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暴君王子のおっしゃることには! (196)
2012.11.13 Tue
航平をはじめ、周囲があれほど気付いていたにもかかわらず、自分は自覚していなかったという事実が、侑仁としてはどうやら不本意らしく、あまり触れられたくないようだ。
ちょっとふて腐れたみたいになっている侑仁が、何だかかわいい。
でも、一伽のほうが侑仁より先に自分の気持ちに気付いたとはいえ、周りからしたら多分どっちもどっちのレベルだろうから、そんなふうに思うこともないのに。
「俺は、ね、侑仁がリコちゃんに告られた、て知ったとき。侑仁、リコちゃんと付き合うんだ、て思ったら、すごい悲しくなって、そんで俺、侑仁のこと好きなんだな、て分かった」
もしかしたら侑仁は、こんなこと興味ないのかもしれないけれど、一伽は何となく、自分のときのことを話した。
結局は一伽たちの勘違いだったが、あのときは、リコが告白したことをわざわざメールして来るくらいだから、侑仁はオッケーしたのだという話になって、一伽は大変なショックを受けたのだ。
その後すぐに、侑仁はリコの告白を断ったと知ったが、侑仁は男が好きなわけではないし、一伽のことは友だちとしか思っていないのだからと、一伽は自覚したばかりの恋心を諦めようとした。
再びがんばろうと決意したのは、つい一昨日の夜のことだ。
「そういや、海晴がお前のこと連れて来たの、そんときだよな? それが酔い潰れた原因?」
「…うっせぇ」
余計なことまで思い出されて、一伽は頬を膨らませた。
自惚れるなと言ってやりたいけれど、まぁそれが事実みたいなものだから、あまり強くは突っ込めない。
「図星か。じゃあ、あの後の、ちゃんとしよう月間みたいなのも?」
「うるさいってば!」
一伽は侑仁の胸をバシンと叩いた。
あのころ一伽は侑仁に嫌われたくなくて、一生懸命ちゃんとしようとしていたのだ。
理由はどうあれ、ちゃんとすることは別に悪いことではないのだが、素直でない一伽は、そのことを言われると恥ずかしくて仕方がないから、やめてほしい。
「それより侑仁の話! 俺がこんだけ言ったんだから、侑仁も話して!」
「…お前が勝手に喋ったくせに」
「うるさい。…………。つか、言えないんだ? ふぅん? それって結局、本当は俺のこと好きになんかなってないから、いつからとか言えないってことだよね」
「ちょっ違っ」
「侑仁の気持ちはよぉ~く分かりました。離して」
一伽は『ものすごく機嫌を損ねた』という表情を作って、侑仁の胸を押し、その腕から逃れようとする。
しかし侑仁は離してくれなかった。
「ちょっ一伽! 言う、言うってば! いや、お前の話聞いたらますます、ホント俺、全然最近まで気付いてなかったんだ、て分かって、何か情けなくなっちゃって…」
「………………」
再び一伽を抱き寄せた侑仁は、本当に自分のことを情けなく思っているのか、溜め息をついて肩を落とした。
そんな侑仁の話を、一伽は俯いて聞いていたんだけれど。
「…ぶはっ!」
我慢できずに、一伽は吹き出した――――怒りではなく、もちろん笑いを。
頭上で、「は?」と侑仁の声がする。
けれど一伽は笑いが止まらなくなってしまい、肩を震わせていたら、とうとう侑仁に笑っていることを気付かれてしまった。
「ぶふふ、侑仁、超焦ってる!」
「おまっ…」
「さっきのお返しだよー」
先ほど、一伽の本心を引き出すために侑仁が心にもない演技をした仕返しに、一伽も怒っているふりをしただけだ。
まさか侑仁がこんなにあっさりと引っ掛かるなんて思っていなかったが、それは侑仁自身も同じことだったようで、「ベー」と舌を出す一伽に、口をパクパクさせている。
「ちゃんと言わない侑仁が悪いんだもん。…それとも、ホントに言えないの?」
「違ぇってば!」
「じゃあ?」
「だからー、だってお前、昨日電話くれるまで、全然連絡寄越さなかったじゃん! それまでやたら押し掛けて来てたくせに」
とうとう観念したのか、侑仁は頭を掻きながら、話を始めてくれた。
back next
ちょっとふて腐れたみたいになっている侑仁が、何だかかわいい。
でも、一伽のほうが侑仁より先に自分の気持ちに気付いたとはいえ、周りからしたら多分どっちもどっちのレベルだろうから、そんなふうに思うこともないのに。
「俺は、ね、侑仁がリコちゃんに告られた、て知ったとき。侑仁、リコちゃんと付き合うんだ、て思ったら、すごい悲しくなって、そんで俺、侑仁のこと好きなんだな、て分かった」
もしかしたら侑仁は、こんなこと興味ないのかもしれないけれど、一伽は何となく、自分のときのことを話した。
結局は一伽たちの勘違いだったが、あのときは、リコが告白したことをわざわざメールして来るくらいだから、侑仁はオッケーしたのだという話になって、一伽は大変なショックを受けたのだ。
その後すぐに、侑仁はリコの告白を断ったと知ったが、侑仁は男が好きなわけではないし、一伽のことは友だちとしか思っていないのだからと、一伽は自覚したばかりの恋心を諦めようとした。
再びがんばろうと決意したのは、つい一昨日の夜のことだ。
「そういや、海晴がお前のこと連れて来たの、そんときだよな? それが酔い潰れた原因?」
「…うっせぇ」
余計なことまで思い出されて、一伽は頬を膨らませた。
自惚れるなと言ってやりたいけれど、まぁそれが事実みたいなものだから、あまり強くは突っ込めない。
「図星か。じゃあ、あの後の、ちゃんとしよう月間みたいなのも?」
「うるさいってば!」
一伽は侑仁の胸をバシンと叩いた。
あのころ一伽は侑仁に嫌われたくなくて、一生懸命ちゃんとしようとしていたのだ。
理由はどうあれ、ちゃんとすることは別に悪いことではないのだが、素直でない一伽は、そのことを言われると恥ずかしくて仕方がないから、やめてほしい。
「それより侑仁の話! 俺がこんだけ言ったんだから、侑仁も話して!」
「…お前が勝手に喋ったくせに」
「うるさい。…………。つか、言えないんだ? ふぅん? それって結局、本当は俺のこと好きになんかなってないから、いつからとか言えないってことだよね」
「ちょっ違っ」
「侑仁の気持ちはよぉ~く分かりました。離して」
一伽は『ものすごく機嫌を損ねた』という表情を作って、侑仁の胸を押し、その腕から逃れようとする。
しかし侑仁は離してくれなかった。
「ちょっ一伽! 言う、言うってば! いや、お前の話聞いたらますます、ホント俺、全然最近まで気付いてなかったんだ、て分かって、何か情けなくなっちゃって…」
「………………」
再び一伽を抱き寄せた侑仁は、本当に自分のことを情けなく思っているのか、溜め息をついて肩を落とした。
そんな侑仁の話を、一伽は俯いて聞いていたんだけれど。
「…ぶはっ!」
我慢できずに、一伽は吹き出した――――怒りではなく、もちろん笑いを。
頭上で、「は?」と侑仁の声がする。
けれど一伽は笑いが止まらなくなってしまい、肩を震わせていたら、とうとう侑仁に笑っていることを気付かれてしまった。
「ぶふふ、侑仁、超焦ってる!」
「おまっ…」
「さっきのお返しだよー」
先ほど、一伽の本心を引き出すために侑仁が心にもない演技をした仕返しに、一伽も怒っているふりをしただけだ。
まさか侑仁がこんなにあっさりと引っ掛かるなんて思っていなかったが、それは侑仁自身も同じことだったようで、「ベー」と舌を出す一伽に、口をパクパクさせている。
「ちゃんと言わない侑仁が悪いんだもん。…それとも、ホントに言えないの?」
「違ぇってば!」
「じゃあ?」
「だからー、だってお前、昨日電話くれるまで、全然連絡寄越さなかったじゃん! それまでやたら押し掛けて来てたくせに」
とうとう観念したのか、侑仁は頭を掻きながら、話を始めてくれた。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
(ノ_ _)ノ押して~(ノ_ _)ノ押して~・・・引く~ε=ε=(^д^ノ)ノ
って 王道ですが、
やはり王道だけあって 効果はバッチリ!
あれだけ 唯我独尊だったのが 「ちゃんとしよう!」だし、
あれだけ 強引だったのが、「気配りします!」だし、
あれだけ 頻繁に会ってたのが、急に ”無しの礫(つぶて)”状態
だし、
そりゃぁ 気になるよね~v(`ゝω・´)キャピィ☆
ある程度 親しくなったら この手を遣うこと…
( ..)φメモメモ...byebye☆
って 王道ですが、
やはり王道だけあって 効果はバッチリ!
あれだけ 唯我独尊だったのが 「ちゃんとしよう!」だし、
あれだけ 強引だったのが、「気配りします!」だし、
あれだけ 頻繁に会ってたのが、急に ”無しの礫(つぶて)”状態
だし、
そりゃぁ 気になるよね~v(`ゝω・´)キャピィ☆
ある程度 親しくなったら この手を遣うこと…
( ..)φメモメモ...byebye☆
- |2012.11.13
- |Tue
- |10:25
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
侑仁さん、何だかんだで単純な男だったのかも…(笑)
いっちゃんは、まさか自分の行動が、こんなにも効果てきめんだったとは、思いも寄らなかったでしょうが…(^_^;)
> ある程度 親しくなったら この手を遣うこと…
> ( ..)φメモメモ...byebye☆
きゃ~、しっかりメモされてる~!!
でもやっぱり、「押してダメなら引いてみる」法が一番なのかもです~!
コメントありがとうございました!
いっちゃんは、まさか自分の行動が、こんなにも効果てきめんだったとは、思いも寄らなかったでしょうが…(^_^;)
> ある程度 親しくなったら この手を遣うこと…
> ( ..)φメモメモ...byebye☆
きゃ~、しっかりメモされてる~!!
でもやっぱり、「押してダメなら引いてみる」法が一番なのかもです~!
コメントありがとうございました!
- |2012.11.13
- |Tue
- |21:46
- |URL
- |EDIT|
もえち ⇒
ふふふ一伽のそんな小悪魔なところもかわいいです!
ほんとにやにやしちゃうっ
一日のエネルギーをありがとうございますε=ε=ε=ε=(ノ*´Д`)ノ
ほんとにやにやしちゃうっ
一日のエネルギーをありがとうございますε=ε=ε=ε=(ノ*´Д`)ノ
- |2012.11.13
- |Tue
- |22:37
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >もえちさん
やっぱりいっちゃん、やられっ放しじゃありませんっ。
まぁきっと侑仁さんも、そんなところが好きなんでしょうけど…(笑)
もえちさんに、いっちゃんパワーが届けば嬉しいです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
まぁきっと侑仁さんも、そんなところが好きなんでしょうけど…(笑)
もえちさんに、いっちゃんパワーが届けば嬉しいです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
- |2012.11.14
- |Wed
- |22:56
- |URL
- |EDIT|