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もしかしたら君は天使かもしれない。 (42)
2013.10.13 Sun
「がっ…がんば…る……いや、やっぱりんご飴にしよっかな…」
ここまで来たら、やっぱり綿あめでしょ! と和衣はがんばろうとしたが、屋台の前で実物を見ると、結構大きくて目立つことが分かり、声を小さくして、目標を切り替えた。
祐介としては、和衣がどうしても綿あめにすると言ったら、それも仕方がないと思っていたけれど、早々に和衣が諦めてくれたので、若干ホッとする。
和衣のためにはがんばれるけれど、睦月のためだけにそんな恥ずかしい思いをするつもりなど、更々ないのだ。
「りんご飴だっておいしいしねっ」
「そんな…、大丈夫だよ、無理に言い訳しなくても。そもそも睦月に頼まれたのは焼きそばだけなんだから」
「だって…」
自分が恥ずかしさから逃れるために、睦月へのお土産を変更してしまったのを申し訳なく思ったのか、和衣がやけにりんご飴の良さを強調して来るので、一応フォローしておく。
和衣は照れ笑いを浮かべながら、りんご飴の屋台の前で足を止めた。
「りんご飴くださーい。小さいヤツ2個……あ、祐介も食べる?」
「え、あ、うん」
「じゃあ3個」
急に問われたので思わず頷いたら、和衣は3個もりんご飴を注文してしまった。
1つは睦月へのお土産だから、残りの2つは和衣自身と祐介の分ということだろう。慌てて祐介が財布を取り出そうとしたら、和衣にやんわりと制された。
「ありがとうございましたー!」
元気なおじさんの声に送られ、2人は屋台を後にする。
そういえば、せっかく繋いでいた手、財布を取り出すときに離れちゃったな…。
「祐介ー、りんご飴、今食べる?」
「焼きそば買ってからのほうがいいんじゃない? つか、ありがと、俺の分まで」
「えへへ、今日はいろいろ嬉しいから、そのお礼です」
「俺に? お礼? 何の?」
「いーの!」
祐介が今日和衣にしてあげたことといえば、浴衣の着付けをしたくらいなんだけど。
まぁ、和衣が嬉しそうだから、よく分からないけれど、とりあえず良しとするか。
「りんご飴てさぁ、俺、小っちゃいヤツのほうが好きだよ。だって普通のりんごのて、飴のトコ先に食べ終わっちゃって、最後、結局りんごだけになっちゃうじゃん」
「そうなの?」
「なんない? りんご好きだけどー、りんご飴食うときは、やっぱ、りんごだけじゃなくて、りんご飴として食いたいじゃん? 最後まで!」
いつになくりんご飴に対する情熱を見せてくる和衣に、祐介は笑うしかない。
祐介にとって、りんご飴はそんなに思い出深い品物ではないけれど、一生懸命りんご飴を齧る、子どものころの和衣は、想像に容易い。
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ここまで来たら、やっぱり綿あめでしょ! と和衣はがんばろうとしたが、屋台の前で実物を見ると、結構大きくて目立つことが分かり、声を小さくして、目標を切り替えた。
祐介としては、和衣がどうしても綿あめにすると言ったら、それも仕方がないと思っていたけれど、早々に和衣が諦めてくれたので、若干ホッとする。
和衣のためにはがんばれるけれど、睦月のためだけにそんな恥ずかしい思いをするつもりなど、更々ないのだ。
「りんご飴だっておいしいしねっ」
「そんな…、大丈夫だよ、無理に言い訳しなくても。そもそも睦月に頼まれたのは焼きそばだけなんだから」
「だって…」
自分が恥ずかしさから逃れるために、睦月へのお土産を変更してしまったのを申し訳なく思ったのか、和衣がやけにりんご飴の良さを強調して来るので、一応フォローしておく。
和衣は照れ笑いを浮かべながら、りんご飴の屋台の前で足を止めた。
「りんご飴くださーい。小さいヤツ2個……あ、祐介も食べる?」
「え、あ、うん」
「じゃあ3個」
急に問われたので思わず頷いたら、和衣は3個もりんご飴を注文してしまった。
1つは睦月へのお土産だから、残りの2つは和衣自身と祐介の分ということだろう。慌てて祐介が財布を取り出そうとしたら、和衣にやんわりと制された。
「ありがとうございましたー!」
元気なおじさんの声に送られ、2人は屋台を後にする。
そういえば、せっかく繋いでいた手、財布を取り出すときに離れちゃったな…。
「祐介ー、りんご飴、今食べる?」
「焼きそば買ってからのほうがいいんじゃない? つか、ありがと、俺の分まで」
「えへへ、今日はいろいろ嬉しいから、そのお礼です」
「俺に? お礼? 何の?」
「いーの!」
祐介が今日和衣にしてあげたことといえば、浴衣の着付けをしたくらいなんだけど。
まぁ、和衣が嬉しそうだから、よく分からないけれど、とりあえず良しとするか。
「りんご飴てさぁ、俺、小っちゃいヤツのほうが好きだよ。だって普通のりんごのて、飴のトコ先に食べ終わっちゃって、最後、結局りんごだけになっちゃうじゃん」
「そうなの?」
「なんない? りんご好きだけどー、りんご飴食うときは、やっぱ、りんごだけじゃなくて、りんご飴として食いたいじゃん? 最後まで!」
いつになくりんご飴に対する情熱を見せてくる和衣に、祐介は笑うしかない。
祐介にとって、りんご飴はそんなに思い出深い品物ではないけれど、一生懸命りんご飴を齧る、子どものころの和衣は、想像に容易い。
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