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暴君王子のおっしゃることには! (186)
2012.11.03 Sat
それでも侑仁は初め、どうして自分がこんな気持ちになるのか分からず、1人で悶々としていたのだが、抱え込み切れずに航平に相談しようとしたとき、前に航平に言われた言葉を思い出したのだ。
『お前は一伽のことが好きなんだよ』
確か、侑仁がリコと付き合うという噂が、本人の知らないところで広まり始めていたときだった。
家で航平と一緒に飲んでいたとき、彼にそう指摘された。
あのときは、航平の言う意味が本気で分からなくて、一体どうしたものかと途方に暮れたのだが、それがこういうことなのかと、侑仁はようやく気が付いたのだ。
一伽に会えなくて、こんなに気持ちが塞ぐ理由――――それは、一伽のことが好きだから。
それに気付いた瞬間、侑仁は目の前が真っ暗になった、というわけである。
まず、自分が男を好きになったという事実が、侑仁の気持ちを激しく落ち込ませた。
しかし、所詮は自分の気持ちなので、認めるのも簡単だった。思い返せば、他の友人たちに比べて、確かに一伽のことは特別扱いしていたかもしれない。
だが、自分の気持ちを認めることが出来でも、問題がないわけではない。何しろ相手は、侑仁以上に女の子が好きな、一伽なのである。
一伽は侑仁の家によく来たり、侑仁の血をおいしいと言ってくれたりしたから、他の男たちに比べて可能性はあるかもしれないが、所詮0%か0.1%かの違いに過ぎない。
それだって、ようやく自分の気持ちに気付いて、どうにかこの恋を成就させようかと思ったときにはもう連絡が来なくなっていたのだから、0%みたいなものだ。
恋は百戦錬磨、とは言わないが、わりと無理めと思われる女の子だって落としたことのある侑仁でも、さすがにここまで望みのない恋をしたことはない。
しかも、この望み薄な恋、それでも万が一の可能性に賭けてみるべきなのか悩み始めた矢先、クライアントからの急な変更要望で、仕事が忙しくなった。
仕事の合間に一伽のことを思い出しはしたけれど、結論を出せるほどの時間があるわけでもなく、ただ日にちばかりが過ぎていき、ようやく仕事が一段落したのが昨日のことだ。
その間も一伽からは何の連絡もなくて、やはりこれは諦めろということなのか、と珍しく弱気にもなった。
無理な恋だと諦めるのは簡単だ。しかし諦めた後、今までのように、友人として過ごせる自信なんか微塵もなくて、ならいっそ、この音信不通を切っ掛けに、疎遠になってしまえばいいんだろうか――――なんて考えたのに。
しかし、一伽からの電話は来た。
どうやら一伽は、いつも何かしら、侑仁の決心を妨げる行動をするらしい。これじゃあ、諦められないじゃないか。
動揺を悟られないようにメシに誘えば、一伽は案外すんなりとオッケーしてくれて、侑仁はそれにホッとしたのと同時に、素直に嬉しい気持ちになった。
久しぶりに一伽に会えるのがこんなに嬉しいなんて、一伽の行動のせいにするまでもなく、やっぱり自分は一伽のことを諦められないのだと、認めざるを得なくなる。
だって、メシの話をしながら一伽と並んで歩いているときだって、もし相手が女の子なら口説く方法なんていくらでもあるのに…とか思っていたくらいだし。
…ホント、どうしようもなく、重症。
一伽が酔っ払った女の子に絡まれたのは、その直後のことだ。
話の感じからして、その子が一伽の彼女ではないようだったが、一伽の言うところの、『気持ちいいことをする関係』の子であることは、何となく分かった。
相手はかわいい女の子なのに、一伽はなぜか必死に彼女の誘いを断っていて、その姿を不思議に思いつつ、出来た大人にはなり切れない侑仁は、苛立ちを抑えることが出来なかった。
だからその後、その子について何か言おうとした一伽にも、素っ気ない態度を取ってしまった。
まだ恋人でもないくせに、嫉妬かよ! と、侑仁は何度も自分に突っ込んだ。
これじゃ気持ちを伝える前に愛想を尽かされるとは思っても、車に乗ってもなかなか気分は晴れなくて、そんな侑仁の雰囲気が伝染したのか、一伽もいつもと違って静かだから、余計に気まずい。
車の中は好きな音楽が流れているし、助手席には好きな子が乗っている、そんな最高のシチュエーションなのに。
もう外で食事なんて気分でなくて、途中のコンビニに寄って、自宅へと車を走らせた。侑仁が気持ちを自覚してから、一伽が家に来るのは初めてのことだ。
先ほどまでの気まずさもあったけれど、案外普通に会話は出来て、だから侑仁はそれとなく、一伽がしばらく何の連絡も寄越さなかったことも尋ねてみた。
こうしてまた電話をくれたり、侑仁の誘いに乗ってくれたりするということは、侑仁のことが嫌になったわけではないのだろうから。
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『お前は一伽のことが好きなんだよ』
確か、侑仁がリコと付き合うという噂が、本人の知らないところで広まり始めていたときだった。
家で航平と一緒に飲んでいたとき、彼にそう指摘された。
あのときは、航平の言う意味が本気で分からなくて、一体どうしたものかと途方に暮れたのだが、それがこういうことなのかと、侑仁はようやく気が付いたのだ。
一伽に会えなくて、こんなに気持ちが塞ぐ理由――――それは、一伽のことが好きだから。
それに気付いた瞬間、侑仁は目の前が真っ暗になった、というわけである。
まず、自分が男を好きになったという事実が、侑仁の気持ちを激しく落ち込ませた。
しかし、所詮は自分の気持ちなので、認めるのも簡単だった。思い返せば、他の友人たちに比べて、確かに一伽のことは特別扱いしていたかもしれない。
だが、自分の気持ちを認めることが出来でも、問題がないわけではない。何しろ相手は、侑仁以上に女の子が好きな、一伽なのである。
一伽は侑仁の家によく来たり、侑仁の血をおいしいと言ってくれたりしたから、他の男たちに比べて可能性はあるかもしれないが、所詮0%か0.1%かの違いに過ぎない。
それだって、ようやく自分の気持ちに気付いて、どうにかこの恋を成就させようかと思ったときにはもう連絡が来なくなっていたのだから、0%みたいなものだ。
恋は百戦錬磨、とは言わないが、わりと無理めと思われる女の子だって落としたことのある侑仁でも、さすがにここまで望みのない恋をしたことはない。
しかも、この望み薄な恋、それでも万が一の可能性に賭けてみるべきなのか悩み始めた矢先、クライアントからの急な変更要望で、仕事が忙しくなった。
仕事の合間に一伽のことを思い出しはしたけれど、結論を出せるほどの時間があるわけでもなく、ただ日にちばかりが過ぎていき、ようやく仕事が一段落したのが昨日のことだ。
その間も一伽からは何の連絡もなくて、やはりこれは諦めろということなのか、と珍しく弱気にもなった。
無理な恋だと諦めるのは簡単だ。しかし諦めた後、今までのように、友人として過ごせる自信なんか微塵もなくて、ならいっそ、この音信不通を切っ掛けに、疎遠になってしまえばいいんだろうか――――なんて考えたのに。
しかし、一伽からの電話は来た。
どうやら一伽は、いつも何かしら、侑仁の決心を妨げる行動をするらしい。これじゃあ、諦められないじゃないか。
動揺を悟られないようにメシに誘えば、一伽は案外すんなりとオッケーしてくれて、侑仁はそれにホッとしたのと同時に、素直に嬉しい気持ちになった。
久しぶりに一伽に会えるのがこんなに嬉しいなんて、一伽の行動のせいにするまでもなく、やっぱり自分は一伽のことを諦められないのだと、認めざるを得なくなる。
だって、メシの話をしながら一伽と並んで歩いているときだって、もし相手が女の子なら口説く方法なんていくらでもあるのに…とか思っていたくらいだし。
…ホント、どうしようもなく、重症。
一伽が酔っ払った女の子に絡まれたのは、その直後のことだ。
話の感じからして、その子が一伽の彼女ではないようだったが、一伽の言うところの、『気持ちいいことをする関係』の子であることは、何となく分かった。
相手はかわいい女の子なのに、一伽はなぜか必死に彼女の誘いを断っていて、その姿を不思議に思いつつ、出来た大人にはなり切れない侑仁は、苛立ちを抑えることが出来なかった。
だからその後、その子について何か言おうとした一伽にも、素っ気ない態度を取ってしまった。
まだ恋人でもないくせに、嫉妬かよ! と、侑仁は何度も自分に突っ込んだ。
これじゃ気持ちを伝える前に愛想を尽かされるとは思っても、車に乗ってもなかなか気分は晴れなくて、そんな侑仁の雰囲気が伝染したのか、一伽もいつもと違って静かだから、余計に気まずい。
車の中は好きな音楽が流れているし、助手席には好きな子が乗っている、そんな最高のシチュエーションなのに。
もう外で食事なんて気分でなくて、途中のコンビニに寄って、自宅へと車を走らせた。侑仁が気持ちを自覚してから、一伽が家に来るのは初めてのことだ。
先ほどまでの気まずさもあったけれど、案外普通に会話は出来て、だから侑仁はそれとなく、一伽がしばらく何の連絡も寄越さなかったことも尋ねてみた。
こうしてまた電話をくれたり、侑仁の誘いに乗ってくれたりするということは、侑仁のことが嫌になったわけではないのだろうから。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
侑仁の胸の内
認め、悩み、考え、決めたことetc...
色々と 知れて嬉しいな♪
まだまだ ある様なので お茶でも飲みながら腰を据えて聞かせて貰いましょうね。
ノホォォン (*´ω`)旦~┳┳~旦(´ω`*) ノホォォン...byebye☆
認め、悩み、考え、決めたことetc...
色々と 知れて嬉しいな♪
まだまだ ある様なので お茶でも飲みながら腰を据えて聞かせて貰いましょうね。
ノホォォン (*´ω`)旦~┳┳~旦(´ω`*) ノホォォン...byebye☆
- |2012.11.03
- |Sat
- |10:47
- |URL
- |EDIT|
凪 ⇒
侑仁ってばちゃんと考えてたね、いっちゃんのこと。
よかったね、いっちゃん。(*^^*)
Coolそうな侑仁だったけど、いっちゃんにやきもちまで☆
うーん、ポーカーフェイスー☆
私もいっちゃんの王子っぷりがすき☆デス
よかったね、いっちゃん。(*^^*)
Coolそうな侑仁だったけど、いっちゃんにやきもちまで☆
うーん、ポーカーフェイスー☆
私もいっちゃんの王子っぷりがすき☆デス
- |2012.11.03
- |Sat
- |11:37
- |URL
- |EDIT|
如月久美子@携帯電話 ⇒ >けいったんさん
今までずっと、いっちゃんサイドからだけしか書いていなかったのですが、ここでようやく侑仁さんサイドです。
ずっと触れてなかったので、侑仁さん、すごい鈍感な人に思われ続けてきましたが、実はいろいろ考えてました(笑)
これから、ゆっくりじっくり語っていきますんで、まぁお茶でも飲みながら…(*^_^*)
コメントありがとうございました!!
ずっと触れてなかったので、侑仁さん、すごい鈍感な人に思われ続けてきましたが、実はいろいろ考えてました(笑)
これから、ゆっくりじっくり語っていきますんで、まぁお茶でも飲みながら…(*^_^*)
コメントありがとうございました!!
- |2012.11.03
- |Sat
- |20:42
- |URL
- |EDIT|
如月久美子@携帯電話 ⇒ >凪さん
今までずっと、侑仁さんサイドを書いてなかったので、何となくクールな印象になってますよね。
まぁ、いっちゃんがだいぶガチャガチャしてますから、このくらいがちょうどいいのかも…(笑)
いっちゃんは、王子様というより、もはや王様……いや、大王様!? という感じですが、ピュアな部分も持っている子なので、これからもかわいがってやってください(*^_^*)
コメントありがとうございました!!
まぁ、いっちゃんがだいぶガチャガチャしてますから、このくらいがちょうどいいのかも…(笑)
いっちゃんは、王子様というより、もはや王様……いや、大王様!? という感じですが、ピュアな部分も持っている子なので、これからもかわいがってやってください(*^_^*)
コメントありがとうございました!!
- |2012.11.03
- |Sat
- |20:48
- |URL
- |EDIT|