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恋と呼ぶにはまだ早い (16)
2013.01.08 Tue
「ハルちゃんと水落がイチャついてて、何かムカついたことは覚えてる」
「うはは。でもそれは許してやって」
千尋の正直な答えに大層ウケて、大和は手を叩きながら笑い出す。
それは、別に大和を笑わそうと思って言ったわけではなく、本当にそう思ったからなのだが。
「それよりも! 何で俺、ここにいるの?」
「ちーちゃん、マジで覚えてないの? 気失って倒れちゃったの」
「気…?」
何度『覚えてないの?』と言われても、分からないものは分からないのだが、その後に続いた大和の思い掛けない言葉に、千尋は眉を顰めた。だって、気を失ったって…。
しかし、ここまで来て大和が嘘をつく理由も思い当たらないし……もしかして千尋が全然思い出さないから、からかいたいんだろうか。
「ちょっ…ちーちゃん、めっちゃ疑いの眼差しだけど、ホントだからね!? ちーちゃんが俺の裸見たがってたし、何かかわいかったからギュウしたら、そのまま倒れちゃったんだって!」
「……」
そういえば、そんなことがあった気がする。
大体、千尋がFATEのコンサートに来たのも、遥希に、大和の裸が生で見られると言われたからで、楽屋に行ったのも、千尋にしたらそのためだったのだ。
で、遥希と琉に軽くムカつきつつ、南條の仕事の様子を眺めていたら、バスローブ姿の大和が現れて、その筋肉に触りたいと思っているうち、大和に抱き締められて……。
「……」
確かに記憶はそこまでしかない。今度こそ、これ以上は何も思い出せない。
千尋は大和に抱き締められて(そもそも、それだって意味不明…)、あの筋肉にギュウとされて、もう何も考えられないくらいに頭が沸騰して、後はもうどうなったのか分からない。
「マジか…」
確かあそこには、大和だけでなく琉もいたし、遥希もいた。それに、南條をはじめとした、スタッフと思しき人たちも。
そんな中で千尋は気を失って倒れたというのか。一生の不覚…!
「大丈夫だよ、ちーちゃん。みんなビックリはしてたけど、大事にはなんなかったし。つか、だからここいんだけど。だから大丈夫だって」
「…………」
落ち込む千尋に大和がそう言ってフォローするが、これは千尋のプライドの問題であって、そんな慰め、かえって空しいだけだ。
もちろん明日もコンサートのあるFATEやスタッフに迷惑は掛けられないので、大事にならなかったのはありがたいが、琉の前でそんな醜態を晒したのが、何よりも屈辱だ。
「つか、でもだから何で俺、ここにいんの?」
「ん? 俺が連れて来たから」
「は?」
FATEの楽屋で倒れたら、その後どうして大和の部屋で目を覚ますことになるのか、それが分からなくて聞いたら、当たり前のように大和に言われて、ますますわけが分からなくなる。
先ほどの大和の話では、特に千尋は頭を打つとかはなくて無事だったわけで、だからこそ目を覚ました場所が病院ではないのだろうけど、だからといって、大和の部屋にいる理由がない。
大事に至っていなかったのなら、起こしてくれればよかったのに。そうすれば、ちゃんと自分の家に帰った。
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「うはは。でもそれは許してやって」
千尋の正直な答えに大層ウケて、大和は手を叩きながら笑い出す。
それは、別に大和を笑わそうと思って言ったわけではなく、本当にそう思ったからなのだが。
「それよりも! 何で俺、ここにいるの?」
「ちーちゃん、マジで覚えてないの? 気失って倒れちゃったの」
「気…?」
何度『覚えてないの?』と言われても、分からないものは分からないのだが、その後に続いた大和の思い掛けない言葉に、千尋は眉を顰めた。だって、気を失ったって…。
しかし、ここまで来て大和が嘘をつく理由も思い当たらないし……もしかして千尋が全然思い出さないから、からかいたいんだろうか。
「ちょっ…ちーちゃん、めっちゃ疑いの眼差しだけど、ホントだからね!? ちーちゃんが俺の裸見たがってたし、何かかわいかったからギュウしたら、そのまま倒れちゃったんだって!」
「……」
そういえば、そんなことがあった気がする。
大体、千尋がFATEのコンサートに来たのも、遥希に、大和の裸が生で見られると言われたからで、楽屋に行ったのも、千尋にしたらそのためだったのだ。
で、遥希と琉に軽くムカつきつつ、南條の仕事の様子を眺めていたら、バスローブ姿の大和が現れて、その筋肉に触りたいと思っているうち、大和に抱き締められて……。
「……」
確かに記憶はそこまでしかない。今度こそ、これ以上は何も思い出せない。
千尋は大和に抱き締められて(そもそも、それだって意味不明…)、あの筋肉にギュウとされて、もう何も考えられないくらいに頭が沸騰して、後はもうどうなったのか分からない。
「マジか…」
確かあそこには、大和だけでなく琉もいたし、遥希もいた。それに、南條をはじめとした、スタッフと思しき人たちも。
そんな中で千尋は気を失って倒れたというのか。一生の不覚…!
「大丈夫だよ、ちーちゃん。みんなビックリはしてたけど、大事にはなんなかったし。つか、だからここいんだけど。だから大丈夫だって」
「…………」
落ち込む千尋に大和がそう言ってフォローするが、これは千尋のプライドの問題であって、そんな慰め、かえって空しいだけだ。
もちろん明日もコンサートのあるFATEやスタッフに迷惑は掛けられないので、大事にならなかったのはありがたいが、琉の前でそんな醜態を晒したのが、何よりも屈辱だ。
「つか、でもだから何で俺、ここにいんの?」
「ん? 俺が連れて来たから」
「は?」
FATEの楽屋で倒れたら、その後どうして大和の部屋で目を覚ますことになるのか、それが分からなくて聞いたら、当たり前のように大和に言われて、ますますわけが分からなくなる。
先ほどの大和の話では、特に千尋は頭を打つとかはなくて無事だったわけで、だからこそ目を覚ました場所が病院ではないのだろうけど、だからといって、大和の部屋にいる理由がない。
大事に至っていなかったのなら、起こしてくれればよかったのに。そうすれば、ちゃんと自分の家に帰った。
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如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Kさん
あけましておめでとうございます。
お久しぶりです(*^_^*)
レス不要とのことでしたが、嬉しかったんでレスさせてくださいっ!
昨年はいろいろと大変だったのですね。
でも、復活の兆しが見えてきているようで、ひとまずは一安心といったところでしょうか。
ウチのお話がKさんの元気につながれば嬉しいです(元気とかわいさがウリの、うちの子たちなんで(*^_^*))
ご無理をなさらず、また遊びに来てくださいね。
今年もよろしくお願いいたします。
拍手&コメントありがとうございました!
お久しぶりです(*^_^*)
レス不要とのことでしたが、嬉しかったんでレスさせてくださいっ!
昨年はいろいろと大変だったのですね。
でも、復活の兆しが見えてきているようで、ひとまずは一安心といったところでしょうか。
ウチのお話がKさんの元気につながれば嬉しいです(元気とかわいさがウリの、うちの子たちなんで(*^_^*))
ご無理をなさらず、また遊びに来てくださいね。
今年もよろしくお願いいたします。
拍手&コメントありがとうございました!
- |2013.01.09
- |Wed
- |22:23
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