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暴君王子のおっしゃることには! (188)
2012.11.05 Mon
腕の中でパタパタ暴れる一伽は、単に突然のことに慌てているのか、それとも本気で嫌がっているのかは、よく分からない。知りたくない。もし後者だったら…。
いや、これは夢だろう?
それなら、こんなに嫌がらなくたって。
夢?
目を開ければ、目の前には、いや腕の中には一伽がいた。
夢じゃなかった。
現実だった。
いや、夢かも。だって俺、一伽にキスしちゃった。
けれど、侑仁が一伽の唇を味わう前に、ドンッと胸を突き飛ばされて、一気に目が覚めた。
やっぱり夢だった?
でも唇には確かに触れた感触があって、目の前の一伽は口元を手で押さえながら、驚愕の表情で侑仁を見ている。
そして。
夢か現実か、侑仁の問い掛けに答えることなく、一伽は逃げるように侑仁の部屋を出て行った。
――――それが、昨日の出来事。
一伽が出て行った後も、しばらく侑仁は呆然としていたが、ソファに一伽の荷物が上がっているのを見て、一伽が家に来たこと自体が夢だった、というのが現実逃避だと知る。
テーブルの上にも、2人分のグラス。
やはり一伽は侑仁の家に来て、一緒に飲んで…………そして侑仁は、酔っ払って寝てしまった侑仁を起こしてくれようとしていた一伽を抱き締め、キスをしたのだ。
あー何で俺、キスしちゃったかなぁー…、と思ったのは一瞬のことで、そんなの理由など考えるまでもなく、一伽のことが好きだからに決まっている。
キスしたこと自体、夢かなとか思ったくらいだし、寝惚けていたのは認めるけれど、だからって、相手が分からずに何となくしたわけじゃない。
一伽だから――――一伽のことが好きだから、キスをしたのだ。
まぁだからって、していいことと、そうでないことはあるわけで、一伽があんな勢いで逃げて行ったのを見れば、今回のことは後者だったというわけだ。
でも、キスなんて一伽にしたら、別に大したことではないだろうに、あんな反応。
相手がかわいい女の子だったら嬉しいハプニングで済んだところ、男となんかキスしてしまったから……というには大げさすぎるから、それだけ侑仁が嫌だったのだろうか。
悩んでもキスした事実は変わらないので、自分のしたことを後悔はしないけれど、もしそうなら、やっぱり凹む。
いやでも一伽には好きな人がいるようだったから、それなのに他の人とキスするはめになったから、とも考えられる。
一伽に純情という言葉はおよそ結び付かないけれど、恋をすると人は変わるものだから、一伽もそういうふうになったのかもしれない。
どちらにしても、一伽は逃げるように去って行ったわけで…………友だちとしても、嫌われた気がする。
好きになった相手に、その想いを伝えないまま恋を終わらせるなんて、侑仁には想像も出来ないことで、たとえ望み薄な恋でも、一伽がまだ誰のものでもないのなら、どうにかがんばるつもりだったんだけれど。
…今回ばかりは、もうこれでダメかもしれない。
一伽のことを好きだと気付いたときも、随分と絶望的な気分になったけれど、諦めたほうがいいのかも…と考えるのも、相当やり切れない気持ちになった。
本当にそれでいいのかと、何度も自分に問い掛けた。
このまま一伽に会えなくなるなんて、絶対に嫌だ。でも会って、嫌悪に満ちた目で見られでもしたら。
らしくもなく侑仁が悩んでいたら、ふと、一伽が忘れていった荷物が目に入った。
…荷物、返さないと。
返しに行って、一伽に会って、それでダメなら諦める。
嫌われたのだとしても、荷物を返さないわけにはいかないし、そこで一伽にどんな態度に出られようと、自分の気持ちにも、一伽との関係にもけじめを付けよう。
そう思ったら、侑仁の行動は早い。
翌朝すぐに、一伽が忘れていった荷物を届けに行きたいと、先手を打って航平にメールをした。一伽のほうが取りに来るとなったら、代わりの誰かが来るかもしれないと思ったので。
back next
いや、これは夢だろう?
それなら、こんなに嫌がらなくたって。
夢?
目を開ければ、目の前には、いや腕の中には一伽がいた。
夢じゃなかった。
現実だった。
いや、夢かも。だって俺、一伽にキスしちゃった。
けれど、侑仁が一伽の唇を味わう前に、ドンッと胸を突き飛ばされて、一気に目が覚めた。
やっぱり夢だった?
でも唇には確かに触れた感触があって、目の前の一伽は口元を手で押さえながら、驚愕の表情で侑仁を見ている。
そして。
夢か現実か、侑仁の問い掛けに答えることなく、一伽は逃げるように侑仁の部屋を出て行った。
――――それが、昨日の出来事。
一伽が出て行った後も、しばらく侑仁は呆然としていたが、ソファに一伽の荷物が上がっているのを見て、一伽が家に来たこと自体が夢だった、というのが現実逃避だと知る。
テーブルの上にも、2人分のグラス。
やはり一伽は侑仁の家に来て、一緒に飲んで…………そして侑仁は、酔っ払って寝てしまった侑仁を起こしてくれようとしていた一伽を抱き締め、キスをしたのだ。
あー何で俺、キスしちゃったかなぁー…、と思ったのは一瞬のことで、そんなの理由など考えるまでもなく、一伽のことが好きだからに決まっている。
キスしたこと自体、夢かなとか思ったくらいだし、寝惚けていたのは認めるけれど、だからって、相手が分からずに何となくしたわけじゃない。
一伽だから――――一伽のことが好きだから、キスをしたのだ。
まぁだからって、していいことと、そうでないことはあるわけで、一伽があんな勢いで逃げて行ったのを見れば、今回のことは後者だったというわけだ。
でも、キスなんて一伽にしたら、別に大したことではないだろうに、あんな反応。
相手がかわいい女の子だったら嬉しいハプニングで済んだところ、男となんかキスしてしまったから……というには大げさすぎるから、それだけ侑仁が嫌だったのだろうか。
悩んでもキスした事実は変わらないので、自分のしたことを後悔はしないけれど、もしそうなら、やっぱり凹む。
いやでも一伽には好きな人がいるようだったから、それなのに他の人とキスするはめになったから、とも考えられる。
一伽に純情という言葉はおよそ結び付かないけれど、恋をすると人は変わるものだから、一伽もそういうふうになったのかもしれない。
どちらにしても、一伽は逃げるように去って行ったわけで…………友だちとしても、嫌われた気がする。
好きになった相手に、その想いを伝えないまま恋を終わらせるなんて、侑仁には想像も出来ないことで、たとえ望み薄な恋でも、一伽がまだ誰のものでもないのなら、どうにかがんばるつもりだったんだけれど。
…今回ばかりは、もうこれでダメかもしれない。
一伽のことを好きだと気付いたときも、随分と絶望的な気分になったけれど、諦めたほうがいいのかも…と考えるのも、相当やり切れない気持ちになった。
本当にそれでいいのかと、何度も自分に問い掛けた。
このまま一伽に会えなくなるなんて、絶対に嫌だ。でも会って、嫌悪に満ちた目で見られでもしたら。
らしくもなく侑仁が悩んでいたら、ふと、一伽が忘れていった荷物が目に入った。
…荷物、返さないと。
返しに行って、一伽に会って、それでダメなら諦める。
嫌われたのだとしても、荷物を返さないわけにはいかないし、そこで一伽にどんな態度に出られようと、自分の気持ちにも、一伽との関係にもけじめを付けよう。
そう思ったら、侑仁の行動は早い。
翌朝すぐに、一伽が忘れていった荷物を届けに行きたいと、先手を打って航平にメールをした。一伽のほうが取りに来るとなったら、代わりの誰かが来るかもしれないと思ったので。
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ちよ ⇒
如月久美子 ⇒ >ちよさん
ちよさん!
侑仁さんに、もっと発破を掛けてやってくださいっ(笑)
でも、悩んだ分だけ、得るものも大きいですよね(*^_^*)
諦めたら、そこで終わりです!
コメントありがとうございました!
侑仁さんに、もっと発破を掛けてやってくださいっ(笑)
でも、悩んだ分だけ、得るものも大きいですよね(*^_^*)
諦めたら、そこで終わりです!
コメントありがとうございました!
- |2012.11.05
- |Mon
- |22:40
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- |EDIT|