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暴君王子のおっしゃることには! (195)
2012.11.12 Mon
しかし幸いにも、今度は後ろに引っ繰り返る前に、侑仁に腕を掴まれて身体を戻された……まではよかったのだが、勢いで逆に侑仁の胸に顔をぶつけてしまった。
おかげで意識ははっきりしたけれど、ぶつけた鼻が痛い…。
「バカか、お前は」
「はぅ~…」
短い間に喜怒哀楽すべての感情を使った一伽は、もう抵抗する気力も体力もなくて、そのまま侑仁の胸に体を預けた。
こんな一伽なのに。
バタバタで、めちゃくちゃで、グチャグチャなのに、侑仁はそれでも一伽のことを突き放したりしない。
普通なら、一伽が信じなかったのをいいことに、好きだと思っていたのはやっぱり勘違いだったからナシにしたい、と言い出しても不思議ではないのに。
「侑仁、それでも、俺のこと好きなの…?」
「何回言わせんだよ、好きだよ」
本当、どれだけ疑えば気が済むんだ、それなのに侑仁は呆れることなく、好きだと言ってくれる。
そんな侑仁に、もう胸がいっぱいになり過ぎて、感情が高ぶって、堪えようと思っていたのに、グニャリと視界が歪んだ。
「一伽は? もう言わないの?」
「…………うぅ~~~~……、、、、好きっ…」
言葉にしたら、それと一緒に、後から後から涙が溢れて来てしまった。
けれど、今さら子どものように泣き出した一伽を、面倒がることなく、侑仁は抱き締めていてくれる。一伽は泣きながら、今までずっと言えなかった『好き』を繰り返した。
どうしてだろう、俺、こんなに泣き虫じゃなかったのに。大人になってから泣いたことなんて、本当に全然なかったのに、昨日から一伽は泣きっ放しだ。
侑仁を前にすると、侑仁の腕の中にいると、やはりいつもの自分ではいられなくなるみたいだ。
「うわぁーんっ!」
「一伽、もう泣くなよ。目腫れんぞ?」
「ヤダぁ~!」
侑仁に、優しく頭を撫でられながらそう言われて、泣き止みたいとは思うけれど、全然涙が止まらない。
目が腫れるのも嫌だし、悲しいわけじゃないのに泣いているのも嫌だし、なのに後から後から涙が溢れてくる。…そっか、悲しいんじゃなくても、涙は出るんだ。
「泣き止めって」
「ぅ、ん…」
侑仁がティシューを何枚か引き抜いて、一伽の頬を拭ってくれる。
泣き過ぎたせいで鼻水も出て来てしまって、一伽が鼻を啜っていたら、ご丁寧に鼻にもティシューを持って来てくれたから、遠慮せずにそのまま鼻をかんだ。
「ったく…」
しょうがねぇなぁ、と言いつつも、侑仁は呆れたふうもなく、まだしゃくり上げている一伽を、子どもにそうするみたいに抱き直して、あやすように揺さぶる。
一伽はようやく少し落ち着いて、鼻をグズグズさせながらも、侑仁の胸に寄り掛かった。
「…侑仁は、いつから、俺のこと、好きだった、の?」
侑仁にあやされながら、一伽は侑仁に尋ねた。
好きだという気持ちは聞いたけれど、いつからなんて教えてもらっていないし(むしろ、そんなことない、と言ったことは、航平を通じてだが、はっきりと聞いた…)、もう侑仁の気持ちを疑ってはいないけれど、やっぱり聞いておきたい。
でも、まだ鼻水が垂れてきたり、時おり噎せたりするから、うまく言葉が紡げないし、何だかこんなことを聞くのは恥ずかしくて、一伽は顔を上げられない。
「侑仁、答えてよ、…ん、ごまかすな」
侑仁が、一伽の頭を撫でたり髪を弄ったり、甘やかすようなことばかりするから、つい睡魔に負けそうになって、一伽はプルプルと頭を振って、侑仁の胸を押し返して顔を上げた。
そうしたら、ちゅ、とキスされて、嬉しいんだけれど、そんなのでごまかされない。
「だって、航平くんに聞かれたとき、違う、てゆったんで、しょ?」
「…だからー、あんときはマジでまだ気付いてなかったんだって!」
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おかげで意識ははっきりしたけれど、ぶつけた鼻が痛い…。
「バカか、お前は」
「はぅ~…」
短い間に喜怒哀楽すべての感情を使った一伽は、もう抵抗する気力も体力もなくて、そのまま侑仁の胸に体を預けた。
こんな一伽なのに。
バタバタで、めちゃくちゃで、グチャグチャなのに、侑仁はそれでも一伽のことを突き放したりしない。
普通なら、一伽が信じなかったのをいいことに、好きだと思っていたのはやっぱり勘違いだったからナシにしたい、と言い出しても不思議ではないのに。
「侑仁、それでも、俺のこと好きなの…?」
「何回言わせんだよ、好きだよ」
本当、どれだけ疑えば気が済むんだ、それなのに侑仁は呆れることなく、好きだと言ってくれる。
そんな侑仁に、もう胸がいっぱいになり過ぎて、感情が高ぶって、堪えようと思っていたのに、グニャリと視界が歪んだ。
「一伽は? もう言わないの?」
「…………うぅ~~~~……、、、、好きっ…」
言葉にしたら、それと一緒に、後から後から涙が溢れて来てしまった。
けれど、今さら子どものように泣き出した一伽を、面倒がることなく、侑仁は抱き締めていてくれる。一伽は泣きながら、今までずっと言えなかった『好き』を繰り返した。
どうしてだろう、俺、こんなに泣き虫じゃなかったのに。大人になってから泣いたことなんて、本当に全然なかったのに、昨日から一伽は泣きっ放しだ。
侑仁を前にすると、侑仁の腕の中にいると、やはりいつもの自分ではいられなくなるみたいだ。
「うわぁーんっ!」
「一伽、もう泣くなよ。目腫れんぞ?」
「ヤダぁ~!」
侑仁に、優しく頭を撫でられながらそう言われて、泣き止みたいとは思うけれど、全然涙が止まらない。
目が腫れるのも嫌だし、悲しいわけじゃないのに泣いているのも嫌だし、なのに後から後から涙が溢れてくる。…そっか、悲しいんじゃなくても、涙は出るんだ。
「泣き止めって」
「ぅ、ん…」
侑仁がティシューを何枚か引き抜いて、一伽の頬を拭ってくれる。
泣き過ぎたせいで鼻水も出て来てしまって、一伽が鼻を啜っていたら、ご丁寧に鼻にもティシューを持って来てくれたから、遠慮せずにそのまま鼻をかんだ。
「ったく…」
しょうがねぇなぁ、と言いつつも、侑仁は呆れたふうもなく、まだしゃくり上げている一伽を、子どもにそうするみたいに抱き直して、あやすように揺さぶる。
一伽はようやく少し落ち着いて、鼻をグズグズさせながらも、侑仁の胸に寄り掛かった。
「…侑仁は、いつから、俺のこと、好きだった、の?」
侑仁にあやされながら、一伽は侑仁に尋ねた。
好きだという気持ちは聞いたけれど、いつからなんて教えてもらっていないし(むしろ、そんなことない、と言ったことは、航平を通じてだが、はっきりと聞いた…)、もう侑仁の気持ちを疑ってはいないけれど、やっぱり聞いておきたい。
でも、まだ鼻水が垂れてきたり、時おり噎せたりするから、うまく言葉が紡げないし、何だかこんなことを聞くのは恥ずかしくて、一伽は顔を上げられない。
「侑仁、答えてよ、…ん、ごまかすな」
侑仁が、一伽の頭を撫でたり髪を弄ったり、甘やかすようなことばかりするから、つい睡魔に負けそうになって、一伽はプルプルと頭を振って、侑仁の胸を押し返して顔を上げた。
そうしたら、ちゅ、とキスされて、嬉しいんだけれど、そんなのでごまかされない。
「だって、航平くんに聞かれたとき、違う、てゆったんで、しょ?」
「…だからー、あんときはマジでまだ気付いてなかったんだって!」
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
泣きすぎて
鼻水ズビッズズゥの赤いお鼻のトナカイさんでも
ショボショボで目が出目金さんでも どんな姿を見せても
いっちゃんだから 侑仁にとっては 可愛いんだよね(○ゝз・)b⌒☆
人って…あっ吸血鬼だった!(笑)
悲しい時だけじゃなく 嬉しい時も 泣いちゃうんだよ~
相思相愛~おめでとう♡
゚+ラビュ★☆(*≧з)(ε≦*)☆★ラビュ+゚...byebye☆
鼻水ズビッズズゥの赤いお鼻のトナカイさんでも
ショボショボで目が出目金さんでも どんな姿を見せても
いっちゃんだから 侑仁にとっては 可愛いんだよね(○ゝз・)b⌒☆
人って…あっ吸血鬼だった!(笑)
悲しい時だけじゃなく 嬉しい時も 泣いちゃうんだよ~
相思相愛~おめでとう♡
゚+ラビュ★☆(*≧з)(ε≦*)☆★ラビュ+゚...byebye☆
- |2012.11.12
- |Mon
- |10:10
- |URL
- |EDIT|
ちよ ⇒
想いが通じ合って、蟠りもほぼ(?)解消されたようだけど…
侑仁くんの、いっちゃんへの想いを自覚したのはいつ頃なのか、
世のお母さん達は知りたいと思っております。
侑仁くん、大きな声で発表しちゃってくださいませ!!
わっしょい~!*:*・°ヽ(´∀`)ノ°・*:.ゆっちゃえ、ゆっちゃえ~!?
侑仁くんの、いっちゃんへの想いを自覚したのはいつ頃なのか、
世のお母さん達は知りたいと思っております。
侑仁くん、大きな声で発表しちゃってくださいませ!!
わっしょい~!*:*・°ヽ(´∀`)ノ°・*:.ゆっちゃえ、ゆっちゃえ~!?
- |2012.11.12
- |Mon
- |18:36
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
いっちゃん自身も、こんな姿見せたら格好悪いとか、あんまりそういうことを気にしないんだと思います。
そういうところは素直というか、ありのままを見せられる子です。
でも侑仁さんも、そんないっちゃんがかわいいんでしょうけど~(^o^)
ようやく相思相愛。
意地の張り合いもおしまいです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
そういうところは素直というか、ありのままを見せられる子です。
でも侑仁さんも、そんないっちゃんがかわいいんでしょうけど~(^o^)
ようやく相思相愛。
意地の張り合いもおしまいです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
- |2012.11.12
- |Mon
- |21:15
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
みんなの謎。
侑仁さんが、一体いついっちゃんへの恋心に気が付いたのか。
ホント侑仁さん、みんなに鈍感と言われちゃうくらい、全然そんな素振りを見せてなかったですからね~。
ここで、はっきりと言ってもらわないとですよねっ!!
> わっしょい~!*:*・°ヽ(´∀`)ノ°・*:.ゆっちゃえ、ゆっちゃえ~!?
何かこんなに盛り上げられたら、どんなに隠そうと思ってても、つい口を滑らせちゃいそう!
コメントありがとうございました!
侑仁さんが、一体いついっちゃんへの恋心に気が付いたのか。
ホント侑仁さん、みんなに鈍感と言われちゃうくらい、全然そんな素振りを見せてなかったですからね~。
ここで、はっきりと言ってもらわないとですよねっ!!
> わっしょい~!*:*・°ヽ(´∀`)ノ°・*:.ゆっちゃえ、ゆっちゃえ~!?
何かこんなに盛り上げられたら、どんなに隠そうと思ってても、つい口を滑らせちゃいそう!
コメントありがとうございました!
- |2012.11.12
- |Mon
- |21:17
- |URL
- |EDIT|
凪 ⇒
侑仁、ちゅっ・・・したぁ(////)
いっちゃん、よかったねぇ♪
気持は口にださなきゃ、やっぱり伝わんないぃ。
でへへっていっちゃん達がデレデレに
なるのを楽しみにしてまーす☆
いっちゃん、よかったねぇ♪
気持は口にださなきゃ、やっぱり伝わんないぃ。
でへへっていっちゃん達がデレデレに
なるのを楽しみにしてまーす☆
- |2012.11.13
- |Tue
- |00:28
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >凪さん
ようやく気持ちが通じ合ってのキスが出来ました(*^_^*)
凪さんの仰るとおり、口に出さなければ、気持ちなんて通じないですよね。
2人ともが鈍感すぎて、ずっと擦れ違い気味でしたが、ようやくデレ期に突入できそうです!
いっちゃんも、いつもらしく元気な姿を、早くお見せしたいです!
コメントありがとうございました!
凪さんの仰るとおり、口に出さなければ、気持ちなんて通じないですよね。
2人ともが鈍感すぎて、ずっと擦れ違い気味でしたが、ようやくデレ期に突入できそうです!
いっちゃんも、いつもらしく元気な姿を、早くお見せしたいです!
コメントありがとうございました!
- |2012.11.13
- |Tue
- |21:41
- |URL
- |EDIT|