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もどかしいくらい無欲なところ (4)
2013.04.06 Sat
お風呂から戻って来た睦月は、頭からブランケットを被ったまま(またそんな格好でお風呂に行った…)、ストーブの前で暖まっている。うんと温まってからふとんに潜り込んで、すぐに寝てしまおうという作戦なのだ。
ふとんの上には、件のマンガの新刊。やはり自分で買っていた。
「睦月ー」
「はーい?」
亮が声を掛けると、目のところだけちょこっと出して、すっぽりブランケットに包まっている睦月が、首だけ捻って亮のほうを振り返った。
しかし、亮が『来い来い』と手招きしても、睦月は『イヤイヤ』と首を振って拒否する。寒いから、ここを離れたくないのだ。仕方なく、亮のほうが近づく。
ちょうど亮の位置が睦月の背後だったから、睦月は当たり前のように寄り掛かって来て、亮は後ろからブランケットごと睦月を抱き締めた。
「あのさ、いや…、もうすぐ付き合って2年だなぁ、て思って」
「うん」
「ぅん?」
「え、うん。2年経つね」
だから何? という顔をしている睦月に、あぁやっぱり全然興味ないよね、と亮は少し落胆する。昔の彼女の気持ち、今さら実感なんかしたくないのに。
「去年は、何もしないで、スルーしちゃったよね」
「そうだっけ? あ、えっと……記念日的な?」
そこまで言われて、ようやく睦月は、亮がそういう話をしたいのだということに気が付いたようだ。キョロキョロと落ち着きなく、視線を動かす。
きっと、今の今まで、そんなこと考えてもいなかったのに、急にそんな話を振られて、どう答えたらいいか分からずに悩んでいるのだろう。
「あの、ゴメ……俺、忘れ…」
「いや、そうじゃなくて。去年忘れてたのは、俺も一緒だから! つか、今までも、そういうの全然気にしないほうで…」
申し訳なさそうな顔をする睦月に、亮は慌てて、そういうことではないのだと説明する。
記念日に興味がないのはお互いさまで、別にそのことを責めたいわけではない。
「じゃなくて、いや、だから、」
「…何?」
「去年は何もしなかったし、今年は何かしちゃおっかなぁ、とか思っちゃったわけですよ」
「え、うん。何すんの?」
よく分かっていない様子の睦月は、亮の腕の中で首を傾げている。
亮としては、本当はサプライズ的な、こっそりプレゼントを用意して渡す、みたいなことを思っていたけれど、結局何も思い浮かばなかったし、翔真の言うとおり、亮が1人で盛り上がっていても仕方がないので、直球で睦月に言ってみることにしたのだ。
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ふとんの上には、件のマンガの新刊。やはり自分で買っていた。
「睦月ー」
「はーい?」
亮が声を掛けると、目のところだけちょこっと出して、すっぽりブランケットに包まっている睦月が、首だけ捻って亮のほうを振り返った。
しかし、亮が『来い来い』と手招きしても、睦月は『イヤイヤ』と首を振って拒否する。寒いから、ここを離れたくないのだ。仕方なく、亮のほうが近づく。
ちょうど亮の位置が睦月の背後だったから、睦月は当たり前のように寄り掛かって来て、亮は後ろからブランケットごと睦月を抱き締めた。
「あのさ、いや…、もうすぐ付き合って2年だなぁ、て思って」
「うん」
「ぅん?」
「え、うん。2年経つね」
だから何? という顔をしている睦月に、あぁやっぱり全然興味ないよね、と亮は少し落胆する。昔の彼女の気持ち、今さら実感なんかしたくないのに。
「去年は、何もしないで、スルーしちゃったよね」
「そうだっけ? あ、えっと……記念日的な?」
そこまで言われて、ようやく睦月は、亮がそういう話をしたいのだということに気が付いたようだ。キョロキョロと落ち着きなく、視線を動かす。
きっと、今の今まで、そんなこと考えてもいなかったのに、急にそんな話を振られて、どう答えたらいいか分からずに悩んでいるのだろう。
「あの、ゴメ……俺、忘れ…」
「いや、そうじゃなくて。去年忘れてたのは、俺も一緒だから! つか、今までも、そういうの全然気にしないほうで…」
申し訳なさそうな顔をする睦月に、亮は慌てて、そういうことではないのだと説明する。
記念日に興味がないのはお互いさまで、別にそのことを責めたいわけではない。
「じゃなくて、いや、だから、」
「…何?」
「去年は何もしなかったし、今年は何かしちゃおっかなぁ、とか思っちゃったわけですよ」
「え、うん。何すんの?」
よく分かっていない様子の睦月は、亮の腕の中で首を傾げている。
亮としては、本当はサプライズ的な、こっそりプレゼントを用意して渡す、みたいなことを思っていたけれど、結局何も思い浮かばなかったし、翔真の言うとおり、亮が1人で盛り上がっていても仕方がないので、直球で睦月に言ってみることにしたのだ。
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