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暴君王子のおっしゃることには! (181)
2012.10.29 Mon
(侑仁が待ってる…、侑仁が俺のこと…)
待ち合わせているのだから、待っていて当たり前なのだが、待ち合わせをしているという事実が、どうしようもなく一伽の胸を高鳴らせる。
(ギャーもう恋する乙女かよっ!)
恋はしているけれど、乙女ではない。
そんな柄じゃない。
「あーもうっバカバカ!」
「早くしろつってんだろっ!」
「うわっ、はいっ!」
航平の怒鳴り声で我に返った一伽は、慌ててモップを掛け始めた。
*****
ダラダラと言うほどではないが、いつもどおりそれほどキビキビとも動いていなかった一伽は、掃除を終えると、侑仁に持って来てもらったばかりの荷物を掴んで、店を出た。
「おっお待たせっ」
「おぅ」
店を出たすぐそこにいた侑仁は、一伽を見つけて微笑んだ。
相変わらず一伽は、そんなことにすらキュンキュンしてしまうのだが、ふと、店の前を通り過ぎていく女の子たちが、チラチラと侑仁のほうに視線を向けては、キャーキャー言っているのに気が付いた。
男の一伽から見ても侑仁は格好いいと思うのだから、仕事帰りの疲れたお嬢様方が、偶然見かけたイケメンに胸をときめかせて、癒されると思うのも無理はない。
「ねぇ侑仁、ずっとここに立ってたの?」
「え? そうだけど……何? あ、ワリ、邪魔だった?」
「いや、それはいいんだけど…」
侑仁は、女の子たちの視線に、気付いていないんだろうか。
侑仁が鈍感なのかそうでないのかは、何だかよく分からないけれど、気付いてないんだとしたら、相当鈍感な気はする。
前に侑仁が女の子をナンパしているところを見たことがある(…というか、一伽と思いっ切り被ったのだが)から、女の子に興味がないわけではないだろうに。
それとも、女の子に騒がれるのなんていつものことだから、もう慣れているのかな(それはそれで、男としてちょっと悔しい…)。
「今日どうする? 昨日はウチでコンビニ弁当だったしなぁ」
「ん」
一伽としては、実際のところ、食べるものが何であるかはそれほど重要ではないので、どこかで食べて、そこでバイバイするよりも、コンビニ弁当でも、侑仁の家に行って2人になりたい。
(でも侑仁は、2日続けてコンビニ弁当じゃ、嫌だろうなぁ)
というか、残業続きで、昨日だってすぐに眠くなっちゃったのに、家で1人でゆっくり過ごすとかいう発想は、侑仁の中にないんだろうか。
そのくらい1人が嫌なのか……そうだとしても、一伽に会いたかったんだとしたら、嬉しいな。
「お前ってさ、普段のメシ、血なわけじゃん? 血以外に好きな食いモンとかねぇの?」
「好きなの? んー…」
「つか、味って感じんの?」
「感じるよ!」
何を今さら、ということを言われて、一伽は侑仁を見遣った。
どちらかと言えば、吸血鬼は五感とも人間より優れているから、味覚だって人間よりも敏感なのだ。でなきゃ、血の味の違いまで、分かるはずがない。
「でも…侑仁の食べたいのでいいよ?」
「ふぅん? つかお前、何か雰囲気変わったよな?」
「はぇ!?」
今って何かデートみたい!? と、一伽が密かにドキドキしていたら、侑仁にそんなことを言われて驚く。
もしかして、一伽の気持ち、バレちゃった!?
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待ち合わせているのだから、待っていて当たり前なのだが、待ち合わせをしているという事実が、どうしようもなく一伽の胸を高鳴らせる。
(ギャーもう恋する乙女かよっ!)
恋はしているけれど、乙女ではない。
そんな柄じゃない。
「あーもうっバカバカ!」
「早くしろつってんだろっ!」
「うわっ、はいっ!」
航平の怒鳴り声で我に返った一伽は、慌ててモップを掛け始めた。
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ダラダラと言うほどではないが、いつもどおりそれほどキビキビとも動いていなかった一伽は、掃除を終えると、侑仁に持って来てもらったばかりの荷物を掴んで、店を出た。
「おっお待たせっ」
「おぅ」
店を出たすぐそこにいた侑仁は、一伽を見つけて微笑んだ。
相変わらず一伽は、そんなことにすらキュンキュンしてしまうのだが、ふと、店の前を通り過ぎていく女の子たちが、チラチラと侑仁のほうに視線を向けては、キャーキャー言っているのに気が付いた。
男の一伽から見ても侑仁は格好いいと思うのだから、仕事帰りの疲れたお嬢様方が、偶然見かけたイケメンに胸をときめかせて、癒されると思うのも無理はない。
「ねぇ侑仁、ずっとここに立ってたの?」
「え? そうだけど……何? あ、ワリ、邪魔だった?」
「いや、それはいいんだけど…」
侑仁は、女の子たちの視線に、気付いていないんだろうか。
侑仁が鈍感なのかそうでないのかは、何だかよく分からないけれど、気付いてないんだとしたら、相当鈍感な気はする。
前に侑仁が女の子をナンパしているところを見たことがある(…というか、一伽と思いっ切り被ったのだが)から、女の子に興味がないわけではないだろうに。
それとも、女の子に騒がれるのなんていつものことだから、もう慣れているのかな(それはそれで、男としてちょっと悔しい…)。
「今日どうする? 昨日はウチでコンビニ弁当だったしなぁ」
「ん」
一伽としては、実際のところ、食べるものが何であるかはそれほど重要ではないので、どこかで食べて、そこでバイバイするよりも、コンビニ弁当でも、侑仁の家に行って2人になりたい。
(でも侑仁は、2日続けてコンビニ弁当じゃ、嫌だろうなぁ)
というか、残業続きで、昨日だってすぐに眠くなっちゃったのに、家で1人でゆっくり過ごすとかいう発想は、侑仁の中にないんだろうか。
そのくらい1人が嫌なのか……そうだとしても、一伽に会いたかったんだとしたら、嬉しいな。
「お前ってさ、普段のメシ、血なわけじゃん? 血以外に好きな食いモンとかねぇの?」
「好きなの? んー…」
「つか、味って感じんの?」
「感じるよ!」
何を今さら、ということを言われて、一伽は侑仁を見遣った。
どちらかと言えば、吸血鬼は五感とも人間より優れているから、味覚だって人間よりも敏感なのだ。でなきゃ、血の味の違いまで、分かるはずがない。
「でも…侑仁の食べたいのでいいよ?」
「ふぅん? つかお前、何か雰囲気変わったよな?」
「はぇ!?」
今って何かデートみたい!? と、一伽が密かにドキドキしていたら、侑仁にそんなことを言われて驚く。
もしかして、一伽の気持ち、バレちゃった!?
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