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暴君王子のおっしゃることには! (172)
2012.10.20 Sat
「や…お前が女の子の誘い断って俺のほう来るなんて、俺に気ぃ遣ってんのかな、て思うじゃん。それか、あの子すげぇ酔っ払ってたから、連れて帰っても介抱くらいしか出来ないし?」
「そんなんじゃ…、俺、侑仁とご飯…」
「嘘、冗談だよ。お前が女の子の誘い断んのが珍しかったから言っただけじゃん。そんな顔すんなよ」
今までの自分の行いのせいとはいえ、侑仁にそういう人間…いや、吸血鬼と思われていたのが、ちょっと悲しい。
女の子は大好きだし、でも重たい関係は得意じゃなくて、気持ちいいことが出来ればよくて……だからさっき美亜に誘われても乗らなかったのは、彼女が酔っ払っていたからだ、と思われても仕方ないんだけれど。
「俺、今日侑仁とご飯…」
ちょっと悲しい、どころじゃない。胸がギューて痛くなるくらい、悲しい。
ヤバいぞ、涙が出そうだ。
「ゴメン一伽。悪かった、てば。いや…さっきまでちょっとはそう思ってたけどさ、俺がメシ誘う、つったら、お前が何か嬉しそうな顔するから、もしかして今日も、気ぃ遣ったとか、そういうんじゃないのかな、て思って、聞いてみたかっただけで…………ゴメン」
一伽が泣きそうなのに気付いたのか、むくれていると思ったのか、侑仁が慌ててフォローしてくる。
今さら何言ってんだよ、て言い返してやろうと思ったのに、侑仁の手が、俯き気味の一伽の頭を撫でてくれて、その手がすごく優しかったから、何も言えなくなってしまった。
「…俺ね、そういうの……女の子と、いろいろ何かすんのは、もうやめたの」
「は? お前が? え、お前が?」
「何で2回言うんだよ! やめたってば!」
言おうと思っていたことがやっと言えたのに、侑仁が何度も聞き返してくるから、そんな侑仁がもどかしくて、一伽はつい声を大きくしてしまった。
まったく…今日の自分は一体何キャラなんだと、一伽は自分でも分からなくなってくる。
「いや…何かビビった…。何で? お前、あんなに女の子大好きだったじゃん。何で急に…。じゃあ吸血は?」
「吸血はするよ。しなきゃ死んじゃうもん。でも今は、吸血したら、女の子とはバイバイしてる」
女の子とそういうふうに遊ぶのをやめても、吸血をしないわけにはいかないので、そこは正直に告げる。
吸血だけとはいえ、やはり男から血を吸う気にはなれないので、相変わらず女の子に声を掛けたり連絡したりしているのは、残念ながら事実だし。
「マジかよ…。一体何の気になったわけ?」
「そんなの…いろいろあんの!」
驚きすぎてポカンとした顔になっている侑仁に、一伽はそう言って話を纏める。本当は、侑仁のためだよ! て言ってやりたいけど、それも出来ないので。
しかし、そう断言した一伽がよほど珍しいのか、何で? 何で? と侑仁はしつこい。
「なぁ、何でだよ」
「侑仁、しつこい! 何でそんなに気にすんの?」
「だって気になるし」
何でだよ! と一伽は頭を抱えたくなったが、侑仁がそんな一伽の肩を揺さぶって来たので、それも叶わない。
もしかして侑仁、もう酔っ払っているんだろうか。ペースが早いわけでもないし、量だってまだそんなに飲んでいないけれど、疲れとか…何かそんなので、回るのが早いとか。
「なぁ一伽ー」
「~~~~~~、もぉ~~っ! だってそんな、好きな人がいんのに、そういうことすんの、何かダメじゃんっ!」
一伽が言っても全然説得力がないかもしれないけれど、恋する一伽は、そういう吸血鬼になったのだ。
好きな人が出来たら、たとえその相手と付き合っていないんだとしても、やっぱりそういうのはよくない。…いや、フリーのときから身持ちが堅いほうが、印象はいいはず。
「ん? 侑仁?」
一伽としては、たとえ説得力がなくても、それなりにまともなことを言ったはずなのに、なぜか侑仁は何とも言えない表情で一伽のことを見ていた。
「何、侑仁」
「え、お前、好きな人、いんの?」
「えっ…」
パシパシと瞬きをしながら侑仁が尋ねて来て、その言葉に一伽はハッとなった。
理由を打ち明けるのに、勢いでつい余計なことまで付け加えていたらしい。
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「そんなんじゃ…、俺、侑仁とご飯…」
「嘘、冗談だよ。お前が女の子の誘い断んのが珍しかったから言っただけじゃん。そんな顔すんなよ」
今までの自分の行いのせいとはいえ、侑仁にそういう人間…いや、吸血鬼と思われていたのが、ちょっと悲しい。
女の子は大好きだし、でも重たい関係は得意じゃなくて、気持ちいいことが出来ればよくて……だからさっき美亜に誘われても乗らなかったのは、彼女が酔っ払っていたからだ、と思われても仕方ないんだけれど。
「俺、今日侑仁とご飯…」
ちょっと悲しい、どころじゃない。胸がギューて痛くなるくらい、悲しい。
ヤバいぞ、涙が出そうだ。
「ゴメン一伽。悪かった、てば。いや…さっきまでちょっとはそう思ってたけどさ、俺がメシ誘う、つったら、お前が何か嬉しそうな顔するから、もしかして今日も、気ぃ遣ったとか、そういうんじゃないのかな、て思って、聞いてみたかっただけで…………ゴメン」
一伽が泣きそうなのに気付いたのか、むくれていると思ったのか、侑仁が慌ててフォローしてくる。
今さら何言ってんだよ、て言い返してやろうと思ったのに、侑仁の手が、俯き気味の一伽の頭を撫でてくれて、その手がすごく優しかったから、何も言えなくなってしまった。
「…俺ね、そういうの……女の子と、いろいろ何かすんのは、もうやめたの」
「は? お前が? え、お前が?」
「何で2回言うんだよ! やめたってば!」
言おうと思っていたことがやっと言えたのに、侑仁が何度も聞き返してくるから、そんな侑仁がもどかしくて、一伽はつい声を大きくしてしまった。
まったく…今日の自分は一体何キャラなんだと、一伽は自分でも分からなくなってくる。
「いや…何かビビった…。何で? お前、あんなに女の子大好きだったじゃん。何で急に…。じゃあ吸血は?」
「吸血はするよ。しなきゃ死んじゃうもん。でも今は、吸血したら、女の子とはバイバイしてる」
女の子とそういうふうに遊ぶのをやめても、吸血をしないわけにはいかないので、そこは正直に告げる。
吸血だけとはいえ、やはり男から血を吸う気にはなれないので、相変わらず女の子に声を掛けたり連絡したりしているのは、残念ながら事実だし。
「マジかよ…。一体何の気になったわけ?」
「そんなの…いろいろあんの!」
驚きすぎてポカンとした顔になっている侑仁に、一伽はそう言って話を纏める。本当は、侑仁のためだよ! て言ってやりたいけど、それも出来ないので。
しかし、そう断言した一伽がよほど珍しいのか、何で? 何で? と侑仁はしつこい。
「なぁ、何でだよ」
「侑仁、しつこい! 何でそんなに気にすんの?」
「だって気になるし」
何でだよ! と一伽は頭を抱えたくなったが、侑仁がそんな一伽の肩を揺さぶって来たので、それも叶わない。
もしかして侑仁、もう酔っ払っているんだろうか。ペースが早いわけでもないし、量だってまだそんなに飲んでいないけれど、疲れとか…何かそんなので、回るのが早いとか。
「なぁ一伽ー」
「~~~~~~、もぉ~~っ! だってそんな、好きな人がいんのに、そういうことすんの、何かダメじゃんっ!」
一伽が言っても全然説得力がないかもしれないけれど、恋する一伽は、そういう吸血鬼になったのだ。
好きな人が出来たら、たとえその相手と付き合っていないんだとしても、やっぱりそういうのはよくない。…いや、フリーのときから身持ちが堅いほうが、印象はいいはず。
「ん? 侑仁?」
一伽としては、たとえ説得力がなくても、それなりにまともなことを言ったはずなのに、なぜか侑仁は何とも言えない表情で一伽のことを見ていた。
「何、侑仁」
「え、お前、好きな人、いんの?」
「えっ…」
パシパシと瞬きをしながら侑仁が尋ねて来て、その言葉に一伽はハッとなった。
理由を打ち明けるのに、勢いでつい余計なことまで付け加えていたらしい。
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けいったん ⇒
おぉ~ いっちゃんったら とうとう言ったわね♪(*ノ∀゚*)σァヒャ
侑仁にしては あまりにも 何回も聞いて来たから?
でも この逆ギレ的な言い方って どうよ!?
まっ 侑仁が気にしてないなら…って ”好きな人”に食いついたぁ~
もしかして?
いやいや 侑仁だから ちょっとだけの期待って事で♪
キタゾー!!(;`・ω・´)o/⌒ヾ >*)3))><<バタバタ...byebye☆
侑仁にしては あまりにも 何回も聞いて来たから?
でも この逆ギレ的な言い方って どうよ!?
まっ 侑仁が気にしてないなら…って ”好きな人”に食いついたぁ~
もしかして?
いやいや 侑仁だから ちょっとだけの期待って事で♪
キタゾー!!(;`・ω・´)o/⌒ヾ >*)3))><<バタバタ...byebye☆
- |2012.10.20
- |Sat
- |11:28
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
侑仁さんのしつこさに、思わず口走ってしまったいっちゃん。
はい、まさに逆切れです。
逆切れはいっちゃんの得意技なんで…(笑)
相変わらず侑仁さんは、読めない人ですね(^_^;)
ちょっとは食い付いた感じでしょうか。
けいったんさんの期待も、「ちょっとだけ」になってしまったっ!!
侑仁さん、早く男を見せないと、見捨てられちゃうよ~(>_<)
コメントありがとうございました!
はい、まさに逆切れです。
逆切れはいっちゃんの得意技なんで…(笑)
相変わらず侑仁さんは、読めない人ですね(^_^;)
ちょっとは食い付いた感じでしょうか。
けいったんさんの期待も、「ちょっとだけ」になってしまったっ!!
侑仁さん、早く男を見せないと、見捨てられちゃうよ~(>_<)
コメントありがとうございました!
- |2012.10.20
- |Sat
- |22:11
- |URL
- |EDIT|