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暴君王子のおっしゃることには! (208)
2012.11.25 Sun
「ユキちゃん、耳!」
「うぇ!? あ、はいっ」
一伽に耳を軽く引っ張られ、慌てて雪乃は意識を一伽のほうに向けた。
これ以上言うことを聞かないでいたら、もっと全力で耳を引っ張られるに違いないから。
「あのねユキちゃん。男同士ってさぁ、どうやんの? セックス」
「はぁっ!?」
一体何の内緒話をされるのだろうと、ドキドキしながら雪乃が耳を傾けていたら、一伽からは直球もいいところの問いが投げ掛けられて、思わず声を大きくした。
本当にまったく、こんなところでする話ではない。
「なっ何言ってんの、いっちゃん!」
「何って……え、聞こえなかった? だからー」
「じゃなくて! 聞こえてたけど!」
耳打ちする声が小さくて聞こえなかったのかと勘違いした一伽が、今度は普通に話そうとするから、雪乃は慌てて一伽を止めた。
こんな場所で、そんなことを話題にしているなんて、誰かに知られたら堪らない(もう2度と会わない人ならいいけれど、雪乃はここの店員だし、他に席にいるのは常連客だ)。
「何で急にそんなこと…!」
「侑仁としようとしたんだけど、俺らどっちも、何となくしかやり方分かんなくて、結局出来なかったんだよね。でもユキちゃんなら知ってるだろうなぁ、て思ったから、聞いとくね、て侑仁と約束したの」
アワアワしている雪乃をよそに、一伽は何とも冷静に、昨日までの状況を話してくれる。
それにしても、一伽の侑仁が想いを通じ合せたのは金曜日の夜に侑仁の家に行ったときで、一伽は土曜の夜に帰って来るまで侑仁と一緒にいたわけだが、それだけの間に、もうそこまで話が進んだの?
「つか、だからって、何で今…」
「ホントは昨日家で聞こうと思ったんだけど、忘れちゃってて。でもユキちゃん、今日仕事終わったら光宏んち行くでしょ? したらもう、今聞きに行くしかないかな、て思って」
「………………」
いや、確かに雪乃は今夜、仕事が終わったら、自分の家に帰らず、光宏の家に行くつもりでしたけれど。
そうすると、必然的に一伽には夜、家で会えませんけれども。
(だからって、何でお店にまで聞きに…!?)
そこまで差し迫った問題なのかと言いたくなるが、要は一伽も今夜は自宅でなく侑仁の家に行き、出来れば侑仁と致しちゃいたい、ということなのだろう。
そのためには、どうしても知識が必要で、それを授けてくれるのが雪乃しかいないということだ。
「………………いっちゃん……」
雪乃はドッと疲れが押し寄せてくるのを感じたが、これが一伽なのだと思えば、仕方ないとも思えてくるから不思議だ。
「で、どうすればいいの?」
雪乃の気持ちなど知る由もない一伽は、早く教えろと言わんばかりに、耳打ちが出来るように自分の耳に手を当て、雪乃の答えを待っている(一応、あまり大きな声でする話ではないことは分かっているらしい)。
雪乃は溜め息をつくと、仕方なく一伽の耳元に顔を近付け、教えてやった。
「うわっ、やっぱそうなんだ! おし…」
「シーッ!!」
「んんー」
せっかくコッソリ教えたのに、一伽が普通の声で『お尻』と言いそうになったので、雪乃は慌てて人差し指を口元に持って行き、静かにするようにジェスチャーすれば、一伽もすぐに気付いたのか、自分の口を両手で押さえた。
「やっぱお尻なんだ…」
一伽は口に手を当てたまま、うんと小さな声で、ボソリと漏らした。
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「うぇ!? あ、はいっ」
一伽に耳を軽く引っ張られ、慌てて雪乃は意識を一伽のほうに向けた。
これ以上言うことを聞かないでいたら、もっと全力で耳を引っ張られるに違いないから。
「あのねユキちゃん。男同士ってさぁ、どうやんの? セックス」
「はぁっ!?」
一体何の内緒話をされるのだろうと、ドキドキしながら雪乃が耳を傾けていたら、一伽からは直球もいいところの問いが投げ掛けられて、思わず声を大きくした。
本当にまったく、こんなところでする話ではない。
「なっ何言ってんの、いっちゃん!」
「何って……え、聞こえなかった? だからー」
「じゃなくて! 聞こえてたけど!」
耳打ちする声が小さくて聞こえなかったのかと勘違いした一伽が、今度は普通に話そうとするから、雪乃は慌てて一伽を止めた。
こんな場所で、そんなことを話題にしているなんて、誰かに知られたら堪らない(もう2度と会わない人ならいいけれど、雪乃はここの店員だし、他に席にいるのは常連客だ)。
「何で急にそんなこと…!」
「侑仁としようとしたんだけど、俺らどっちも、何となくしかやり方分かんなくて、結局出来なかったんだよね。でもユキちゃんなら知ってるだろうなぁ、て思ったから、聞いとくね、て侑仁と約束したの」
アワアワしている雪乃をよそに、一伽は何とも冷静に、昨日までの状況を話してくれる。
それにしても、一伽の侑仁が想いを通じ合せたのは金曜日の夜に侑仁の家に行ったときで、一伽は土曜の夜に帰って来るまで侑仁と一緒にいたわけだが、それだけの間に、もうそこまで話が進んだの?
「つか、だからって、何で今…」
「ホントは昨日家で聞こうと思ったんだけど、忘れちゃってて。でもユキちゃん、今日仕事終わったら光宏んち行くでしょ? したらもう、今聞きに行くしかないかな、て思って」
「………………」
いや、確かに雪乃は今夜、仕事が終わったら、自分の家に帰らず、光宏の家に行くつもりでしたけれど。
そうすると、必然的に一伽には夜、家で会えませんけれども。
(だからって、何でお店にまで聞きに…!?)
そこまで差し迫った問題なのかと言いたくなるが、要は一伽も今夜は自宅でなく侑仁の家に行き、出来れば侑仁と致しちゃいたい、ということなのだろう。
そのためには、どうしても知識が必要で、それを授けてくれるのが雪乃しかいないということだ。
「………………いっちゃん……」
雪乃はドッと疲れが押し寄せてくるのを感じたが、これが一伽なのだと思えば、仕方ないとも思えてくるから不思議だ。
「で、どうすればいいの?」
雪乃の気持ちなど知る由もない一伽は、早く教えろと言わんばかりに、耳打ちが出来るように自分の耳に手を当て、雪乃の答えを待っている(一応、あまり大きな声でする話ではないことは分かっているらしい)。
雪乃は溜め息をつくと、仕方なく一伽の耳元に顔を近付け、教えてやった。
「うわっ、やっぱそうなんだ! おし…」
「シーッ!!」
「んんー」
せっかくコッソリ教えたのに、一伽が普通の声で『お尻』と言いそうになったので、雪乃は慌てて人差し指を口元に持って行き、静かにするようにジェスチャーすれば、一伽もすぐに気付いたのか、自分の口を両手で押さえた。
「やっぱお尻なんだ…」
一伽は口に手を当てたまま、うんと小さな声で、ボソリと漏らした。
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けいったん ⇒
突拍子もなく 場所もわきまえず 思いついたら聞かずにはいられないのが いっちゃん
ユキちゃんは 骨身に沁みる程 よく知っているでしょうに(笑)
(⌒_⌒)ノ はーい先生、よく分かりました!オシ…
(*-□ 。□-*;) い・い・いぃ~、一伽くん!わ・わ・分かったなら 結構!!
この生徒は 出来が良いんだか悪いんだか~
ァハハ・・(´▽`;)oO(ワラットクカ)...byebye☆
ユキちゃんは 骨身に沁みる程 よく知っているでしょうに(笑)
(⌒_⌒)ノ はーい先生、よく分かりました!オシ…
(*-□ 。□-*;) い・い・いぃ~、一伽くん!わ・わ・分かったなら 結構!!
この生徒は 出来が良いんだか悪いんだか~
ァハハ・・(´▽`;)oO(ワラットクカ)...byebye☆
- |2012.11.25
- |Sun
- |10:07
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
わざわざこんなことを聞きに、お店まで来るいっちゃん。
たとえユキちゃんが今日お家に帰ってこないとしたって、今すぐに聞かなくたってねぇ…(笑)
しかも、思わず口走っちゃいそうになってるし…!
ユキちゃん、とんだ災難ですね(^_^;)
もう笑っとくしかありません~!
コメントありがとうございました!
たとえユキちゃんが今日お家に帰ってこないとしたって、今すぐに聞かなくたってねぇ…(笑)
しかも、思わず口走っちゃいそうになってるし…!
ユキちゃん、とんだ災難ですね(^_^;)
もう笑っとくしかありません~!
コメントありがとうございました!
- |2012.11.25
- |Sun
- |22:38
- |URL
- |EDIT|