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恋と呼ぶにはまだ早い (1)
2012.12.22 Sat
今年のクリスマス小説は、この子たちです。お気付きかとは思いますが、今から始めて、もちろんクリスマスで完結するわけもなく、相変わらず年越しまっしぐらなわけですが、どうぞお付き合いください。
haruki & chihiro
「ち~い~ちゃんっ!」
と、語尾にハートマークが付きそうな甘い声で遥希が千尋を呼んだときは、とにかく要注意なのである。
それを知っているのに、迂闊にもご飯の後に遥希の家に行ってしまった千尋は、これは俺に学習能力がないせいじゃない…、酔っ払って気が緩んだだけだ…、と誰も何も言っていないのに、1人で心の中で言い訳していた。
「ちーちゃん、はいっ」
冷蔵庫から缶チューハイを2本持って来た遥希は、苦虫を噛み潰したような顔をしている千尋に、にこにこーっと笑顔で1本差し出した。
何も分かっていない遥希に若干イラッとするが、千尋は素直にそれを受け取った。明日は休みだし、まぁいっか(遥希のバイトとか大学のことは知らない)。
自分の分の缶をテーブルに置いた遥希が、何やらゴソゴソと引き出しを漁っている。
その背中を眺めながら、千尋はグビグビとチューハイを煽っていく。
「じゃ~ん!」
千尋も酔っ払っているが、一緒に飲んでいた遥希だって、大概酔っ払っている。
クルッと振り返った遥希は、アホな効果音をつけて、何かを千尋のほうに見せ付けて来た。
「…………。何ですか、遥希さん」
白けた表情でわざとらしく聞き返す千尋に気付くでもなく、遥希は「見て見て~!」と、その何かを千尋の目の前に突き付けてくる。
近すぎて見えないってば。
「FATEのコンサートチケット! 取れたの~!」
何か紙切れのようだと思ったら、どうやらそれは、水落琉と一ノ瀬大和からなる超人気アイドルユニットFATEのコンサートチケットらしい。
相変わらず遥希は、琉の恋人になった今でも、FATEの――――いや、水落琉の大ファンなのである。
「取れた、て…」
「ファンクラブの~、えへへ、予約てゆうかぁ~」
本当に幸せそうに話す遥希は、どうやら今までどおり、入会しているFATEのファンクラブの申し込みを通して、このチケットを手に入れたようだ。
しかし、そんな遥希を見つめながら、千尋はポカンとした表情だ。
「え…、ハルちゃん、自分でそのチケット取ったの? ファンクラブので?」
「そーだよっ?」
「へぇー…」
千尋に聞き直されても、遥希の答えは同じだ。
やはり自力で入手したらしい。
(そういうのて普通、関係者席的な、何かそういうチケット? みたいの、あるんじゃねぇの? 水落、そういうのハルちゃんに渡さねぇの…?)
酔っていても、その辺はしっかりしている千尋は、当然の疑問にぶち当たったが、当の遥希は全然まったく気が付いていないようで、「あ~幸せ!」とジタバタしている。
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haruki & chihiro
「ち~い~ちゃんっ!」
と、語尾にハートマークが付きそうな甘い声で遥希が千尋を呼んだときは、とにかく要注意なのである。
それを知っているのに、迂闊にもご飯の後に遥希の家に行ってしまった千尋は、これは俺に学習能力がないせいじゃない…、酔っ払って気が緩んだだけだ…、と誰も何も言っていないのに、1人で心の中で言い訳していた。
「ちーちゃん、はいっ」
冷蔵庫から缶チューハイを2本持って来た遥希は、苦虫を噛み潰したような顔をしている千尋に、にこにこーっと笑顔で1本差し出した。
何も分かっていない遥希に若干イラッとするが、千尋は素直にそれを受け取った。明日は休みだし、まぁいっか(遥希のバイトとか大学のことは知らない)。
自分の分の缶をテーブルに置いた遥希が、何やらゴソゴソと引き出しを漁っている。
その背中を眺めながら、千尋はグビグビとチューハイを煽っていく。
「じゃ~ん!」
千尋も酔っ払っているが、一緒に飲んでいた遥希だって、大概酔っ払っている。
クルッと振り返った遥希は、アホな効果音をつけて、何かを千尋のほうに見せ付けて来た。
「…………。何ですか、遥希さん」
白けた表情でわざとらしく聞き返す千尋に気付くでもなく、遥希は「見て見て~!」と、その何かを千尋の目の前に突き付けてくる。
近すぎて見えないってば。
「FATEのコンサートチケット! 取れたの~!」
何か紙切れのようだと思ったら、どうやらそれは、水落琉と一ノ瀬大和からなる超人気アイドルユニットFATEのコンサートチケットらしい。
相変わらず遥希は、琉の恋人になった今でも、FATEの――――いや、水落琉の大ファンなのである。
「取れた、て…」
「ファンクラブの~、えへへ、予約てゆうかぁ~」
本当に幸せそうに話す遥希は、どうやら今までどおり、入会しているFATEのファンクラブの申し込みを通して、このチケットを手に入れたようだ。
しかし、そんな遥希を見つめながら、千尋はポカンとした表情だ。
「え…、ハルちゃん、自分でそのチケット取ったの? ファンクラブので?」
「そーだよっ?」
「へぇー…」
千尋に聞き直されても、遥希の答えは同じだ。
やはり自力で入手したらしい。
(そういうのて普通、関係者席的な、何かそういうチケット? みたいの、あるんじゃねぇの? 水落、そういうのハルちゃんに渡さねぇの…?)
酔っていても、その辺はしっかりしている千尋は、当然の疑問にぶち当たったが、当の遥希は全然まったく気が付いていないようで、「あ~幸せ!」とジタバタしている。
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凪 ⇒
にゃっっO(≧▽≦)O ニャ~♪
懐かしいお二人です~♪
ついつい南条さんの憂鬱を読み返しちゃって
記憶があふれちゃう 恋のお話~♪
続いていく如月さまのお話たち
ありがとうございます☆彡
懐かしいお二人です~♪
ついつい南条さんの憂鬱を読み返しちゃって
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続いていく如月さまのお話たち
ありがとうございます☆彡
- |2012.12.22
- |Sat
- |08:42
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >凪さん
> にゃっっO(≧▽≦)O ニャ~♪
ギャッ、このお顔↑、めっちゃかわいい~!
喜んでいただけて、嬉しいです~!
南條さんのお話、読み返してくださったんですね。ありがとうございます!
苦労性の彼にも、何かハッピーが訪れてくれるといいんですが…、彼では手に負えないちーちゃんの、今回のお相手は、あの!? お方です!
お楽しみに(*^_^*)
コメントありがとうございました!
ギャッ、このお顔↑、めっちゃかわいい~!
喜んでいただけて、嬉しいです~!
南條さんのお話、読み返してくださったんですね。ありがとうございます!
苦労性の彼にも、何かハッピーが訪れてくれるといいんですが…、彼では手に負えないちーちゃんの、今回のお相手は、あの!? お方です!
お楽しみに(*^_^*)
コメントありがとうございました!
- |2012.12.22
- |Sat
- |23:29
- |URL
- |EDIT|