スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
暴君王子のおっしゃることには! (211)
2012.11.28 Wed
侑仁 と 一伽
「Trick or Treat! お菓子くれなきゃ、いたずらすっるぞぉ~~!!」
明日の夜もまた来る、と言って帰った一伽が、仕事を終えてやって来た日曜日の夜。
チャイムの音に、侑仁が玄関のドアを開ければ、いわゆる『吸血鬼』のコスプレをした一伽が、テンション高く立っていた。
「……………………」
侑仁は一瞬考えたが、いったん奥へ引っ込み、飴と一口サイズのチョコを持って戻ってくると、それを一伽の手のひらに乗せてやった。
視線を侑仁から手に乗ったいくつかのお菓子に移した一伽は、何度か瞬きした後、再び顔を上げて侑仁を見た。
「ちょっ…! 侑仁、何でお菓子くれるんだよっ」
「お前がくれって言ったんだろうが」
「これじゃいたずら出来ないじゃん!」
「何する気だっ」
「えへへー」
侑仁の尤もな突っ込みを、へらへら笑いながら無視して、吸血鬼のコスプレをした吸血鬼は、鼻歌混じりに侑仁の家に上がり込む。
一応、その衣装にも突っ込んでおいたほうがよかったのだろうか、と思いつつ、侑仁は後に続く。
「でも侑仁がチョコとか何でー? ホントにハロウィンのお菓子のために用意したの?」
「違ぇよ。会社の子が、何か旅行のおみやげとかっつって。俺、甘いもん食わねぇけど、お前が食うかな、て思って」
「ふぅん? いただきー!」
見れば、いつも持っているカバンの他に、ドラッグストアの買い物袋も持っていて、それをガチャガチャとリビングのテーブルに置いた一伽は、早速チョコをバクバクと食べ始めた。
「…あのさ、一応聞くけど、その格好って、やっぱ今日がハロウィンだから?」
「んー。吸血鬼っ!」
「いや…。まぁ今日いろんな人からもう突っ込まれまくってるだろうけど、改めてもっかい言うな? 本物の吸血鬼のくせに、何で吸血鬼のコスプレすんの?」
両手を腰に当て、『エッヘン』とでも言わんばかりに胸を張った一伽に、侑仁は仕方なく突っ込みを入れてやった。
恐らく意味を問いただしたところで、何の意味もないんだろうけど。
「どこで着替えて来たの?」
「俺、今日この格好でお仕事してたの!」
「はぁ~?」
リビングのソファにご機嫌で腰を下ろした一伽の隣に座れば、一伽は指に付いたチョコレートを舐めながら、侑仁に寄り掛かって来た。
「志信がね、ハロウィンだからっつって、この服持って来てさぁ、アイツ、ホント変態だよな」
「変態だよな、て……ちゃっかり着ちゃってるお前が言うなよ。つか、よく航平が許したな」
「…航平くんも変態なのかな?」
「少なくとも、お前に着せて喜ぶ趣味はねぇだろ」
どちらかといえば航平は、『アホか!』と言ってキレるイメージのほうがしっくり来るが、何をどう思って、一伽がコスプレするのを許したのだろう。
とにかく彼が変態ではないことは、親友である侑仁が保証する(…というか、そう信じたい)。
「で、何でお前は、仕事が終わっても、その格好のままなわけ?」
「そんなん、侑仁に見せたかったからに決まってんだろっ☆ キャハハ、ドキッとした?」
「………………大丈夫か? 頭」
ちょっとかわい子ぶった、よく分からないキャラ設定でウィンクをしてみせた一伽に、侑仁は肩を落とす。
別に一伽がどんな格好をしようと勝手だが、今のところ侑仁は、恋人にコスプレをさせたい願望もなければ、それで燃えるような性癖もないのだ。
「それはそうと! 侑仁、これ、これ」
「ぅん?」
チョコを食べ尽くした一伽が、ドラッグストアの袋をガサガサと漁り出した。
特に侑仁は一伽に買い物を頼んだ覚えもないし、ドラッグストアの商品で、2人の間で話題になったものもなかったはずだが、と小首を傾げた直後。
back next
「Trick or Treat! お菓子くれなきゃ、いたずらすっるぞぉ~~!!」
明日の夜もまた来る、と言って帰った一伽が、仕事を終えてやって来た日曜日の夜。
チャイムの音に、侑仁が玄関のドアを開ければ、いわゆる『吸血鬼』のコスプレをした一伽が、テンション高く立っていた。
「……………………」
侑仁は一瞬考えたが、いったん奥へ引っ込み、飴と一口サイズのチョコを持って戻ってくると、それを一伽の手のひらに乗せてやった。
視線を侑仁から手に乗ったいくつかのお菓子に移した一伽は、何度か瞬きした後、再び顔を上げて侑仁を見た。
「ちょっ…! 侑仁、何でお菓子くれるんだよっ」
「お前がくれって言ったんだろうが」
「これじゃいたずら出来ないじゃん!」
「何する気だっ」
「えへへー」
侑仁の尤もな突っ込みを、へらへら笑いながら無視して、吸血鬼のコスプレをした吸血鬼は、鼻歌混じりに侑仁の家に上がり込む。
一応、その衣装にも突っ込んでおいたほうがよかったのだろうか、と思いつつ、侑仁は後に続く。
「でも侑仁がチョコとか何でー? ホントにハロウィンのお菓子のために用意したの?」
「違ぇよ。会社の子が、何か旅行のおみやげとかっつって。俺、甘いもん食わねぇけど、お前が食うかな、て思って」
「ふぅん? いただきー!」
見れば、いつも持っているカバンの他に、ドラッグストアの買い物袋も持っていて、それをガチャガチャとリビングのテーブルに置いた一伽は、早速チョコをバクバクと食べ始めた。
「…あのさ、一応聞くけど、その格好って、やっぱ今日がハロウィンだから?」
「んー。吸血鬼っ!」
「いや…。まぁ今日いろんな人からもう突っ込まれまくってるだろうけど、改めてもっかい言うな? 本物の吸血鬼のくせに、何で吸血鬼のコスプレすんの?」
両手を腰に当て、『エッヘン』とでも言わんばかりに胸を張った一伽に、侑仁は仕方なく突っ込みを入れてやった。
恐らく意味を問いただしたところで、何の意味もないんだろうけど。
「どこで着替えて来たの?」
「俺、今日この格好でお仕事してたの!」
「はぁ~?」
リビングのソファにご機嫌で腰を下ろした一伽の隣に座れば、一伽は指に付いたチョコレートを舐めながら、侑仁に寄り掛かって来た。
「志信がね、ハロウィンだからっつって、この服持って来てさぁ、アイツ、ホント変態だよな」
「変態だよな、て……ちゃっかり着ちゃってるお前が言うなよ。つか、よく航平が許したな」
「…航平くんも変態なのかな?」
「少なくとも、お前に着せて喜ぶ趣味はねぇだろ」
どちらかといえば航平は、『アホか!』と言ってキレるイメージのほうがしっくり来るが、何をどう思って、一伽がコスプレするのを許したのだろう。
とにかく彼が変態ではないことは、親友である侑仁が保証する(…というか、そう信じたい)。
「で、何でお前は、仕事が終わっても、その格好のままなわけ?」
「そんなん、侑仁に見せたかったからに決まってんだろっ☆ キャハハ、ドキッとした?」
「………………大丈夫か? 頭」
ちょっとかわい子ぶった、よく分からないキャラ設定でウィンクをしてみせた一伽に、侑仁は肩を落とす。
別に一伽がどんな格好をしようと勝手だが、今のところ侑仁は、恋人にコスプレをさせたい願望もなければ、それで燃えるような性癖もないのだ。
「それはそうと! 侑仁、これ、これ」
「ぅん?」
チョコを食べ尽くした一伽が、ドラッグストアの袋をガサガサと漁り出した。
特に侑仁は一伽に買い物を頼んだ覚えもないし、ドラッグストアの商品で、2人の間で話題になったものもなかったはずだが、と小首を傾げた直後。
back next
- 関連記事
-
- 暴君王子のおっしゃることには! (212) (2012/11/29)
- 暴君王子のおっしゃることには! (211) (2012/11/28)
- 暴君王子のおっしゃることには! (210) (2012/11/27)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:暴君王子のおっしゃることには!
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
けいったん ⇒
ヘタレ過ぎるユキちゃんも アレだけど
自己中満載のいっちゃんも アレ…だけど…
アレだけど 可愛いから許せる~(笑)
でも いっちゃん
ドラッグストアで何を買って 侑仁に見せようとしてるの~~!
もしや!!
ちょっ!ちょっと~! それって~!
゚.+:。(〃ω〃)゚.+:。 キャァ♪...byebye☆
自己中満載のいっちゃんも アレ…だけど…
アレだけど 可愛いから許せる~(笑)
でも いっちゃん
ドラッグストアで何を買って 侑仁に見せようとしてるの~~!
もしや!!
ちょっ!ちょっと~! それって~!
゚.+:。(〃ω〃)゚.+:。 キャァ♪...byebye☆
- |2012.11.28
- |Wed
- |09:27
- |URL
- |EDIT|
ちよ ⇒
ユキちゃん先生からいろいろご指導いただき、
侑仁くん宅に到着したいっちゃん。
ドラッグストアでのお買い物品は何かな~?
お二人の想いが通じ合ってからの行動は早いけれど、
ラブラブへの道のりは、かなり珍道中?!
壁|・ω-;)チラッ て、見ている毎日が楽しくなってきたよ~
侑仁くん宅に到着したいっちゃん。
ドラッグストアでのお買い物品は何かな~?
お二人の想いが通じ合ってからの行動は早いけれど、
ラブラブへの道のりは、かなり珍道中?!
壁|・ω-;)チラッ て、見ている毎日が楽しくなってきたよ~
- |2012.11.28
- |Wed
- |17:43
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
ヘタレなユキちゃん、許してくれますか!!
ありがとうございます(笑)
ユキちゃん、かなりがんばったんですけどねぇ(^_^;)
さてさて、いっちゃん、ユキちゃん先生の教えに従って、ドラッグストアへ寄り道してきたようです!
ここまでノリノリだと、いっそ清々しいですが、侑仁さんの反応はいかに…!?
コメントありがとうございました!
ありがとうございます(笑)
ユキちゃん、かなりがんばったんですけどねぇ(^_^;)
さてさて、いっちゃん、ユキちゃん先生の教えに従って、ドラッグストアへ寄り道してきたようです!
ここまでノリノリだと、いっそ清々しいですが、侑仁さんの反応はいかに…!?
コメントありがとうございました!
- |2012.11.28
- |Wed
- |23:20
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
お勉強したことは、即実践! のいっちゃんです。
教えどおりに、ちゃんとドラッグストアに寄り道してからの、侑仁さん宅ご訪問。分かりやすい行動ですね(^_^;)
> お二人の想いが通じ合ってからの行動は早いけれど、
> ラブラブへの道のりは、かなり珍道中?!
確かに!
まぁ、それもこれも、いっちゃんの突拍子もない性格のおかげ…(笑)
チラ見生活、楽しんでください~!
コメントありがとうございました!
教えどおりに、ちゃんとドラッグストアに寄り道してからの、侑仁さん宅ご訪問。分かりやすい行動ですね(^_^;)
> お二人の想いが通じ合ってからの行動は早いけれど、
> ラブラブへの道のりは、かなり珍道中?!
確かに!
まぁ、それもこれも、いっちゃんの突拍子もない性格のおかげ…(笑)
チラ見生活、楽しんでください~!
コメントありがとうございました!
- |2012.11.28
- |Wed
- |23:23
- |URL
- |EDIT|