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暴君王子のおっしゃることには! (212)
2012.11.29 Thu
「テッテテーン!」
バカな効果音とともに、一伽が袋の中から取り出したものを、頭上に高々と掲げた。
何なんだ、と侑仁が訝しげに視線を向ければ、一伽が手にしているのは、お肌のため用ではなく、夜の営みのため用の、ローションのボトルだった。思わずずっこけそうになる。
「一伽…、おま…」
「後ねぇ、これも!」
右手を額に当て、天を仰ぐ侑仁に構うことなく、一伽は次なるものを袋から取り出した――――コンドームだ。
もしかして一伽が機嫌がいいのは、吸血鬼のコスプレをしたからではなく、これらのせい?
「えー…っと、一伽さん?」
「何でしょう」
「これは一体、何?」
「ローションとゴム」
「それは、見れば分かる」
別にこれが何なのか分からないとか、そんなかまととぶるつもりはないし、もちろん、本気で分からないわけもない。
そうでなくて、一体どうして一伽はこんなものを買ってきて、しかもそんなに嬉しそうに取り出してみせたのか、そして本当に、このご機嫌ぶりは、これらに由来するのか――――侑仁が知りたいのは、それだ。
「ユキちゃんに聞いたらね、やっぱローションはあったほうがいい、て言うから」
「…………」
『何』にローションが必要なのかと言えば、それはもちろん『ナニ』をするのに必要なわけで。
確かに昨日、一伽とは散々そんな話になったし、一伽は雪乃に聞いておくとも言っていた。しかしそれが、たった1日で現実のものになるとは、正直、侑仁はまったく思っていなかった。
「だって、侑仁だってやりたいでしょ? それとも、全然やりたくない? 毎回、手と口だけで満足できる?」
「あのな」
「したいよね?」
「……」
「ね?」
「…はい」
あと数センチ……いや、数ミリでキスできる、という距離まで顔を近づけて、かわいらしく微笑みながら、そんなことを言ってくる恋人を前に、Noと言える男なんて、いるわけがない。
侑仁は素直に頷いて、一伽にキスをした。
「ん…ふ、ん…」
一伽は、舌を侑仁の口内に入れようとしたけれど、一伽が口を開けた隙に、逆に侑仁が舌を押し込め、ビクッと震えた一伽の背中を抱きながら、舌を絡めた。
前にも思ったことだが、一伽は多分、侑仁のキスが好きなんだろう。女の子との経験の多さからか、一伽はグイグイ来たがるくせに、侑仁がちょっと強引な感じでキスをすると、すぐに快感に酔ってしまう。
「ぁ…、ダメ、侑仁…」
「何?」
力の入っていない手で胸を押し返され、侑仁は一伽の顔を覗き込んだ。
「最後までする、んでしょ…?」
「するよ? だから?」
「えっと…、俺、シャワーしたい」
「いいけど? …??」
今さらシャワーのことなんか言い出す一伽を不思議に思ったけれど、別にそんなことで気分が白けるわけでもないので、侑仁は濡れた一伽の唇を指で拭ってやった。
それにしても、シャワーくらいで、どうして一伽がちょっと恥ずかしそうにするのか、それがよく分からない。
「侑仁は? シャワーする? するなら先にして!」
「いや、俺もう済ませたし」
「じゃあ、俺シャワーしてくるっ。侑仁、絶対お風呂場、来ちゃダメだからね! 絶対ね!」
「へいへい」
しつこく念押しをする一伽の背中を見送った侑仁は、よく分からない…と首を傾げたが、一伽が風呂に行ったことで、初めてのセックスが、コスプレセックスになることだけは避けられたことに、少しだけホッとしていた。
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バカな効果音とともに、一伽が袋の中から取り出したものを、頭上に高々と掲げた。
何なんだ、と侑仁が訝しげに視線を向ければ、一伽が手にしているのは、お肌のため用ではなく、夜の営みのため用の、ローションのボトルだった。思わずずっこけそうになる。
「一伽…、おま…」
「後ねぇ、これも!」
右手を額に当て、天を仰ぐ侑仁に構うことなく、一伽は次なるものを袋から取り出した――――コンドームだ。
もしかして一伽が機嫌がいいのは、吸血鬼のコスプレをしたからではなく、これらのせい?
「えー…っと、一伽さん?」
「何でしょう」
「これは一体、何?」
「ローションとゴム」
「それは、見れば分かる」
別にこれが何なのか分からないとか、そんなかまととぶるつもりはないし、もちろん、本気で分からないわけもない。
そうでなくて、一体どうして一伽はこんなものを買ってきて、しかもそんなに嬉しそうに取り出してみせたのか、そして本当に、このご機嫌ぶりは、これらに由来するのか――――侑仁が知りたいのは、それだ。
「ユキちゃんに聞いたらね、やっぱローションはあったほうがいい、て言うから」
「…………」
『何』にローションが必要なのかと言えば、それはもちろん『ナニ』をするのに必要なわけで。
確かに昨日、一伽とは散々そんな話になったし、一伽は雪乃に聞いておくとも言っていた。しかしそれが、たった1日で現実のものになるとは、正直、侑仁はまったく思っていなかった。
「だって、侑仁だってやりたいでしょ? それとも、全然やりたくない? 毎回、手と口だけで満足できる?」
「あのな」
「したいよね?」
「……」
「ね?」
「…はい」
あと数センチ……いや、数ミリでキスできる、という距離まで顔を近づけて、かわいらしく微笑みながら、そんなことを言ってくる恋人を前に、Noと言える男なんて、いるわけがない。
侑仁は素直に頷いて、一伽にキスをした。
「ん…ふ、ん…」
一伽は、舌を侑仁の口内に入れようとしたけれど、一伽が口を開けた隙に、逆に侑仁が舌を押し込め、ビクッと震えた一伽の背中を抱きながら、舌を絡めた。
前にも思ったことだが、一伽は多分、侑仁のキスが好きなんだろう。女の子との経験の多さからか、一伽はグイグイ来たがるくせに、侑仁がちょっと強引な感じでキスをすると、すぐに快感に酔ってしまう。
「ぁ…、ダメ、侑仁…」
「何?」
力の入っていない手で胸を押し返され、侑仁は一伽の顔を覗き込んだ。
「最後までする、んでしょ…?」
「するよ? だから?」
「えっと…、俺、シャワーしたい」
「いいけど? …??」
今さらシャワーのことなんか言い出す一伽を不思議に思ったけれど、別にそんなことで気分が白けるわけでもないので、侑仁は濡れた一伽の唇を指で拭ってやった。
それにしても、シャワーくらいで、どうして一伽がちょっと恥ずかしそうにするのか、それがよく分からない。
「侑仁は? シャワーする? するなら先にして!」
「いや、俺もう済ませたし」
「じゃあ、俺シャワーしてくるっ。侑仁、絶対お風呂場、来ちゃダメだからね! 絶対ね!」
「へいへい」
しつこく念押しをする一伽の背中を見送った侑仁は、よく分からない…と首を傾げたが、一伽が風呂に行ったことで、初めてのセックスが、コスプレセックスになることだけは避けられたことに、少しだけホッとしていた。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
「主さま、xxxxの間は 決して 戸を開けてはいけません」
と、
鶴なら 機織りですが…いっちゃんは?(//▽//)
吸血鬼の恩返しは、いったい どんなものやら~~
ちょっと覗き見でもしてみますか(笑)
(*ノωノ)キャ...(*ノω゚)ノ チラッ...byebye☆
と、
鶴なら 機織りですが…いっちゃんは?(//▽//)
吸血鬼の恩返しは、いったい どんなものやら~~
ちょっと覗き見でもしてみますか(笑)
(*ノωノ)キャ...(*ノω゚)ノ チラッ...byebye☆
- |2012.11.29
- |Thu
- |14:44
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
いっちゃんの恩返しは、何だか怖そう~…。
どちらかというと、恩を仇で返すタイプですし…(笑)
でも、今夜のいっちゃんは一味違いますからね! 侑仁さんと、その先に進むためには、がんばりますよ!
けれど、覗き見しちゃったら、逃げられちゃうかも~!?
コメントありがとうございました!
どちらかというと、恩を仇で返すタイプですし…(笑)
でも、今夜のいっちゃんは一味違いますからね! 侑仁さんと、その先に進むためには、がんばりますよ!
けれど、覗き見しちゃったら、逃げられちゃうかも~!?
コメントありがとうございました!
- |2012.11.29
- |Thu
- |22:33
- |URL
- |EDIT|