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暴君王子のおっしゃることには! (173)
2012.10.21 Sun
確かに一伽には今好きな人がいて、それは侑仁のことで、雪乃との昨日の話で、もうちょっとがんばってみることにはしたけれど、いきなりそんな、想いを告げるつもりもないから、ここは何とかごまかさないと。
「いや、好きな人がいたら、てこと。もし好きな人が出来たときに、あんまそんな、遊んでる人とかだったら嫌がられるかな、て思って」
「ふぅん…?」
焦って早口になりそうなのを何とか抑えて、一伽は尤もらしい言葉で言い直した。
侑仁は何となく納得していないような雰囲気を出していたけれど、さっきまであんなにしつこかったのが嘘のように、何も聞き返さずにグラスを空にした。
(この話題には……そんなに興味ないの、かな…)
…侑仁が聞いてくるから、答えたんだけど。
どうやら、一伽が女の子といろいろ遊ぶのをやめた理由には興味があっても、一伽の好きな人のことには、それほど関心がないらしい。
一伽自身に関心がないわけではないようだけど、その好きな人のことに興味がないということは、やはり一伽のことを友だち以上には思っていない、ということだ。
(まぁ…、そんなにいきなりは無理か)
昨日まで友だちと思っていた相手を、今日ちょっと一緒にご飯したくらいで、恋愛感情を持つほどになんかなるとは思えない。
いや、人が恋に落ちるきっかけは、案外単純なものではあるけれど、今日の一伽と侑仁の間には、そんな出来事、何もなかったし。
「…侑仁、ずっと忙しかった、て……どんな仕事してたの?」
「え? あぁ、えっと…」
もうこれ以上この話を引っ張るのは何となく気まずい気がして、一伽のほうから話題を変えた。
一伽の突然の方向転換に、侑仁は一瞬だけ呆気に取られたようだったが、すぐに仕事の話をしてくれた。
「つかお前、聞いといて、実は全然分かってないだろ」
途中まで話したところで、侑仁はふと気付いたようにそう言った。
侑仁は、なるべく専門用語とかを使わないで、一伽にも分かるように話してくれていたようだったけれど、もともとパソコンだのインターネットだのにはさっぱり疎い一伽は、侑仁の言うとおり、全然分かっていなかった。
「だって俺、パソコンとか全然分かんないし」
「全然て……どんくらい?」
「…どんくらいか言うのも恥ずかしいレベルで分かんない」
家でインターネットくらいはするけれど、ちょっと興味のあるサイトを覗くくらいで、ネットで買い物だとか、何かを予約するだとかは、まったく。
今は、音楽だってCDを買うんじゃなくて、ダウンロードするのが一般的になってきているらしいが、一伽にしたら、それすらも何のことやら、の世界なのだ。
「でもお前の店、ネットショップなかったっけ? 俺、何か買ったことある気がする」
「あー…うん、あることはある。でもそれは全部志信がやってる」
一伽が最初にパソコンは殆どまったく構えないことを航平に伝えてあるので、自慢ではないが、志信がいない日だって、1度も任されたことはないのだ。
「つか航平くん、俺にパソコン触らせてすらくれないの。やってみなきゃ、覚えらんないのにさ!」
「覚える気はあるんだ?」
「いや、あんまない」
「ねぇのかよ!」
口先だけの一伽のやる気に、侑仁は非常にウケて、手を叩きながら笑い転げている。
最初のころ、一伽もちょっとだけやってみようかなぁ…と思って、志信に教わりながらちょっとやったけれど、入力し終えた後、決定ボタンを押すのが怖くて、やっぱりやめたのだ。
「いいんだよ、俺は地道に服売りまくってやんだから!」
「あはは、がんばれ」
これでも一伽は仕事中、それなりに愛想を振りまいて、精一杯接客しているんだから。
back next
「いや、好きな人がいたら、てこと。もし好きな人が出来たときに、あんまそんな、遊んでる人とかだったら嫌がられるかな、て思って」
「ふぅん…?」
焦って早口になりそうなのを何とか抑えて、一伽は尤もらしい言葉で言い直した。
侑仁は何となく納得していないような雰囲気を出していたけれど、さっきまであんなにしつこかったのが嘘のように、何も聞き返さずにグラスを空にした。
(この話題には……そんなに興味ないの、かな…)
…侑仁が聞いてくるから、答えたんだけど。
どうやら、一伽が女の子といろいろ遊ぶのをやめた理由には興味があっても、一伽の好きな人のことには、それほど関心がないらしい。
一伽自身に関心がないわけではないようだけど、その好きな人のことに興味がないということは、やはり一伽のことを友だち以上には思っていない、ということだ。
(まぁ…、そんなにいきなりは無理か)
昨日まで友だちと思っていた相手を、今日ちょっと一緒にご飯したくらいで、恋愛感情を持つほどになんかなるとは思えない。
いや、人が恋に落ちるきっかけは、案外単純なものではあるけれど、今日の一伽と侑仁の間には、そんな出来事、何もなかったし。
「…侑仁、ずっと忙しかった、て……どんな仕事してたの?」
「え? あぁ、えっと…」
もうこれ以上この話を引っ張るのは何となく気まずい気がして、一伽のほうから話題を変えた。
一伽の突然の方向転換に、侑仁は一瞬だけ呆気に取られたようだったが、すぐに仕事の話をしてくれた。
「つかお前、聞いといて、実は全然分かってないだろ」
途中まで話したところで、侑仁はふと気付いたようにそう言った。
侑仁は、なるべく専門用語とかを使わないで、一伽にも分かるように話してくれていたようだったけれど、もともとパソコンだのインターネットだのにはさっぱり疎い一伽は、侑仁の言うとおり、全然分かっていなかった。
「だって俺、パソコンとか全然分かんないし」
「全然て……どんくらい?」
「…どんくらいか言うのも恥ずかしいレベルで分かんない」
家でインターネットくらいはするけれど、ちょっと興味のあるサイトを覗くくらいで、ネットで買い物だとか、何かを予約するだとかは、まったく。
今は、音楽だってCDを買うんじゃなくて、ダウンロードするのが一般的になってきているらしいが、一伽にしたら、それすらも何のことやら、の世界なのだ。
「でもお前の店、ネットショップなかったっけ? 俺、何か買ったことある気がする」
「あー…うん、あることはある。でもそれは全部志信がやってる」
一伽が最初にパソコンは殆どまったく構えないことを航平に伝えてあるので、自慢ではないが、志信がいない日だって、1度も任されたことはないのだ。
「つか航平くん、俺にパソコン触らせてすらくれないの。やってみなきゃ、覚えらんないのにさ!」
「覚える気はあるんだ?」
「いや、あんまない」
「ねぇのかよ!」
口先だけの一伽のやる気に、侑仁は非常にウケて、手を叩きながら笑い転げている。
最初のころ、一伽もちょっとだけやってみようかなぁ…と思って、志信に教わりながらちょっとやったけれど、入力し終えた後、決定ボタンを押すのが怖くて、やっぱりやめたのだ。
「いいんだよ、俺は地道に服売りまくってやんだから!」
「あはは、がんばれ」
これでも一伽は仕事中、それなりに愛想を振りまいて、精一杯接客しているんだから。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒
いっちゃんの隠しきれていない言い訳に、
あまり納得していない侑仁くん。
再びの「ふぅん…?」ですね。
いっちゃんの好きな人のことに関しては、
敏感反応していると思うけどなぁ?
まだまだ、読めないお人だ…。
あまり納得していない侑仁くん。
再びの「ふぅん…?」ですね。
いっちゃんの好きな人のことに関しては、
敏感反応していると思うけどなぁ?
まだまだ、読めないお人だ…。
- |2012.10.21
- |Sun
- |22:53
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
納得しているのか、いないのか。
関心があるのかないのか。
まだまだ謎のお人な侑仁さんです。
でもいっちゃんも、怖くていろいろ突っ込んで聞けないんですよね。
そんなのお構いなしで、怖いもの知らずな子だったんですが。
恋は人も吸血鬼も変えちゃうみたいです(>_<)
コメントありがとうございました!
関心があるのかないのか。
まだまだ謎のお人な侑仁さんです。
でもいっちゃんも、怖くていろいろ突っ込んで聞けないんですよね。
そんなのお構いなしで、怖いもの知らずな子だったんですが。
恋は人も吸血鬼も変えちゃうみたいです(>_<)
コメントありがとうございました!
- |2012.10.22
- |Mon
- |21:17
- |URL
- |EDIT|