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14. そして見上げた空の色は、 (中編)
2008.07.18 Fri
哲也と連絡が取れなくなって10日。
もし見かけたら連絡してくれって啓ちゃんが頼んでた哲也の友達からも、何の音沙汰もなし。
ホントに会ってないのか、一緒にいるけど連絡しないように哲也が頼んでんのか知らないけど、哲也が俺らに会わないようにしてるのは確かで。
哲也が使ってたふとんも、そのまま、部屋には残ってんのに。
「そうは言ったって、アイツだってそんなに金があるわけじゃないし、今までだって苦労してその日の宿決めてたわけだから、行く当てなんてそんなにないと思うんだけど」
「……うん」
仕事が終わって、2人で会社を出れば、アスファルトが濡れ始めてる。
小雨って言っても、傘を差して帰りたいくらいの降り方。
「うわー、降り出してきてんじゃん。今日の天気、雨だったっけ?」
「知らん。天気予報なんか見ないし」
啓ちゃんは、鬱陶しそうに空を見上げた。
天気予報見ないって、凄いなぁ。俺、今日たまたま見忘れただけだけど、普段から見ないって…………今日みたいなときって、どうしてんだろ。
「雨足強くなんないうちに帰るか」
「傘ないじゃん」
「そんなのいらん」
「はぁ!? 濡れて帰んの!? コンビニで傘…」
「こんくらいだったら、平気」
「ちょっ…啓ちゃん!」
うわっ、ホントに走り始めたよ、この人! マジでか!?
でもここで、俺だけ戻って傘とか捜してたら、後で絶対キレられる!!
しょうがないから、俺も啓ちゃんの後に続いて、小雨の中、走り出した。
幸いにも雨足が強くならないことだけが救いだけど、長く雨に当たってれば、結構シャツも髪も濡れてくる。
うー……早く帰りたいっ…!
そう思ってんのに、先を走ってた啓ちゃんが、軒下とかじゃなくて、普通に歩道の真ん中に突っ立ってる。
「啓ちゃん!」
何してんだ、て、追い付いた俺は、急かすように啓ちゃんの背中を叩いた。
「あれ…」
呆然と啓ちゃんが指さしたのは、横断歩道の向こう側。路地の入り口んとこで、何人かの男がたむろってる。
「何? 知り合い?」
「テツ…」
「え?」
テツ? え? 哲也?
啓ちゃんが指さすほうを、じっと目を凝らしてみれば、2,3人の男に取り囲まれるように立ってる小さな金髪は、確かに哲也に似ている。
でも、何て言うか……友達と仲良くしてるって感じじゃなくて…………絡まれてる?
もし見かけたら連絡してくれって啓ちゃんが頼んでた哲也の友達からも、何の音沙汰もなし。
ホントに会ってないのか、一緒にいるけど連絡しないように哲也が頼んでんのか知らないけど、哲也が俺らに会わないようにしてるのは確かで。
哲也が使ってたふとんも、そのまま、部屋には残ってんのに。
「そうは言ったって、アイツだってそんなに金があるわけじゃないし、今までだって苦労してその日の宿決めてたわけだから、行く当てなんてそんなにないと思うんだけど」
「……うん」
仕事が終わって、2人で会社を出れば、アスファルトが濡れ始めてる。
小雨って言っても、傘を差して帰りたいくらいの降り方。
「うわー、降り出してきてんじゃん。今日の天気、雨だったっけ?」
「知らん。天気予報なんか見ないし」
啓ちゃんは、鬱陶しそうに空を見上げた。
天気予報見ないって、凄いなぁ。俺、今日たまたま見忘れただけだけど、普段から見ないって…………今日みたいなときって、どうしてんだろ。
「雨足強くなんないうちに帰るか」
「傘ないじゃん」
「そんなのいらん」
「はぁ!? 濡れて帰んの!? コンビニで傘…」
「こんくらいだったら、平気」
「ちょっ…啓ちゃん!」
うわっ、ホントに走り始めたよ、この人! マジでか!?
でもここで、俺だけ戻って傘とか捜してたら、後で絶対キレられる!!
しょうがないから、俺も啓ちゃんの後に続いて、小雨の中、走り出した。
幸いにも雨足が強くならないことだけが救いだけど、長く雨に当たってれば、結構シャツも髪も濡れてくる。
うー……早く帰りたいっ…!
そう思ってんのに、先を走ってた啓ちゃんが、軒下とかじゃなくて、普通に歩道の真ん中に突っ立ってる。
「啓ちゃん!」
何してんだ、て、追い付いた俺は、急かすように啓ちゃんの背中を叩いた。
「あれ…」
呆然と啓ちゃんが指さしたのは、横断歩道の向こう側。路地の入り口んとこで、何人かの男がたむろってる。
「何? 知り合い?」
「テツ…」
「え?」
テツ? え? 哲也?
啓ちゃんが指さすほうを、じっと目を凝らしてみれば、2,3人の男に取り囲まれるように立ってる小さな金髪は、確かに哲也に似ている。
でも、何て言うか……友達と仲良くしてるって感じじゃなくて…………絡まれてる?
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