の一室で、浴衣姿で気を付け…。
どう考えても、おもしろすぎる。
「いや何か…ちゃんとしてる感を出したほうがいいかな、て思って。俺がちゃんとしてるほうが、お母さん、安心するでしょ?」
「そうだけど…」
お母さんに心配を掛けたくないという気持ちが睦月の中にあることは大いに結構だけれど、この気を付け写真を送ったら、かえって心配してしまうような気も…。
「普通のがいいと思うよ?」
「そう? でも何か普通て困るね。ここで浴衣着て普通に…て、どんな格好したらいいの?」
「んー…」
どこか出掛けた先で記念写真を撮るというなら、それなりにポーズもあるだろうけど、確かに『普通』と言っても、どうしたらいいものか。
「じゃあ、亮、先にやって。普通に。俺、それ真似する」
「えー…、何かむずい…」
「ほらぁ! 難しいでしょ!? 何か出来ないでしょ!? やっぱ気を付けしかないじゃん!」
「そ…そう…?」
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