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暴君王子のおっしゃることには! (203)
2012.11.20 Tue
一伽 と 雪乃
一伽が侑仁の家に来たのが金曜の夜で、その夜2人は晴れて恋人同士になり、一伽はそのまま侑仁の家に泊まったのだが、日曜日は一伽が仕事なので、夜になって一伽は大人しく家に帰ることにした。
侑仁の家にいる間に、一伽は『ゲイビとか見れば、やり方、分かんじゃね!?』と持ち掛けてみたが、100%萎えるのはお互いさまなので、結局それはやめておいた。
ただ、素直に大人しくしていられないのもお互いさまなので、年甲斐もなく何度となくイカせ合ってはしまったけれど。
コウモリ姿で飛んで行く一伽の下に見えるのは、華やかで賑やかな街だけれど、一伽はもう、それに心を惹かれたりはしない。かわいい女の子にも。
…それよりも、もっとすばらしいものを見つけたから。
(ユキちゃんが、応援してくれたから…)
一伽は、健気で一生懸命な親友の顔を思い出し、頬を緩ませた。
雪乃ががんばれと言ってくれて、一伽がその気になった途端、本当にうまくいった。
悔しいけれど、雪乃のおかげと言って過言ではない。雪乃があんなに言ってくれなかったら、一伽はとっくに諦めて終わっていたから。
「ユキちゃん…………て、あぁーーー!!!」
雪乃のことを思いながら飛んでいた一伽は、大変な事実に気が付いて、思わず声を上げた(実際はコウモリ姿なので、超音波のような音が出ただけだが)。
いろいろあったけれど、侑仁と想いを通じ合わせることが出来たのが嬉しくて、一伽は雪乃に連絡するのをすっかり忘れていた。
昨日は、仕事の後に直接侑仁の家に行ったうえに泊まったから、朝に雪乃と別れて、それきりだ。しかも、その昨日の朝といえば、泣きながら帰ってきて、散々泣き喚いた翌日だ。
「や…ヤバい…」
もう雪乃には心配を掛けまいと思っていたのに、その矢先にこのざまだ。
一伽は、嬉しくて浮かれていた気持ちが、サァー…と冷めていくのを感じた。
「ただいまー…」
「あ、お帰りいっちゃん」
「…何してんの、ユキちゃん」
人間の姿に戻った一伽は、そっとドアを開けて声を掛ければ、相変わらず拍子抜けするほどあっさりと、雪乃からの返事が返ってきた。
しかもまた、一伽が首を傾げたくなるようなことを、1人で黙々とやっている。
「明日、ハロウィン」
一伽の問いにそれだけ答えて、雪乃は再び作業に取り掛かった――――かぼちゃのくり貫きに。
どうやらハロウィンのために、ジャック・オ・ランタンを手作りしているらしい。
もう何年も一緒に暮らしているが、今までにこんな本格的なことしたことないのに、一体どういう風の吹き回しだろう。
「これもお店で出すの?」
一伽は雪乃のそばに寄っていって、その手元を覗き込んだ。
「お店にはもう飾ってあるの。いっぱい作ってね、何か楽しくなったから、家でも作ろうと思って」
「そうなの?」
店でたくさん作ったから、作るのはもうゴメンだと思うのではなく、雪乃の場合はその逆らしい。
それが雪乃らしいといえば雪乃らしいが。
「あ、つか、ユキちゃん、ゴメンね?」
「え?」
前と違って、一伽は照れることなく、素直に雪乃に謝った。
しかし雪乃はピンと来ていないのか、キョトンとした表情で顔を上げた。
「また、何も言わないでお家帰って来なかったから、昨日…」
「あぁ、うん。いっちゃん、侑仁さんちに行ってたんでしょ?」
「えっ!?」
「え、違うの?」
「違わないけど…」
一伽は雪乃には何も言っていないわけで、だからこそ今謝ったのに、どうして雪乃は、一伽がどこに行っていたか知っているのだ。
不思議に思う一伽に、雪乃は話を続けた。
back next
一伽が侑仁の家に来たのが金曜の夜で、その夜2人は晴れて恋人同士になり、一伽はそのまま侑仁の家に泊まったのだが、日曜日は一伽が仕事なので、夜になって一伽は大人しく家に帰ることにした。
侑仁の家にいる間に、一伽は『ゲイビとか見れば、やり方、分かんじゃね!?』と持ち掛けてみたが、100%萎えるのはお互いさまなので、結局それはやめておいた。
ただ、素直に大人しくしていられないのもお互いさまなので、年甲斐もなく何度となくイカせ合ってはしまったけれど。
コウモリ姿で飛んで行く一伽の下に見えるのは、華やかで賑やかな街だけれど、一伽はもう、それに心を惹かれたりはしない。かわいい女の子にも。
…それよりも、もっとすばらしいものを見つけたから。
(ユキちゃんが、応援してくれたから…)
一伽は、健気で一生懸命な親友の顔を思い出し、頬を緩ませた。
雪乃ががんばれと言ってくれて、一伽がその気になった途端、本当にうまくいった。
悔しいけれど、雪乃のおかげと言って過言ではない。雪乃があんなに言ってくれなかったら、一伽はとっくに諦めて終わっていたから。
「ユキちゃん…………て、あぁーーー!!!」
雪乃のことを思いながら飛んでいた一伽は、大変な事実に気が付いて、思わず声を上げた(実際はコウモリ姿なので、超音波のような音が出ただけだが)。
いろいろあったけれど、侑仁と想いを通じ合わせることが出来たのが嬉しくて、一伽は雪乃に連絡するのをすっかり忘れていた。
昨日は、仕事の後に直接侑仁の家に行ったうえに泊まったから、朝に雪乃と別れて、それきりだ。しかも、その昨日の朝といえば、泣きながら帰ってきて、散々泣き喚いた翌日だ。
「や…ヤバい…」
もう雪乃には心配を掛けまいと思っていたのに、その矢先にこのざまだ。
一伽は、嬉しくて浮かれていた気持ちが、サァー…と冷めていくのを感じた。
「ただいまー…」
「あ、お帰りいっちゃん」
「…何してんの、ユキちゃん」
人間の姿に戻った一伽は、そっとドアを開けて声を掛ければ、相変わらず拍子抜けするほどあっさりと、雪乃からの返事が返ってきた。
しかもまた、一伽が首を傾げたくなるようなことを、1人で黙々とやっている。
「明日、ハロウィン」
一伽の問いにそれだけ答えて、雪乃は再び作業に取り掛かった――――かぼちゃのくり貫きに。
どうやらハロウィンのために、ジャック・オ・ランタンを手作りしているらしい。
もう何年も一緒に暮らしているが、今までにこんな本格的なことしたことないのに、一体どういう風の吹き回しだろう。
「これもお店で出すの?」
一伽は雪乃のそばに寄っていって、その手元を覗き込んだ。
「お店にはもう飾ってあるの。いっぱい作ってね、何か楽しくなったから、家でも作ろうと思って」
「そうなの?」
店でたくさん作ったから、作るのはもうゴメンだと思うのではなく、雪乃の場合はその逆らしい。
それが雪乃らしいといえば雪乃らしいが。
「あ、つか、ユキちゃん、ゴメンね?」
「え?」
前と違って、一伽は照れることなく、素直に雪乃に謝った。
しかし雪乃はピンと来ていないのか、キョトンとした表情で顔を上げた。
「また、何も言わないでお家帰って来なかったから、昨日…」
「あぁ、うん。いっちゃん、侑仁さんちに行ってたんでしょ?」
「えっ!?」
「え、違うの?」
「違わないけど…」
一伽は雪乃には何も言っていないわけで、だからこそ今謝ったのに、どうして雪乃は、一伽がどこに行っていたか知っているのだ。
不思議に思う一伽に、雪乃は話を続けた。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒
お二人とも女性とのお付き合いには慣れていても、
お相手が男性となると…まだまだ未知の世界。
ギャーギャー言いながら二人は服を脱がせ合って…
ってトコロがツボでした。
なんだかこのお二人さんらしくってカワユイ~。(/ω・\)ヒャ~
ユキちゃん先生はお見通しかな?
イヤイヤ、ユキちゃん先生の事だから、
なにやら突拍子もない事言いだしそうだなぁ。
いっちゃんなら、野性の第六感とかが働けば、
どうにかなるんじゃないの~(どうにかなる、かな?)
先ずはユキちゃん先生のご指南いただきましょう…?
お相手が男性となると…まだまだ未知の世界。
ギャーギャー言いながら二人は服を脱がせ合って…
ってトコロがツボでした。
なんだかこのお二人さんらしくってカワユイ~。(/ω・\)ヒャ~
ユキちゃん先生はお見通しかな?
イヤイヤ、ユキちゃん先生の事だから、
なにやら突拍子もない事言いだしそうだなぁ。
いっちゃんなら、野性の第六感とかが働けば、
どうにかなるんじゃないの~(どうにかなる、かな?)
先ずはユキちゃん先生のご指南いただきましょう…?
- |2012.11.20
- |Tue
- |08:21
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
2人とも……特にいっちゃんは、気持ちいいこと大好きですからね~。
やりたいことはやりたいんですっ! (爆)
> ギャーギャー言いながら二人は服を脱がせ合って…
> ってトコロがツボでした。
> なんだかこのお二人さんらしくってカワユイ~。(/ω・\)ヒャ~
カワユイとか言ってもらえて、嬉しいです~。
エロなのに、全然エロくないマジックを発動させてしまったので、大丈夫かな、と心配してたんで(^_^;)
ユキちゃん先生は、ハロウィン準備に余念がないですが(笑)、しっかりご指南していただきましょう!!
コメントありがとうございました!
やりたいことはやりたいんですっ! (爆)
> ギャーギャー言いながら二人は服を脱がせ合って…
> ってトコロがツボでした。
> なんだかこのお二人さんらしくってカワユイ~。(/ω・\)ヒャ~
カワユイとか言ってもらえて、嬉しいです~。
エロなのに、全然エロくないマジックを発動させてしまったので、大丈夫かな、と心配してたんで(^_^;)
ユキちゃん先生は、ハロウィン準備に余念がないですが(笑)、しっかりご指南していただきましょう!!
コメントありがとうございました!
- |2012.11.20
- |Tue
- |22:39
- |URL
- |EDIT|