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もしかしたら君は天使かもしれない。 (41)
2013.10.12 Sat
「あーあ、終わっちゃった…」
最後の花火が打ち上がって、花火大会終了のアナウンスが流れると、和衣は『はぁ~…』と溜め息を零した。
楽しい時間というのは、やはり、あっと言う間に過ぎてしまうのだ。
「帰ろっか」
「…ん。でも、むっちゃんに焼きそば買ってかないと」
「あー…」
和衣たちの浴衣姿の写真を撮った後、さっさと自分の部屋に戻った睦月だったが、花火大会に出掛けようとしたところで、ひょっこり部屋から顔を出し、焼きそばを買って来いとねだったのだ。
和衣も、睦月に言われるまでもなく、浴衣を貸してもらったお礼は、何かしなければ…と思っていたのだが、それがこの焼きそばでは、安直すぎるかしら?
「じゃあ、焼きそばとたこ焼きでも買ってくか」
「りんご飴とか」
「綿あめは?」
基本的に睦月は、物欲が殆どなくて、ほんの些細なことで満たされてしまうのだが、そんな彼を喜ばせるものと言ったら、やはり食べ物だろう。主に甘いものだけれど、体に見合わず、食べる量は底なしだから。
「綿あめさぁ、子どものころ、お祭り行くと、よく綿あめ買ってもらったけど、結局全部食べ切れなかったよ」
「あー…確かに綿あめて、結構大きいよな」
「お祭りね、いっつも亮とショウちゃんと行くの。お父さんとお母さんもね。みんなで。で、お母さんとか、どうせ全部食べれないんだから、3人で1個にしなさい、て言うんだけど、それじゃヤなの。みんな、自分で1個持ちたいから」
「あはは」
その様子が想像できて、祐介は笑う。
祐介も子どものころは、睦月と一緒に祭りに行って、やっぱり綿アメは1人1個ずつ買ってもらっていた。祐介的には、睦月と2人で1個でも構わなかったのだが、睦月がそれじゃ嫌だと駄々を捏ねるから。
「じゃあ、綿あめにしよっか、むっちゃんのおみやげ」
「いいけど……袋、アニメの絵描いてあるの、それ持って、電車乗って帰れる?」
「う…」
少し先にある屋台の店先、袋に入った綿あめが並んでいるが、どれもアニメのイラストが大きくプリントされていて、それを見つけた祐介が、尤もなことを指摘した。
袋に入れずに持ち帰るのにも抵抗はあるが、今この場のテンションならまだしも、これから電車に乗って寮に帰るのに、アニメの絵の描かれたのを持っているのも…。
帰るまでの間に、知り合いに会って、冷やかされるようなことはないだろうが(睦月は寮にいるから)、そういうことの出来る2人ではないのだ。
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最後の花火が打ち上がって、花火大会終了のアナウンスが流れると、和衣は『はぁ~…』と溜め息を零した。
楽しい時間というのは、やはり、あっと言う間に過ぎてしまうのだ。
「帰ろっか」
「…ん。でも、むっちゃんに焼きそば買ってかないと」
「あー…」
和衣たちの浴衣姿の写真を撮った後、さっさと自分の部屋に戻った睦月だったが、花火大会に出掛けようとしたところで、ひょっこり部屋から顔を出し、焼きそばを買って来いとねだったのだ。
和衣も、睦月に言われるまでもなく、浴衣を貸してもらったお礼は、何かしなければ…と思っていたのだが、それがこの焼きそばでは、安直すぎるかしら?
「じゃあ、焼きそばとたこ焼きでも買ってくか」
「りんご飴とか」
「綿あめは?」
基本的に睦月は、物欲が殆どなくて、ほんの些細なことで満たされてしまうのだが、そんな彼を喜ばせるものと言ったら、やはり食べ物だろう。主に甘いものだけれど、体に見合わず、食べる量は底なしだから。
「綿あめさぁ、子どものころ、お祭り行くと、よく綿あめ買ってもらったけど、結局全部食べ切れなかったよ」
「あー…確かに綿あめて、結構大きいよな」
「お祭りね、いっつも亮とショウちゃんと行くの。お父さんとお母さんもね。みんなで。で、お母さんとか、どうせ全部食べれないんだから、3人で1個にしなさい、て言うんだけど、それじゃヤなの。みんな、自分で1個持ちたいから」
「あはは」
その様子が想像できて、祐介は笑う。
祐介も子どものころは、睦月と一緒に祭りに行って、やっぱり綿アメは1人1個ずつ買ってもらっていた。祐介的には、睦月と2人で1個でも構わなかったのだが、睦月がそれじゃ嫌だと駄々を捏ねるから。
「じゃあ、綿あめにしよっか、むっちゃんのおみやげ」
「いいけど……袋、アニメの絵描いてあるの、それ持って、電車乗って帰れる?」
「う…」
少し先にある屋台の店先、袋に入った綿あめが並んでいるが、どれもアニメのイラストが大きくプリントされていて、それを見つけた祐介が、尤もなことを指摘した。
袋に入れずに持ち帰るのにも抵抗はあるが、今この場のテンションならまだしも、これから電車に乗って寮に帰るのに、アニメの絵の描かれたのを持っているのも…。
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