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恋と呼ぶにはまだ早い (23)
2013.01.15 Tue
「じゃ、ちーちゃんは今、好きな人いないの?」
「いないー。何で分かんのー?」
「だって好きな人いたら、ガンガン行くんでしょ? なのに、イブに1人だから」
「1人じゃないもん。大和くんが一緒にいんじゃん」
「俺と一緒に過ごしたいと思ってくれてたんだ?」
「別にー。キャハハ」
イブの夜に、大和と一緒に過ごしてはいるけれど、それはただの成り行きだ。すてきなホテルに泊まって、夜景を見ながらシャンパンを飲むなんて、まるで恋人同士みたいだけれど、2人の関係はそうじゃない。
大和に会うのは今日が2回目で、今になってようやく、『よく知らない人』から、『一緒に話をするのが楽しい、すてきな筋肉の持ち主(イケメン)』くらいにはなったけれど、それだけのこと。
「ヒドイな、ちーちゃん。俺はちーちゃんと過ごしたかったのに」
「何でー? この聖なる夜に、大和くんが俺と一緒に過ごしたかったのー?」
本当、大和て意味が分からない。
女の子と過ごせない代わりなのに、千尋と一緒に過ごしたかっただなんて、口がうますぎる。…まぁ、悪い気はしないけれど。
「でも俺も、大和くんと一緒なの、楽しいけどねー」
もし遥希に、FATEのコンサートに誘われなかったら、クリスマス合コンにでも参加しようかと思っていたくらいだから、冗談でも、『一緒に過ごしたかった』なんて言ってもらえれば、気分は上がる。
千尋は、芸能人と一夜を過ごせて、自分は他の人とは違うんだ、なんてくだらない優越感に浸るタイプではないので、ただ単に今は、この時間が楽しいだけだ。
「ちーちゃんがそう言ってくれるなら、本気で口説いちゃおっかな」
「えー、何ー?」
大和の言っていることがよく分からなくて、とりあえず千尋はグラスのシャンパンを飲み干した。
*****
目の前でクテンとなっているかわいい酔っ払いを、一体どうしてくれようか…。
大和がそう思っても、千尋はソファの上でクフクフ笑いながらシャンパンを舐めていて、何の警戒心もなくいい気分に浸っているから、やっぱり手は出せないなぁ、と思う。
モエ・エ・シャンドン・ブリュット・アンペリアル。
世界的に有名で高級なシャンパンも、その殆どが、千尋の腹の中に収まっている。
千尋と初めて会ったのはクラブで、そのときも千尋はお酒を飲んでいたけれど、あのときは状況がいろいろ深刻だったので、千尋に酔っ払っている素振りはなかったが、酔うとこうなるのね…。
かわいいけど、ちょっと意外。
「口説く? 大和くんが何で俺のこと口説くの? おっかしー」
「好きな子のことは、そりゃ口説くでしょ? ちーちゃんだって、好きになった人にはガンガン行くって言ったじゃん」
「俺はそうだけどー、大和くんが好きなの? 俺のこと?」
もともと大きな目を、さらに真ん丸に見開いて、千尋はマジマジと大和のことを見た。
あ、その顔、かわいい。
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「いないー。何で分かんのー?」
「だって好きな人いたら、ガンガン行くんでしょ? なのに、イブに1人だから」
「1人じゃないもん。大和くんが一緒にいんじゃん」
「俺と一緒に過ごしたいと思ってくれてたんだ?」
「別にー。キャハハ」
イブの夜に、大和と一緒に過ごしてはいるけれど、それはただの成り行きだ。すてきなホテルに泊まって、夜景を見ながらシャンパンを飲むなんて、まるで恋人同士みたいだけれど、2人の関係はそうじゃない。
大和に会うのは今日が2回目で、今になってようやく、『よく知らない人』から、『一緒に話をするのが楽しい、すてきな筋肉の持ち主(イケメン)』くらいにはなったけれど、それだけのこと。
「ヒドイな、ちーちゃん。俺はちーちゃんと過ごしたかったのに」
「何でー? この聖なる夜に、大和くんが俺と一緒に過ごしたかったのー?」
本当、大和て意味が分からない。
女の子と過ごせない代わりなのに、千尋と一緒に過ごしたかっただなんて、口がうますぎる。…まぁ、悪い気はしないけれど。
「でも俺も、大和くんと一緒なの、楽しいけどねー」
もし遥希に、FATEのコンサートに誘われなかったら、クリスマス合コンにでも参加しようかと思っていたくらいだから、冗談でも、『一緒に過ごしたかった』なんて言ってもらえれば、気分は上がる。
千尋は、芸能人と一夜を過ごせて、自分は他の人とは違うんだ、なんてくだらない優越感に浸るタイプではないので、ただ単に今は、この時間が楽しいだけだ。
「ちーちゃんがそう言ってくれるなら、本気で口説いちゃおっかな」
「えー、何ー?」
大和の言っていることがよく分からなくて、とりあえず千尋はグラスのシャンパンを飲み干した。
*****
目の前でクテンとなっているかわいい酔っ払いを、一体どうしてくれようか…。
大和がそう思っても、千尋はソファの上でクフクフ笑いながらシャンパンを舐めていて、何の警戒心もなくいい気分に浸っているから、やっぱり手は出せないなぁ、と思う。
モエ・エ・シャンドン・ブリュット・アンペリアル。
世界的に有名で高級なシャンパンも、その殆どが、千尋の腹の中に収まっている。
千尋と初めて会ったのはクラブで、そのときも千尋はお酒を飲んでいたけれど、あのときは状況がいろいろ深刻だったので、千尋に酔っ払っている素振りはなかったが、酔うとこうなるのね…。
かわいいけど、ちょっと意外。
「口説く? 大和くんが何で俺のこと口説くの? おっかしー」
「好きな子のことは、そりゃ口説くでしょ? ちーちゃんだって、好きになった人にはガンガン行くって言ったじゃん」
「俺はそうだけどー、大和くんが好きなの? 俺のこと?」
もともと大きな目を、さらに真ん丸に見開いて、千尋はマジマジと大和のことを見た。
あ、その顔、かわいい。
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