恋三昧

【18禁】 BL小説取り扱い中。苦手なかた、「BL」という言葉に聞き覚えのないかた、18歳未満のかたはご遠慮ください。

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暴君王子のおっしゃることには! (198)


「落ち着きましたか、一伽さん」
「…はい」

 ちょっとのことで、すぐに許容量がいっぱいになってしまう自分を情けなく思いつつ、一伽は侑仁の胸に体を預けつつ、顔を上げた。
 さっきは少しだけだが、いつもと違って、ふて腐れたようになった侑仁に、かわいいな、なんて思ったけれど、全体的に見れば、どう考えても一伽のほうがお子ちゃまだ。
 悔しいけれど、なかなか侑仁のように、余裕を持ったところを見せられない。

「はぅ~…ん、ゃ…侑仁、ぅん…」

 一伽が密かに拗ねていたら、侑仁にキスされた。何となく、『ゃ』と口を突いて出たけれど、本当に嫌なわけではないから、一伽は積極的に侑仁のキスに応える。
 一伽は、自分のキスやセックスのテクニックについて考えたことはないし、そういうことをひけらかすバカな男でもないけれど、経験だけは豊富なので、相手がうまいかどうかなら、すぐに分かる。
 うまいかどうか……というか、自分にとって気持ちいいかどうかだけど。だって、いくらテクがあっても、そうでないと気持ちよくなれないと思う。
 そういう意味では、侑仁はすごくうまいと思う。

(あーヤベェ、気持ちいー…)

 別に一伽は、昼間はSでもベッドの上ではMだとかそんな属性はないし、女の子とのセックスもわりとガンガン攻めていくタイプなんだけれど、だからこそなのか、時おり相手にグイグイ来られると、ちょっと興奮する。
 それはやはりMということなのかもしれない…と、一伽は頭の片隅で思ったが、気が付かなかったことにした。

 それよりも。

「あのさ、侑仁…」
「ん?」

 侑仁の胸を押してキスを中断させた一伽が、言い出しにくそうに口を開いた。

 今まで一伽は、こんなに相手に夢中になる恋愛をしたことはないが、付き合った相手はそれなりにいるし、ましてや体の関係なら良くも悪くも経験豊富で、しかも大好きだ。
 だから、仕方ないと言えば仕方ないのだ。こんなふうに気持ちいいキスをしていたわけだし。
 それは一伽だけに限ったことではなく、若い肉体に健全な……いや、不健全な精神を宿した男なら当然のことだと、一伽は信じて疑わない。

 そう。
 だから一伽は、何も悪くない。

「勃っちゃった。てへ☆」

 これだけ密着していたら、ちょっとごまかし切れないな、と思って、一伽は早々に白状した。
 大体一伽は昔から自分の欲求を我慢したことはなく、いつでも忠実にそれに従って生きて来たのだから、仕方がない。

「いや、何かわい子ぶってんだ」

 わざとかわいい系のキャラを作って言ってみたら、侑仁に呆れた顔をされた。
 一伽的には、自分があまりにも即物的だったかなぁ、と思ったので、ちょっと場を和ませようと、やってみただけなんですけれどね。

「つか、侑仁のせいじゃん。キスしてくっから」
「キスくらいで勃たせんな。中学生かっ」
「そうだよ!」
「違ぇだろ!」

 もちろん一伽はもう24歳で、思春期でも何でもない、いい大人なんだけれど、殊に性欲に関しては、思春期の男子とさほど変わらないじゃないかと思う。
 もしかしたら吸血鬼は、普通の人間より性欲が強いのではないかと考えたこともあったが、雪乃を見ているとそれほどでもないから、やはり一伽個人の問題だろう。

「や、俺だって、普通ならキスくらいで勃たねぇけど、だって侑仁のキス、気持ちよかったんだもん」

 侑仁が穿いているのがジーンズだから、一見すると侑仁の様子は分からないけれど、もし侑仁が一伽ほど盛り上がっていないなら、仕方がない、今はトイレを借りて、右手を第2の恋人にするしかない。
 それか、一伽が侑仁のを勃たせる…?



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けいったん ⇒

「てへ☆」って(o^^o)ふふっ♪

この場面って 通常なら エロな雰囲気ダダ漏れで 読者は(*゚∀゚)=3ハァハァな状態になる!
…はずなのに… 
あれ?(o゚ェ゚o)b ちっとも ならない~~(笑)

これが、いっちゃんだもんねー

侑仁、気持ちも体も萎えずに p(*・ω・*)qガンバ...byebye☆

  • |2012.11.15
  • |Thu
  • |09:59
  • |URL
  • EDIT

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如月久美子 ⇒ >けいったんさん

 エロなのにエロくない! ていうね(笑)
 それがいっちゃんですよ!!

 でも、エッチなことは大好き、ていう…。
 侑仁さん、どこまで我慢できるでしょうか(笑)

 コメントありがとうございました!

  • |2012.11.15
  • |Thu
  • |22:32
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