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暴君王子のおっしゃることには! (184)
2012.11.01 Thu
そこで一伽は、最悪なことに気が付いた。
今日はまだ、吸血していない…!!
まさか今夜も侑仁に誘われるとは思っていなかった一伽は、侑仁から荷物を受け取ったら、いつもどおり、吸血をして家に帰るつもりでいたので、特に前もって吸血もしていなかったのだ。
とりあえず侑仁は額を離してはくれたけれど、一伽の肩を押さえる手はそのままで、逃げられない一伽は顔を背けた。
「も…ヤダ、バカ…。何でキスなんかしたんだよ…、何で今日も俺のこと誘ったんだよ…」
最初は航平に声を掛けていたではないか。
もしこれで、航平が一緒に来ていたら、どんな話をするつもりだったんだ。
「…キスしたかったから。そんな…泣くほど嫌がられるとは思ってなかったから……ゴメン」
「何ゆってんのっ? キスは好きな人にするの!」
一伽が言っても少しも説得力がないようなことを、まだ目に涙をいっぱい溜めながら、一伽は声を張り上げて言った。
お互い遊びと割り切ってするならいいけど、一伽は侑仁のこと好きなんだから、そんなキス欲しくない。キスしたいだけなら、別に一伽じゃなくたって、女の子に声を掛けたらいいのに。
「お前のこと好きだからしたんだよ」
「違うっ、侑仁のはそういう好きじゃないもんっ」
友だちの『好き』なら、キスなんかしないで。
一伽には、セックスする友だちはいっぱいいたけれど、そういうのはもうやめたし、侑仁ともそんなお友だちにはなりたくないんだから。
「『そういう』て、どういう? 俺の『好き』は、一伽にキスしたいとか、そういう意味だよ? 友だちとかじゃなくて、愛してる、て意味」
「そんなの、嘘だもんっ…!」
子どものようにワンワンと泣きながら、一伽は一生懸命に、侑仁の言葉を否定した。
一伽は侑仁のこと、愛してるとか、LOVEていう意味で好きだけれど、侑仁のは違う。一伽の『好き』とは違う。
「何でそんなに否定すんだよ」
「だって航平くんがっ…」
「航平が何だよ」
全然要領を得ない一伽の言葉に、侑仁も少し苛立ったように聞き返して来た。
今まで会ってから、こんな怖い顔をした侑仁を見たことがなくて(一伽が酔い潰れた翌朝だって、こんなに怒っていなかった)、一伽はまた悲しくなる。
やっぱり侑仁の『好き』は、一伽が思っているような意味とは違うんだ。
だって、一伽のこと本当に好きなら、泣いてる一伽を前にして、そんな怒った顔なんかしないもん。
「離してよぉ~…わーんっ…!」
「ちょっ…ゴメン。でも、航平が何?」
一伽があんまり子どもみたいに泣くものだから、手に負えなくなったのか、侑仁は少し力を緩めてくれて、よしよしするみたいに頭を撫でてくれた。
この隙に逃げ出しちゃえばいいんだろうけど、一伽はそうすることも出来ずに、ソファの上でグズグズと鼻を啜り続けた。
「ねぇ、一伽?」
「……一伽のこと好きそうに見えるの、でも侑仁は認めない、て…」
どんな状況で侑仁と航平がそんな話をしたのかは知らないが、一伽は航平にそのことを聞かされて。
だからこそ一伽は、侑仁のことを友だちと思おうとしたのだし、雪乃に勇気づけられて、侑仁に好きになってもらえるよう、これからがんばるところだったのだ。
「いつの話だよ、それ!」
「最近…、………………最近?」
「すっげぇ前だよ! あー…確かに航平とそんな話したかもだけど、そんなのすげぇ前だし、……その後で自覚した、つったら遅いの?」
「そんなの…」
そんなの、知らない。
侑仁が一伽のこと好きだなんて、そんなの。
「~~~~~侑仁のバカっ…!!!」
「な、何だよ、いきなり」
「侑仁がっ…、侑仁が……うわぁ~んっ!!」
「ちょっ何で泣くんだよ! 一伽! なぁちょっ…あーもう、俺、お前に泣かれると弱いんだよ」
侑仁は困り果てて空を仰いだ後、腕を伸ばして、泣きじゃくる一伽を抱き締めた。
「泣くなって、なぁ」
「うぅ~~~…バカぁ…」
一伽は侑仁の肩口に顔を押し付けて、ずっとずっと泣き続けていた。
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今日はまだ、吸血していない…!!
まさか今夜も侑仁に誘われるとは思っていなかった一伽は、侑仁から荷物を受け取ったら、いつもどおり、吸血をして家に帰るつもりでいたので、特に前もって吸血もしていなかったのだ。
とりあえず侑仁は額を離してはくれたけれど、一伽の肩を押さえる手はそのままで、逃げられない一伽は顔を背けた。
「も…ヤダ、バカ…。何でキスなんかしたんだよ…、何で今日も俺のこと誘ったんだよ…」
最初は航平に声を掛けていたではないか。
もしこれで、航平が一緒に来ていたら、どんな話をするつもりだったんだ。
「…キスしたかったから。そんな…泣くほど嫌がられるとは思ってなかったから……ゴメン」
「何ゆってんのっ? キスは好きな人にするの!」
一伽が言っても少しも説得力がないようなことを、まだ目に涙をいっぱい溜めながら、一伽は声を張り上げて言った。
お互い遊びと割り切ってするならいいけど、一伽は侑仁のこと好きなんだから、そんなキス欲しくない。キスしたいだけなら、別に一伽じゃなくたって、女の子に声を掛けたらいいのに。
「お前のこと好きだからしたんだよ」
「違うっ、侑仁のはそういう好きじゃないもんっ」
友だちの『好き』なら、キスなんかしないで。
一伽には、セックスする友だちはいっぱいいたけれど、そういうのはもうやめたし、侑仁ともそんなお友だちにはなりたくないんだから。
「『そういう』て、どういう? 俺の『好き』は、一伽にキスしたいとか、そういう意味だよ? 友だちとかじゃなくて、愛してる、て意味」
「そんなの、嘘だもんっ…!」
子どものようにワンワンと泣きながら、一伽は一生懸命に、侑仁の言葉を否定した。
一伽は侑仁のこと、愛してるとか、LOVEていう意味で好きだけれど、侑仁のは違う。一伽の『好き』とは違う。
「何でそんなに否定すんだよ」
「だって航平くんがっ…」
「航平が何だよ」
全然要領を得ない一伽の言葉に、侑仁も少し苛立ったように聞き返して来た。
今まで会ってから、こんな怖い顔をした侑仁を見たことがなくて(一伽が酔い潰れた翌朝だって、こんなに怒っていなかった)、一伽はまた悲しくなる。
やっぱり侑仁の『好き』は、一伽が思っているような意味とは違うんだ。
だって、一伽のこと本当に好きなら、泣いてる一伽を前にして、そんな怒った顔なんかしないもん。
「離してよぉ~…わーんっ…!」
「ちょっ…ゴメン。でも、航平が何?」
一伽があんまり子どもみたいに泣くものだから、手に負えなくなったのか、侑仁は少し力を緩めてくれて、よしよしするみたいに頭を撫でてくれた。
この隙に逃げ出しちゃえばいいんだろうけど、一伽はそうすることも出来ずに、ソファの上でグズグズと鼻を啜り続けた。
「ねぇ、一伽?」
「……一伽のこと好きそうに見えるの、でも侑仁は認めない、て…」
どんな状況で侑仁と航平がそんな話をしたのかは知らないが、一伽は航平にそのことを聞かされて。
だからこそ一伽は、侑仁のことを友だちと思おうとしたのだし、雪乃に勇気づけられて、侑仁に好きになってもらえるよう、これからがんばるところだったのだ。
「いつの話だよ、それ!」
「最近…、………………最近?」
「すっげぇ前だよ! あー…確かに航平とそんな話したかもだけど、そんなのすげぇ前だし、……その後で自覚した、つったら遅いの?」
「そんなの…」
そんなの、知らない。
侑仁が一伽のこと好きだなんて、そんなの。
「~~~~~侑仁のバカっ…!!!」
「な、何だよ、いきなり」
「侑仁がっ…、侑仁が……うわぁ~んっ!!」
「ちょっ何で泣くんだよ! 一伽! なぁちょっ…あーもう、俺、お前に泣かれると弱いんだよ」
侑仁は困り果てて空を仰いだ後、腕を伸ばして、泣きじゃくる一伽を抱き締めた。
「泣くなって、なぁ」
「うぅ~~~…バカぁ…」
一伽は侑仁の肩口に顔を押し付けて、ずっとずっと泣き続けていた。
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けいったん ⇒
∑(*゚ェ゚)エッ!?
侑仁が…好きって…好きって言ったぁーーv(≧∇≦)v イェェ~イ♪
只今 乙女心絶賛中のいっちゃんは、吃驚なのと嬉しいのとで 泣いちゃったよ~
良かったね、ほんと良かった
いっちゃん見守り隊としては ただただ嬉しい限りです
嬉しい:(*〇>艸<〇)。.・*゚泣き...byebye☆
侑仁が…好きって…好きって言ったぁーーv(≧∇≦)v イェェ~イ♪
只今 乙女心絶賛中のいっちゃんは、吃驚なのと嬉しいのとで 泣いちゃったよ~
良かったね、ほんと良かった
いっちゃん見守り隊としては ただただ嬉しい限りです
嬉しい:(*〇>艸<〇)。.・*゚泣き...byebye☆
- |2012.11.01
- |Thu
- |15:43
- |URL
- |EDIT|
ちよ ⇒
乙女いっちゃんの心は、まだまだ穏やかではなさそうだけど、
すぐ傍に居るのは侑仁くんなんだよ!
深刻になるのではなく、
真剣にお互いの気持ちを素直にぶつけ合ってね!!
侑仁くんの告白にもちょびっとウルウル。
ちょびっとおっとこ前度、アップ↑アップ↑
けいったんさまに続き、自称・恋三昧見守り隊員として、
しっかりとのぞき見、続行させていただきますよ~!
壁|ωΦ)ジィィィ…
すぐ傍に居るのは侑仁くんなんだよ!
深刻になるのではなく、
真剣にお互いの気持ちを素直にぶつけ合ってね!!
侑仁くんの告白にもちょびっとウルウル。
ちょびっとおっとこ前度、アップ↑アップ↑
けいったんさまに続き、自称・恋三昧見守り隊員として、
しっかりとのぞき見、続行させていただきますよ~!
壁|ωΦ)ジィィィ…
- |2012.11.01
- |Thu
- |18:41
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
何か、ホントに言った?! 聞き間違いじゃないよね!? と念押ししたくなりますよね(^_^;)
そのくらい、侑仁さんは、なかなか気持ちを表さなかったですから。
でも泣き出しちゃったいっちゃん、まだまだ素直になれないご様子です(>_<)
いっちゃん見守り隊!!
けいったんさん、隊長さんでしょうか!?
でも、いっちゃんてホント見守り甲斐があるというか、目が離せないというか…(^_^;)
これからも温かく見守ってあげてください!
コメントありがとうございました!
そのくらい、侑仁さんは、なかなか気持ちを表さなかったですから。
でも泣き出しちゃったいっちゃん、まだまだ素直になれないご様子です(>_<)
いっちゃん見守り隊!!
けいったんさん、隊長さんでしょうか!?
でも、いっちゃんてホント見守り甲斐があるというか、目が離せないというか…(^_^;)
これからも温かく見守ってあげてください!
コメントありがとうございました!
- |2012.11.01
- |Thu
- |22:35
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
いっちゃん、すっかり意固地になっちゃって、なかなか侑仁さんの気持ちを素直に受け取れないでいます。
今まで1人でいろいろ考え過ぎていた反動でしょうか。
ずっと想っていた人から好きだと言われたら、本当は嬉しいはずなんですけどね(>_<)
> 侑仁くんの告白にもちょびっとウルウル。
> ちょびっとおっとこ前度、アップ↑アップ↑
よかった!
侑仁さん、今まで何だか全然ビシッとしていない感じだったので(^_^;)、ちょびっとでも男前度が上がってくれて、よかったです(笑)
ちよさん、見守り隊員ですね(*^_^*)
覗き見なら、私も参加したい~!
コメントありがとうございました!
今まで1人でいろいろ考え過ぎていた反動でしょうか。
ずっと想っていた人から好きだと言われたら、本当は嬉しいはずなんですけどね(>_<)
> 侑仁くんの告白にもちょびっとウルウル。
> ちょびっとおっとこ前度、アップ↑アップ↑
よかった!
侑仁さん、今まで何だか全然ビシッとしていない感じだったので(^_^;)、ちょびっとでも男前度が上がってくれて、よかったです(笑)
ちよさん、見守り隊員ですね(*^_^*)
覗き見なら、私も参加したい~!
コメントありがとうございました!
- |2012.11.01
- |Thu
- |22:45
- |URL
- |EDIT|