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暴君王子のおっしゃることには! (194)
2012.11.11 Sun
「誰がバカだって?」
…聞こえてるんじゃん。しかも余計な部分に反応しやがって。
気まずく思いながら一伽が顔を上げたら、首を捻って振り返っていた侑仁と目が合った。呆れているのか、怒っているのか……表情からは読み取れない。
分かったよ、離れればいいんだろ、て一伽が唇を尖らせ、侑仁の背中から離れようとしたら、侑仁がフッ…と笑った。
「つかお前、やっと言ったな」
「は? え?」
侑仁はそう言って一伽の手を離すと、体ごと一伽のほうを向き直った。
あ、あれ…? 怒ってるんじゃないの? と一伽が呆然としていると、侑仁がふにっと一伽の頬をつまんだ。本当に何!?
「好き、て言っただろ?」
「えっ………………あっ、侑仁っ! なっ、あれはっ…」
そこで一伽はようやく侑仁の思惑に気が付いて、慌てて侑仁の手を振り払うと、逃げるように後退ろうとしたが、一瞬出遅れて、侑仁の腕に掴まってしまった。
「ちょっ侑仁、離し…」
「ヤーダ。やっとお前の気持ち、聞けたんだし」
「ゆってないゆってないゆってない、侑仁のこと好きとかゆってないっ! あっ…あわわわわっ…」
先ほどまでの侑仁の態度が、一伽に本心を言わせるための演技だと知った一伽は、侑仁に向かって言ってしまった言葉を思い出し、取り消そうとしたけれど、動転しすぎて全然うまくいかない。
これでは却って、あれが本心だったと肯定しているようなものだ。
「とっとにかく離し、侑仁、離してっ」
「何でだよ」
「分か、分かんないっ」
どうしてかは分からないけれど、侑仁に抱き締められると、一伽は一伽でいられなくなるのだ。
さっきまで、これでもう2度と侑仁に触れられなくなるのだと思って、悲しくなっていたのだから、またこうして侑仁の腕の中に戻って来れたのは嬉しいはずなのに。
「いーちか」
「、ン、ッ…」
侑仁の腕の中、どうすることも出来ずに大人しく収まっている一伽に、侑仁がコツンとおでこを寄せた。
もう本当に顔が熱い。耳も熱い。絶対に真っ赤だ。
「目、開けろよ」
「ヤッ…」
侑仁に言われるまで気付かなかったが、いつの間にか一伽はギュッと目を瞑っていたらしい。
でもそう言われたって、絶対に開けたくない。
だって、侑仁の顔がすごく近いところにあるわけで、目なんか開けたらバッチリ合っちゃうわけで、そんなことになったら、恥ずかしすぎて堪らない。
「開けなきゃ、このままキスすんぞ?」
「ヤッ、うわっ」
キスも困る! と思って反射的に目を開けたら、案の定、しっかり侑仁と目が合って、一伽は慌てて目を閉じ直した。
そうしたら、「どっちだよ」と侑仁の笑う気配がして、顔が離れていく。
「侑仁…?」
一伽は恐る恐る目を開けた。
また一伽がこんな調子だから、侑仁は今度こそ呆れてしまったとか…? そんな不安が一瞬よぎったけれど、目の前の侑仁は、優しく笑ったままだった。
逃げるなら今か? いや、逃げてどうする? どうなるっ?
「どうなるのっ!?」
「は?」
「どうなぅ…の…………に゛~…」
「ちょっ」
本日何度目か、キャパオーバーになった一伽の頭は、本人の意思に反して考えることを放棄したらしく、また目の前がグルグルしてくる。
back next
…聞こえてるんじゃん。しかも余計な部分に反応しやがって。
気まずく思いながら一伽が顔を上げたら、首を捻って振り返っていた侑仁と目が合った。呆れているのか、怒っているのか……表情からは読み取れない。
分かったよ、離れればいいんだろ、て一伽が唇を尖らせ、侑仁の背中から離れようとしたら、侑仁がフッ…と笑った。
「つかお前、やっと言ったな」
「は? え?」
侑仁はそう言って一伽の手を離すと、体ごと一伽のほうを向き直った。
あ、あれ…? 怒ってるんじゃないの? と一伽が呆然としていると、侑仁がふにっと一伽の頬をつまんだ。本当に何!?
「好き、て言っただろ?」
「えっ………………あっ、侑仁っ! なっ、あれはっ…」
そこで一伽はようやく侑仁の思惑に気が付いて、慌てて侑仁の手を振り払うと、逃げるように後退ろうとしたが、一瞬出遅れて、侑仁の腕に掴まってしまった。
「ちょっ侑仁、離し…」
「ヤーダ。やっとお前の気持ち、聞けたんだし」
「ゆってないゆってないゆってない、侑仁のこと好きとかゆってないっ! あっ…あわわわわっ…」
先ほどまでの侑仁の態度が、一伽に本心を言わせるための演技だと知った一伽は、侑仁に向かって言ってしまった言葉を思い出し、取り消そうとしたけれど、動転しすぎて全然うまくいかない。
これでは却って、あれが本心だったと肯定しているようなものだ。
「とっとにかく離し、侑仁、離してっ」
「何でだよ」
「分か、分かんないっ」
どうしてかは分からないけれど、侑仁に抱き締められると、一伽は一伽でいられなくなるのだ。
さっきまで、これでもう2度と侑仁に触れられなくなるのだと思って、悲しくなっていたのだから、またこうして侑仁の腕の中に戻って来れたのは嬉しいはずなのに。
「いーちか」
「、ン、ッ…」
侑仁の腕の中、どうすることも出来ずに大人しく収まっている一伽に、侑仁がコツンとおでこを寄せた。
もう本当に顔が熱い。耳も熱い。絶対に真っ赤だ。
「目、開けろよ」
「ヤッ…」
侑仁に言われるまで気付かなかったが、いつの間にか一伽はギュッと目を瞑っていたらしい。
でもそう言われたって、絶対に開けたくない。
だって、侑仁の顔がすごく近いところにあるわけで、目なんか開けたらバッチリ合っちゃうわけで、そんなことになったら、恥ずかしすぎて堪らない。
「開けなきゃ、このままキスすんぞ?」
「ヤッ、うわっ」
キスも困る! と思って反射的に目を開けたら、案の定、しっかり侑仁と目が合って、一伽は慌てて目を閉じ直した。
そうしたら、「どっちだよ」と侑仁の笑う気配がして、顔が離れていく。
「侑仁…?」
一伽は恐る恐る目を開けた。
また一伽がこんな調子だから、侑仁は今度こそ呆れてしまったとか…? そんな不安が一瞬よぎったけれど、目の前の侑仁は、優しく笑ったままだった。
逃げるなら今か? いや、逃げてどうする? どうなるっ?
「どうなるのっ!?」
「は?」
「どうなぅ…の…………に゛~…」
「ちょっ」
本日何度目か、キャパオーバーになった一伽の頭は、本人の意思に反して考えることを放棄したらしく、また目の前がグルグルしてくる。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒
侑仁くんの作戦、大成功!!
ようやくお互いの想いが伝わったけど…
まだまだどんなふうに振る舞ったらいいか
戸惑っちゃうよね~
いっちゃんのグルグルが落ち着くまで、
ガン見からチラ見作戦に変更~。
壁|・ω-;)チラッ
↑ギャラリー(え?)が居るのは気にしないで…↑
だってお二人のこと、まだまだ気になっちゃうんだもん。
ようやくお互いの想いが伝わったけど…
まだまだどんなふうに振る舞ったらいいか
戸惑っちゃうよね~
いっちゃんのグルグルが落ち着くまで、
ガン見からチラ見作戦に変更~。
壁|・ω-;)チラッ
↑ギャラリー(え?)が居るのは気にしないで…↑
だってお二人のこと、まだまだ気になっちゃうんだもん。
- |2012.11.11
- |Sun
- |11:02
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
実は策士だった侑仁さん。
なかなか抜け目ないです(笑)
でも、いっちゃんは相変わらず直球勝負なので、ちょっとのことでグルグル~…。
こうなったら、みんなでチラ見しながら、見守りましょう!!
(気になって余計に…?? いやいや、そんなこと…!)
コメントありがとうございました!
なかなか抜け目ないです(笑)
でも、いっちゃんは相変わらず直球勝負なので、ちょっとのことでグルグル~…。
こうなったら、みんなでチラ見しながら、見守りましょう!!
(気になって余計に…?? いやいや、そんなこと…!)
コメントありがとうございました!
- |2012.11.12
- |Mon
- |07:01
- |URL
- |EDIT|